筑波大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第008回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。標準計算と、条件整理・図形の立式・記述の応用を組み合わせます。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 逆数で線形化し差を足す(17点)

\[ a_1=1/27,\ a_{n+1}=a_n/(1+a_n) \]

で数列を定める。

(1)すべての項が正であることを確認し、一般項を求めなさい。(5点)

(2)\(\sum_{j=1}^n a_ja_{j+1}\) を求めなさい。(5点)

(3)\(\prod_{j=1}^n(1+a_j)\) を求めなさい。(7点)


第2問 複素数の距離条件と逆数の軌跡(17点)

複素数zが \(|z-27|=2|z+27|\) を満たす。

(1)実部と虚部を使って軌跡の方程式を求め、中心と半径を示しなさい。(5点)

(2)絶対値の最大値と最小値、およびそれらをとる複素数を求めなさい。(5点)

(3)逆数w=1/zの軌跡も求めなさい。逆数が定義できる理由を述べなさい。(7点)


第3問 三次方程式の実数解の個数(17点)

実数 \(a\) に対し、方程式 \(x^3-2187x=a\) を考える。

(1)左辺の関数の極大値と極小値を求めなさい。(5点)

(2)異なる3つの実数解をもつための必要十分条件を求め、理由を説明しなさい。(5点)

(3)異なる実数解がちょうど2つとなる場合のパラメータと、そのときの解をすべて求めなさい。(7点)


第4問 停止する試行と期待値の連立(17点)

表の確率が \(1/27\)、裏の確率が \(26/27\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。

(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(5点)

(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(5点)

(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(7点)


第5問 三角関数の積分漸化式(16点)

\[ I_n=\int_0^{\pi/2}\sin^n x\,dx \]

とする。\(n\) は0以上の整数である。

(1)部分積分により、次数を2つ下げる漸化式を導きなさい。(4点)

(2)\(I_{54}\) を求めなさい。(4点)

(3)\(I_{55}\) を求めなさい。(8点)


第6問 空間の垂線と四面体(16点)

空間で

\[ O(0,0,0),A(27,0,0),B(0,54,0),C(0,0,81) \]

を考える。

(1)平面ABC上の点の座標が満たす方程式を求めなさい。(4点)

(2)Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hと距離OHを求めなさい。(4点)

(3)四面体OABCの体積を2通りに表し、三角形ABCの面積を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 逆数で線形化し差を足す

(1)

初項が正で、正の項から次の正の項が作られるので帰納的にすべて正。逆数をとると \(1/a_{n+1}=1/a_n+1\)。

\[ \boxed{a_n=\frac1{n+26}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

漸化式から

\[ a_j-a_{j+1}=a_j^2/(1+a_j)=a_ja_{j+1} \]

。和をとると中間の項が消える。

\[ \boxed{\frac1{27}-\frac1{n+27}=\frac{n}{27(n+27)}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

漸化式を変形すると \(1+a_j=a_j/a_{j+1}\)。積では中間の項が約分される。

\[ \boxed{\frac{n+27}{27}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 複素数の距離条件と逆数の軌跡

(1)

\(z=x+iy\) として2乗すると \((x-27)^2+y^2=4((x+27)^2+y^2)\)。平方完成して円の式に直す。

\[ \boxed{(x+45)^2+y^2=1296} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

原点から中心までの距離は \(135/3\)、半径は \(108/3\)。円は原点を含まない。原点と中心を結ぶ直線上の2点で距離の極値をとる。

\[ \boxed{\max|z|=81\ (z=-81),\quad\min|z|=9\ (z=-9)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の最小値が正なので逆数をとれる。条件を \(|1-27w|=2|1+27w|\) に直し、同様に平方完成する。

\[ \boxed{(\operatorname{Re}w+\frac{5}{81})^2+(\operatorname{Im}w)^2=\frac{16}{6561}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 三次方程式の実数解の個数

(1)

\(f'(x)=3(x-27)(x+27)\)。増減は順に増加・減少・増加なので、\(x=-27\) で極大、\(x=27\) で極小となる。

\[ \boxed{\text{極大値 }39366,\quad\text{極小値 }-39366} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

水平線が3つの単調な部分にそれぞれ1回交わる条件は、高さが極小値より大きく極大値より小さいことである。端点では接して重解をもつため除く。

\[ \boxed{-39366<a<39366} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(a=39366\) では \(f(x)-a=(x-54)(x+27)^2\)。\(a=-39366\) では \(f(x)-a=(x+54)(x-27)^2\)。

\[ \boxed{a=39366:x=-27,54;\quad a=-39366:x=-54,27} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 停止する試行と期待値の連立

(1)

2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。

\[ \boxed{P(T=2)=\frac{1}{729},\quad P(T=3)=\frac{26}{19683}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(p=1/27,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。

\[ \boxed{756} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

1回の表までの平均は \(27\) 回なので合計2回の表までの平均は \(54\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。

\[ \boxed{E_{\text{合計2回}}=54,\quad\text{差}=702} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 三角関数の積分漸化式

(1)

\(n\ge2\) とする。\(\sin^{n-1}x\) と \(\sin x\) に分けて部分積分すると、境界項は0で

\[ I_n=(n-1)\int\sin^{n-2}x\cos^2x\,dx=(n-1)(I_{n-2}-I_n) \]

。

\[ \boxed{I_n=\frac{n-1}nI_{n-2}\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(I_0=\pi/2\) から漸化式を \(27\) 回使う。偶数の積と奇数の積を整理すると

\[ I_{2m}=\binom{2m}{m}\pi/(2\cdot4^m) \]

。

\[ \boxed{\frac{121683714103007}{2251799813685248}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(I_1=1\) から漸化式を \(27\) 回使う。\(I_{2m+1}=4^m(m!)^2/(2m+1)!\)。

\[ \boxed{\frac{1125899906842624}{6692604275665385}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 空間の垂線と四面体

(1)

平面の方程式を \(ux+vy+wz=c\) とおき、3点を代入する。係数は共通倍してよい。

\[ \boxed{6x+3y+2z=162} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

法線ベクトルは \((6,3,2)\) なので \(H=s(6,3,2)\)。平面の式への代入で \(49s=162\)。距離は \(7s\)。

\[ \boxed{H=(\frac{972}{49},\frac{486}{49},\frac{324}{49}),\quad OH=\frac{162}{7}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

底面OABの面積は \(729\)、Cからこの底面までの高さは \(81\) なので体積は \(19683\)。一方、ABCを底面とすると \(V=S_{ABC}\cdot OH/3\)。

\[ \boxed{\frac{5103}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。