東北大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第018回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 重解を使う三次曲線の面積(17点)

曲線 \(y=f(x)=x^3-300x\) の \(x=10\) における接線をlとする。

(1)接線と曲線のすべての交点を求めなさい。重解の意味も説明しなさい。(5点)

(2)曲線と接線で囲まれた有限部分の面積を求めなさい。(5点)

(3)その部分のうち、横座標が非負である部分の面積が全体に占める割合を求めなさい。(7点)


第2問 区分求積と和の極限(17点)

正の整数nについて、

\[ A_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\sqrt{10+\frac jn} \]

、

\[ B_n=\sum_{j=1}^n\frac1{10n+j} \]

とする。

(1)両方の和を、幅1/nの分割に対応する区分求積の形で説明しなさい。(5点)

(2)Aの数列の極限を求めなさい。(5点)

(3)Bの数列の極限を求めなさい。(7点)


第3問 放物線の接線と囲まれた面積(17点)

放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-100)\) を考える。

(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(5点)

(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(5点)

(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(7点)


第4問 完全順列の漸化式と固定点(17点)

\(10\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。

(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(5点)

(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(5点)

(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(7点)


第5問 複素数の回転と正三角形(16点)

複素数平面で \(A=10,B=10i\) とする。ABを1辺とする正三角形の第3頂点をCとする。

(1)2つの可能な第3頂点を複素数で求めなさい。(4点)

(2)正三角形の面積を求めなさい。(4点)

(3)それぞれの外心の複素数と、共通の外接円の半径を求めなさい。(8点)


第6問 三角関数を二次関数に置き換える(16点)

\(0\le\theta\le\pi/2\) で

\[ f(\theta)=\sin\theta+10\cos2\theta \]

とする。

(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(4点)

(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(4点)

(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=10\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 重解を使う三次曲線の面積

(1)

\(f'(10)=0\) なので \(l:y=-2000\)。差は \((x-10)^2(x+20)\)。接点の横座標は2重の根となる。

\[ \boxed{(-20,-2000),\quad(10,-2000)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

区間 \([-20,10]\) では差は非負。

\[ S=\int_{-20}^{10}(x^3-300x+2000)\,dx \]

。原始関数は \\(x^4/4-150x^2+2000x\\)。

\[ \boxed{67500} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

非負の横座標の部分は

\[ \int_0^{10}(f(x)+2000)\,dx=7500 \]

。全体の面積で割る。

\[ \boxed{\frac19} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 区分求積と和の極限

(1)

\(A_n\) は \(f(x)=\sqrt{10+x}\)、

\[ B_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\frac1{10+j/n} \]

は \(g(x)=1/(10+x)\) の右端の値を用いた和。両方とも区間[0,1]で連続なので定積分に収束する。

\[ \boxed{A_n\to\int_0^1f(x)\,dx,\quad B_n\to\int_0^1g(x)\,dx} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\[ \lim A_n=\int_0^1\sqrt{10+x}\,dx=[\frac23(10+x)^{3/2}]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\frac23(11\sqrt{11}-10\sqrt{10})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ \lim B_n=\int_0^1\frac1{10+x}\,dx=[\log(10+x)]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\log\frac{11}{10}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 放物線の接線と囲まれた面積

(1)

接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=100\)。

\[ \boxed{y=20x-100,\quad y=-20x-100} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

接点は \((\pm10,100)\)。底辺の長さは \(20\)、Pから底辺までの高さは \(200\)。

\[ \boxed{2000} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-10)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{10}(x-10)^2\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{2000}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 完全順列の漸化式と固定点

(1)

1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。

\[ \boxed{D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

初期値から前問の漸化式を順に計算すると \(D_{10}=1334961\)。全割当ては \(10!\) 通り。

\[ \boxed{\frac{16481}{44800}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/10\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 複素数の回転と正三角形

(1)

\[ C-A=(B-A)(\cos(\pi/3)\pm i\sin(\pi/3)) \]

。整理すると \(C=(A+B)/2\pm i\sqrt3(B-A)/2\)。両符号が2つの側を表す。

\[ \boxed{C=5(1\pm\sqrt3)(1+i)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(|B-A|=10\sqrt2\)。正三角形の面積は辺の2乗の \(\sqrt3/4\) 倍。

\[ \boxed{S=50\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

正三角形の外心は重心とも一致するので \((A+B+C)/3\)。半径は辺の長さを \(\sqrt3\) で割る。

\[ \boxed{O_\pm=\frac{5}{3}(3\pm\sqrt3)(1+i),\quad R=\frac{10}{3}\sqrt{6}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 三角関数を二次関数に置き換える

(1)

\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{f=10+t-20t^2,\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

平方完成より

\[ f=10+\frac1{80}-20(t-\frac1{40})^2 \]

。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=10\)、\(f(1)=-9\)。

\[ \boxed{\max f=\frac{801}{80}\ (\sin\theta=\frac1{40}),\quad\min f=-9\ (\theta=\pi/2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(t-20t^2=0\) の解は0と \(1/20\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。

\[ \boxed{\sin\theta=\frac1{20}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。