上智大学 TEAP利用型・数学IIIを含む 数学記述模試 第019回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。標準計算と、条件整理・図形の立式・記述の応用を組み合わせます。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 三角関数を二次関数に置き換える(17点)

\(0\le\theta\le\pi/2\) で

\[ f(\theta)=\sin\theta+10\cos2\theta \]

とする。

(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(5点)

(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(5点)

(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=10\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(7点)


第2問 複素数の距離条件と逆数の軌跡(17点)

複素数zが \(|z-10|=2|z+10|\) を満たす。

(1)実部と虚部を使って軌跡の方程式を求め、中心と半径を示しなさい。(5点)

(2)絶対値の最大値と最小値、およびそれらをとる複素数を求めなさい。(5点)

(3)逆数w=1/zの軌跡も求めなさい。逆数が定義できる理由を述べなさい。(7点)


第3問 三角関数の積分漸化式(17点)

\[ I_n=\int_0^{\pi/2}\sin^n x\,dx \]

とする。\(n\) は0以上の整数である。

(1)部分積分により、次数を2つ下げる漸化式を導きなさい。(5点)

(2)\(I_{20}\) を求めなさい。(5点)

(3)\(I_{21}\) を求めなさい。(7点)


第4問 反復試行と条件付き確率(17点)

公平な硬貨を10回投げる。表の回数をXとする。

(1)表がちょうど2回出る確率を求めなさい。(5点)

(2)表が少なくとも1回出る確率を求めなさい。(5点)

(3)表が少なくとも1回出たという条件で、ちょうど2回出た確率を求めなさい。(7点)


第5問 逆数で線形化し差を足す(16点)

\[ a_1=1/10,\ a_{n+1}=a_n/(1+a_n) \]

で数列を定める。

(1)すべての項が正であることを確認し、一般項を求めなさい。(4点)

(2)\(\sum_{j=1}^n a_ja_{j+1}\) を求めなさい。(4点)

(3)\(\prod_{j=1}^n(1+a_j)\) を求めなさい。(8点)


第6問 等周条件と三角形の面積(16点)

周の長さが \(60\) の二等辺三角形を考える。等しい2辺の長さをa、底辺の長さをbとする。

(1)底辺をaで表し、三角形が存在するaの範囲を求めなさい。(4点)

(2)面積が最大になる辺の長さと最大面積を求め、最大になる理由を示しなさい。(4点)

(3)面積が最大になる三角形の内接円の半径を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 三角関数を二次関数に置き換える

(1)

\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{f=10+t-20t^2,\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

平方完成より

\[ f=10+\frac1{80}-20(t-\frac1{40})^2 \]

。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=10\)、\(f(1)=-9\)。

\[ \boxed{\max f=\frac{801}{80}\ (\sin\theta=\frac1{40}),\quad\min f=-9\ (\theta=\pi/2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(t-20t^2=0\) の解は0と \(1/20\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。

\[ \boxed{\sin\theta=\frac1{20}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 複素数の距離条件と逆数の軌跡

(1)

\(z=x+iy\) として2乗すると \((x-10)^2+y^2=4((x+10)^2+y^2)\)。平方完成して円の式に直す。

\[ \boxed{(x+\frac{50}{3})^2+y^2=\frac{1600}{9}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

原点から中心までの距離は \(50/3\)、半径は \(40/3\)。円は原点を含まない。原点と中心を結ぶ直線上の2点で距離の極値をとる。

\[ \boxed{\max|z|=30\ (z=-30),\quad\min|z|=\frac{10}{3}\ (z=-\frac{10}{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の最小値が正なので逆数をとれる。条件を \(|1-10w|=2|1+10w|\) に直し、同様に平方完成する。

\[ \boxed{(\operatorname{Re}w+\frac{1}{6})^2+(\operatorname{Im}w)^2=\frac{4}{225}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 三角関数の積分漸化式

(1)

\(n\ge2\) とする。\(\sin^{n-1}x\) と \(\sin x\) に分けて部分積分すると、境界項は0で

\[ I_n=(n-1)\int\sin^{n-2}x\cos^2x\,dx=(n-1)(I_{n-2}-I_n) \]

。

\[ \boxed{I_n=\frac{n-1}nI_{n-2}\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(I_0=\pi/2\) から漸化式を \(10\) 回使う。偶数の積と奇数の積を整理すると

\[ I_{2m}=\binom{2m}{m}\pi/(2\cdot4^m) \]

。

\[ \boxed{\frac{46189}{524288}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(I_1=1\) から漸化式を \(10\) 回使う。\(I_{2m+1}=4^m(m!)^2/(2m+1)!\)。

\[ \boxed{\frac{262144}{969969}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 反復試行と条件付き確率

(1)

表が出る2回を選ぶ方法は \(10\) 個の位置から2個選ぶ組合せ。各列の確率は同じ。

\[ \boxed{\frac{45}{1024}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

余事象はすべて裏である1列。全体からこの確率を引く。

\[ \boxed{\frac{1023}{1024}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

ちょうど2回表が出る事象は条件の事象に含まれるので、前2問の確率の比をとる。

\[ \boxed{\frac{15}{341}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 逆数で線形化し差を足す

(1)

初項が正で、正の項から次の正の項が作られるので帰納的にすべて正。逆数をとると \(1/a_{n+1}=1/a_n+1\)。

\[ \boxed{a_n=\frac1{n+9}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

漸化式から

\[ a_j-a_{j+1}=a_j^2/(1+a_j)=a_ja_{j+1} \]

。和をとると中間の項が消える。

\[ \boxed{\frac1{10}-\frac1{n+10}=\frac{n}{10(n+10)}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

漸化式を変形すると \(1+a_j=a_j/a_{j+1}\)。積では中間の項が約分される。

\[ \boxed{\frac{n+10}{10}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 等周条件と三角形の面積

(1)

\(b=60-2a\)。\(b>0\) と三角不等式 \(b<2a\) の両方を満たす必要がある。

\[ \boxed{b=60-2a,\quad 15<a<30} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

底辺を二等分して高さを求めると \(S^2=30(30-a)^2(2a-30)\)。微分すると \((S^2)'=180(30-a)(20-a)\)。存在範囲で \(a=20\) の前は正、後は負。最大は正三角形のとき。

\[ \boxed{a=b=20,\quad S_{\max}=100\sqrt3} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

半周長は \(30\)。内心から3辺に垂線を下ろして分割すると \(S=30r\)。

\[ \boxed{r=\frac{10}{3}\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。