埼玉大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第053回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。基本事項から標準問題まで、各大問の3小問で段階的に確認します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

前の回 · 全100回の出題内容 · 次の回 · 大学別の一覧


問題

第1問 剰余定理と三次式の因数分解(17点)

\(P(x)=x^3+ax+b\) とし、\(P(9)=0\)、\(P(-9)=1458\) とする。

(1)a,bを求めなさい。(5点)

(2)P(x)=0の解をすべて求めなさい。(5点)

(3)P(x)を \(x-18\) で割った余りを求めなさい。(7点)


第2問 複素数の距離条件と逆数の軌跡(17点)

複素数zが \(|z-9|=2|z+9|\) を満たす。

(1)実部と虚部を使って軌跡の方程式を求め、中心と半径を示しなさい。(5点)

(2)絶対値の最大値と最小値、およびそれらをとる複素数を求めなさい。(5点)

(3)逆数w=1/zの軌跡も求めなさい。逆数が定義できる理由を述べなさい。(7点)


第3問 絶対値の和と場合分け(17点)

\(f(x)=|x-9|+|x+9|\) とする。

(1)絶対値を外し、区間で場合分けして表しなさい。(5点)

(2)最小値と、その値をとるすべてのxを求めなさい。(5点)

(3)不等式 \(f(x)\le 27\) を解きなさい。(7点)


第4問 指数関数の最大値と積分の極限(17点)

\(x\ge0\) で \(f(x)=xe^{-9x}\) とする。

(1)増減を調べ、最大値とそれをとる横座標を求めなさい。(5点)

(2)\(a>0\) として \(\int_0^a f(x)\,dx\) を求めなさい。(5点)

(3)前問の定積分で上端を限りなく大きくしたときの極限値を求めなさい。(7点)


第5問 部分分数分解と有限和の評価(16点)

\(a_n=\frac1{(n+9)(n+10)}\) とする。

(1)aₙを2つの分数の差に分解しなさい。(4点)

(2)初項から第n項までの和Sₙを求めなさい。(4点)

(3)\(S_n\ge\frac1{20}\) となる最小の正の整数nを求めなさい。(8点)


第6問 反復試行と条件付き確率(16点)

公平な硬貨を9回投げる。表の回数をXとする。

(1)表がちょうど2回出る確率を求めなさい。(4点)

(2)表が少なくとも1回出る確率を求めなさい。(4点)

(3)表が少なくとも1回出たという条件で、ちょうど2回出た確率を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 剰余定理と三次式の因数分解

(1)

2つの条件を代入してa,bの連立一次方程式を解く。

\[ \boxed{a=-162,\quad b=729} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(P(x)=(x-9)\(x^2+9x-81\)\)。残った二次方程式に解の公式を使う。

\[ \boxed{x=9,\frac{9}{2}(-1\pm\sqrt5)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一次式で割った余りは、その一次式の零点での多項式の値に等しい。

\[ \boxed{3645} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 複素数の距離条件と逆数の軌跡

(1)

\(z=x+iy\) として2乗すると \((x-9)^2+y^2=4((x+9)^2+y^2)\)。平方完成して円の式に直す。

\[ \boxed{(x+15)^2+y^2=144} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

原点から中心までの距離は \(45/3\)、半径は \(36/3\)。円は原点を含まない。原点と中心を結ぶ直線上の2点で距離の極値をとる。

\[ \boxed{\max|z|=27\ (z=-27),\quad\min|z|=3\ (z=-3)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の最小値が正なので逆数をとれる。条件を \(|1-9w|=2|1+9w|\) に直し、同様に平方完成する。

\[ \boxed{(\operatorname{Re}w+\frac{5}{27})^2+(\operatorname{Im}w)^2=\frac{16}{729}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 絶対値の和と場合分け

(1)

符号が変わる点は \(-9,9\)。各区間でそれぞれの絶対値の中身の符号を調べる。

\[ \boxed{f(x)=\begin{cases}-2x&x<-9\\18&-9\le x\le9\\2x&x>9\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

中央の区間では一定で、その外側では端点から離れるほど増加する。

\[ \boxed{\min f=18,\quad -9\le x\le9} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

左右の外側で \(-2x\le 27\)、\(2x\le 27\)。中央の区間はすべて条件を満たす。

\[ \boxed{-\frac{27}{2}\le x\le \frac{27}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 指数関数の最大値と積分の極限

(1)

\(f'(x)=e^{-9x}(1-9x)\)。指数因子は正なので \(x=1/9\) の前は増加、後は減少。

\[ \boxed{x=\frac1{9},\quad\max f=\frac1{9e}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

部分積分する。原始関数は \(-\frac{9x+1}{81}e^{-9x}\) であり、微分でも確認できる。

\[ \boxed{\frac{1-(9a+1)e^{-9a}}{81}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(e^{-9a}\) と \(ae^{-9a}\) はともに0に収束する。前問の式で残る定数項をとる。

\[ \boxed{\frac{1}{81}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 部分分数分解と有限和の評価

(1)

分子が隣接する分母の差であることを利用する。

\[ \boxed{a_n=\frac1{n+9}-\frac1{n+10}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

隣接する項が打ち消し合い、最初と最後の分数だけが残る。

\[ \boxed{S_n=\frac{n}{10(n+10)}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

前問の和を代入する。分母は正なので両辺に掛けてnの不等式へ直す。

\[ \boxed{10} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 反復試行と条件付き確率

(1)

表が出る2回を選ぶ方法は \(9\) 個の位置から2個選ぶ組合せ。各列の確率は同じ。

\[ \boxed{\frac{9}{128}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

余事象はすべて裏である1列。全体からこの確率を引く。

\[ \boxed{\frac{511}{512}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

ちょうど2回表が出る事象は条件の事象に含まれるので、前2問の確率の比をとる。

\[ \boxed{\frac{36}{511}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。