大阪大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第081回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

前の回 · 全100回の出題内容 · 次の回 · 大学別の一覧


問題

第1問 対数の評価と部分積分(17点)

自然対数を用いる。\(1\le x\le11\) において \(f(x)=(\log x)/x\) を考える。

(1)すべての \(x>0\) で \(\log x\le x-1\) を示し、等号条件を述べなさい。(5点)

(2)定義域内での関数の最大値と、それをとる値を求めなさい。(5点)

(3)

\[ \int_1^{11}\frac{\log x}{x^2}\,dx \]

を求めなさい。(7点)


第2問 空間の垂線と四面体(17点)

空間で

\[ O(0,0,0),A(11,0,0),B(0,22,0),C(0,0,33) \]

を考える。

(1)平面ABC上の点の座標が満たす方程式を求めなさい。(5点)

(2)Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hと距離OHを求めなさい。(5点)

(3)四面体OABCの体積を2通りに表し、三角形ABCの面積を求めなさい。(7点)


第3問 三次方程式の実数解の個数(17点)

実数 \(a\) に対し、方程式 \(x^3-363x=a\) を考える。

(1)左辺の関数の極大値と極小値を求めなさい。(5点)

(2)異なる3つの実数解をもつための必要十分条件を求め、理由を説明しなさい。(5点)

(3)異なる実数解がちょうど2つとなる場合のパラメータと、そのときの解をすべて求めなさい。(7点)


第4問 逆数で線形化し差を足す(17点)

\[ a_1=1/11,\ a_{n+1}=a_n/(1+a_n) \]

で数列を定める。

(1)すべての項が正であることを確認し、一般項を求めなさい。(5点)

(2)\(\sum_{j=1}^n a_ja_{j+1}\) を求めなさい。(5点)

(3)\(\prod_{j=1}^n(1+a_j)\) を求めなさい。(7点)


第5問 1の累乗根と積・距離の和(16点)

方程式 \(z^11=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{10}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(4点)

(2)\(\sum_{j=0}^{10}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(4点)

(3)\(\prod_{j=1}^{10}(1-z_j)\) を求めなさい。(8点)


第6問 反射による経路の数え上げ(16点)

数直線上の点を原点から動かす。毎回、左右それぞれ確率1/2で1だけ進み、独立に \(22\) 回動かす。

(1)最後に原点に戻る移動列の数を求めなさい。(4点)

(2)最後に原点に戻り、途中で一度も負の位置に達しない移動列の数を求めなさい。負の位置に初めて達するまでの移動を反転する方法で説明しなさい。(4点)

(3)最後に原点に戻ったという条件のもとで、一度も負の位置に達していない確率を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 対数の評価と部分積分

(1)

\(g(x)=x-1-\log x\) とおく。\(g'(x)=(x-1)/x\) より1の前で減少、後で増加。最小値は \(g(1)=0\)。

\[ \boxed{\log x\le x-1,\quad\text{等号は }x=1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(f'(x)=(1-\log x)/x^2\)。\(1<e<11\) なので、定義域内でeの前は増加、後は減少。

\[ \boxed{\max f=\frac1e,\quad x=e} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

部分積分により原始関数は \(-(\log x+1)/x\)。上下端を代入する。

\[ \boxed{1-\frac{\log11+1}{11}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 空間の垂線と四面体

(1)

平面の方程式を \(ux+vy+wz=c\) とおき、3点を代入する。係数は共通倍してよい。

\[ \boxed{6x+3y+2z=66} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

法線ベクトルは \((6,3,2)\) なので \(H=s(6,3,2)\)。平面の式への代入で \(49s=66\)。距離は \(7s\)。

\[ \boxed{H=(\frac{396}{49},\frac{198}{49},\frac{132}{49}),\quad OH=\frac{66}{7}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

底面OABの面積は \(121\)、Cからこの底面までの高さは \(33\) なので体積は \(1331\)。一方、ABCを底面とすると \(V=S_{ABC}\cdot OH/3\)。

\[ \boxed{\frac{847}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 三次方程式の実数解の個数

(1)

\(f'(x)=3(x-11)(x+11)\)。増減は順に増加・減少・増加なので、\(x=-11\) で極大、\(x=11\) で極小となる。

\[ \boxed{\text{極大値 }2662,\quad\text{極小値 }-2662} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

水平線が3つの単調な部分にそれぞれ1回交わる条件は、高さが極小値より大きく極大値より小さいことである。端点では接して重解をもつため除く。

\[ \boxed{-2662<a<2662} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(a=2662\) では \(f(x)-a=(x-22)(x+11)^2\)。\(a=-2662\) では \(f(x)-a=(x+22)(x-11)^2\)。

\[ \boxed{a=2662:x=-11,22;\quad a=-2662:x=-22,11} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 逆数で線形化し差を足す

(1)

初項が正で、正の項から次の正の項が作られるので帰納的にすべて正。逆数をとると \(1/a_{n+1}=1/a_n+1\)。

\[ \boxed{a_n=\frac1{n+10}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

漸化式から

\[ a_j-a_{j+1}=a_j^2/(1+a_j)=a_ja_{j+1} \]

。和をとると中間の項が消える。

\[ \boxed{\frac1{11}-\frac1{n+11}=\frac{n}{11(n+11)}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

漸化式を変形すると \(1+a_j=a_j/a_{j+1}\)。積では中間の項が約分される。

\[ \boxed{\frac{n+11}{11}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(11\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{10}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{11}+i\sin\frac{2\pi j}{11},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{22} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\[ z^11-1=(z-1)\prod_{j=1}^{10}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{10}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{11} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 反射による経路の数え上げ

(1)

右へ進む回数と左へ進む回数はそれぞれ \(11\) 回。右への移動の位置を選ぶ。

\[ \boxed{705432} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

悪い移動列について、初めて位置-1に着くまでの左右を反転する。原点から出て最後に位置2に着く移動列と1対1に対応する。この列は右が \(12\) 回、左が \(10\) 回なので \(\binom{22}{10}\) 個。全体から差し引く。

\[ \boxed{58786} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

条件付きの標本空間は前問(1)の \(\binom{22}{11}\) 個。良い列の個数は全体の \(1/12\)。

\[ \boxed{\frac{1}{12}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。