大阪大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第040回
この回のテストポイント
- 第1問:区分求積と和の極限
- 第2問:等周条件と三角形の面積
- 第3問:三角関数を二次関数に置き換える
- 第4問:逆数で線形化し差を足す
- 第5問:双曲線の接線と不変な面積
- 第6問:停止する試行と期待値の連立
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。
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問題
第1問 区分求積と和の極限(17点)
正の整数nについて、
、\(B_n=\sum_{j=1}^n\frac1{3n+j}\) とする。
(1)両方の和を、幅1/nの分割に対応する区分求積の形で説明しなさい。(5点)
(2)Aの数列の極限を求めなさい。(5点)
(3)Bの数列の極限を求めなさい。(7点)
第2問 等周条件と三角形の面積(17点)
周の長さが \(18\) の二等辺三角形を考える。等しい2辺の長さをa、底辺の長さをbとする。
(1)底辺をaで表し、三角形が存在するaの範囲を求めなさい。(5点)
(2)面積が最大になる辺の長さと最大面積を求め、最大になる理由を示しなさい。(5点)
(3)面積が最大になる三角形の内接円の半径を求めなさい。(7点)
第3問 三角関数を二次関数に置き換える(17点)
\(0\le\theta\le\pi/2\) で
とする。
(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(5点)
(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(5点)
(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=3\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(7点)
第4問 逆数で線形化し差を足す(17点)
で数列を定める。
(1)すべての項が正であることを確認し、一般項を求めなさい。(5点)
(2)\(\sum_{j=1}^n a_ja_{j+1}\) を求めなさい。(5点)
(3)\(\prod_{j=1}^n(1+a_j)\) を求めなさい。(7点)
第5問 双曲線の接線と不変な面積(16点)
第1象限の双曲線 \\(xy=9\\) 上の点 \(P(t,9/t)\)、\(t>0\) を考える。
(1)接線の方程式と2つの軸との交点を求めなさい。(4点)
(2)接線と2つの座標軸でできる三角形の面積を求め、接点によらないことを説明しなさい。(4点)
(3)2つの正の切片の和の最小値と、そのときの接点を求めなさい。(8点)
第6問 停止する試行と期待値の連立(16点)
表の確率が \(1/3\)、裏の確率が \(2/3\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。
(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(4点)
(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(4点)
(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(8点)
解答・解説
第1問 区分求積と和の極限
(1)
\(A_n\) は \(f(x)=\sqrt{3+x}\)、
は \(g(x)=1/(3+x)\) の右端の値を用いた和。両方とも区間[0,1]で連続なので定積分に収束する。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第2問 等周条件と三角形の面積
(1)
\(b=18-2a\)。\(b>0\) と三角不等式 \(b<2a\) の両方を満たす必要がある。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
底辺を二等分して高さを求めると \(S^2=9(9-a)^2(2a-9)\)。微分すると \((S^2)'=54(9-a)(6-a)\)。存在範囲で \(a=6\) の前は正、後は負。最大は正三角形のとき。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
半周長は \(9\)。内心から3辺に垂線を下ろして分割すると \(S=9r\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第3問 三角関数を二次関数に置き換える
(1)
\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
平方完成より
。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=3\)、\(f(1)=-2\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
\(t-6t^2=0\) の解は0と \(1/6\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第4問 逆数で線形化し差を足す
(1)
初項が正で、正の項から次の正の項が作られるので帰納的にすべて正。逆数をとると \(1/a_{n+1}=1/a_n+1\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
漸化式から
。和をとると中間の項が消える。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
漸化式を変形すると \(1+a_j=a_j/a_{j+1}\)。積では中間の項が約分される。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第5問 双曲線の接線と不変な面積
(1)
\(y=9/x\) を微分して傾きを求める。接線は \(y-9/t=-9(x-t)/t^2\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
切片は \(2t\) と \(18/t\)。その積が \(36\) で一定なので、面積も一定となる。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
相加相乗平均より \(2t+18/t\ge12\)。等号は \(t=3\) のとき。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第6問 停止する試行と期待値の連立
(1)
2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
\(p=1/3,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
1回の表までの平均は \(3\) 回なので合計2回の表までの平均は \(6\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。