大阪大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第038回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 三角関数の積分漸化式(17点)

\[ I_n=\int_0^{\pi/2}\sin^n x\,dx \]

とする。\(n\) は0以上の整数である。

(1)部分積分により、次数を2つ下げる漸化式を導きなさい。(5点)

(2)\(I_{6}\) を求めなさい。(5点)

(3)\(I_{7}\) を求めなさい。(7点)


第2問 放物線の接線と囲まれた面積(17点)

放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-9)\) を考える。

(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(5点)

(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(5点)

(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(7点)


第3問 定義域のある二次関数とパラメータ(17点)

\(0\le x\le 6\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+9\) とする。\(t\) は実数である。

(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(5点)

(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(5点)

(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(7点)


第4問 重解を使う三次曲線の面積(17点)

曲線 \(y=f(x)=x^3-27x\) の \(x=3\) における接線をlとする。

(1)接線と曲線のすべての交点を求めなさい。重解の意味も説明しなさい。(5点)

(2)曲線と接線で囲まれた有限部分の面積を求めなさい。(5点)

(3)その部分のうち、横座標が非負である部分の面積が全体に占める割合を求めなさい。(7点)


第5問 1の累乗根と積・距離の和(16点)

方程式 \(z^3=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{2}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(4点)

(2)\(\sum_{j=0}^{2}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(4点)

(3)\(\prod_{j=1}^{2}(1-z_j)\) を求めなさい。(8点)


第6問 反復試行と条件付き確率(16点)

公平な硬貨を3回投げる。表の回数をXとする。

(1)表がちょうど2回出る確率を求めなさい。(4点)

(2)表が少なくとも1回出る確率を求めなさい。(4点)

(3)表が少なくとも1回出たという条件で、ちょうど2回出た確率を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 三角関数の積分漸化式

(1)

\(n\ge2\) とする。\(\sin^{n-1}x\) と \(\sin x\) に分けて部分積分すると、境界項は0で

\[ I_n=(n-1)\int\sin^{n-2}x\cos^2x\,dx=(n-1)(I_{n-2}-I_n) \]

。

\[ \boxed{I_n=\frac{n-1}nI_{n-2}\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(I_0=\pi/2\) から漸化式を \(3\) 回使う。偶数の積と奇数の積を整理すると

\[ I_{2m}=\binom{2m}{m}\pi/(2\cdot4^m) \]

。

\[ \boxed{\frac{5}{32}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(I_1=1\) から漸化式を \(3\) 回使う。\(I_{2m+1}=4^m(m!)^2/(2m+1)!\)。

\[ \boxed{\frac{16}{35}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 放物線の接線と囲まれた面積

(1)

接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=9\)。

\[ \boxed{y=6x-9,\quad y=-6x-9} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

接点は \((\pm3,9)\)。底辺の長さは \(6\)、Pから底辺までの高さは \(18\)。

\[ \boxed{54} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-3)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{3}(x-3)^2\,dx\)。

\[ \boxed{18} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 定義域のある二次関数とパラメータ

(1)

平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+9-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。

\[ \boxed{\min f_t=\begin{cases}9&t\le0\\9-t^2&0<t<6\\45-12t&t\ge6\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-3\le t\le 3\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。

\[ \boxed{t\le3} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

判別式より \(t>3\) または \(t<-3\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>3\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(6)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(45-12t\)。

\[ \boxed{3<t\le \frac{15}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 重解を使う三次曲線の面積

(1)

\(f'(3)=0\) なので \(l:y=-54\)。差は \((x-3)^2(x+6)\)。接点の横座標は2重の根となる。

\[ \boxed{(-6,-54),\quad(3,-54)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

区間 \([-6,3]\) では差は非負。

\[ S=\int_{-6}^{3}(x^3-27x+54)\,dx \]

。原始関数は \\(x^4/4-\frac{27}{2}x^2+54x\\)。

\[ \boxed{\frac{2187}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

非負の横座標の部分は

\[ \int_0^{3}(f(x)+54)\,dx=\frac{243}{4} \]

。全体の面積で割る。

\[ \boxed{\frac19} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(3\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{2}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{3}+i\sin\frac{2\pi j}{3},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{6} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\[ z^3-1=(z-1)\prod_{j=1}^{2}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{2}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{3} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 反復試行と条件付き確率

(1)

表が出る2回を選ぶ方法は \(3\) 個の位置から2個選ぶ組合せ。各列の確率は同じ。

\[ \boxed{\frac{3}{8}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

余事象はすべて裏である1列。全体からこの確率を引く。

\[ \boxed{\frac{7}{8}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

ちょうど2回表が出る事象は条件の事象に含まれるので、前2問の確率の比をとる。

\[ \boxed{\frac{3}{7}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。