大阪医科薬科大学 医学部・数学IIIを含む 数学記述模試 第079回
この回のテストポイント
- 第1問:定義域のある二次関数とパラメータ
- 第2問:三角関数の積分漸化式
- 第3問:円の弦と三角形の面積の最大化
- 第4問:完全順列の漸化式と固定点
- 第5問:逆数で線形化し差を足す
- 第6問:複素数の距離条件と逆数の軌跡
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。
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問題
第1問 定義域のある二次関数とパラメータ(17点)
\(0\le x\le 42\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+441\) とする。\(t\) は実数である。
(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(5点)
(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(5点)
(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(7点)
第2問 三角関数の積分漸化式(17点)
とする。\(n\) は0以上の整数である。
(1)部分積分により、次数を2つ下げる漸化式を導きなさい。(5点)
(2)\(I_{42}\) を求めなさい。(5点)
(3)\(I_{43}\) を求めなさい。(7点)
第3問 円の弦と三角形の面積の最大化(17点)
円 \\(x^2+y^2=441\\) の内部の点 \(Q(\frac{21}{2},0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。
(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(5点)
(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(5点)
(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(7点)
第4問 完全順列の漸化式と固定点(17点)
\(21\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。
(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(5点)
(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(5点)
(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(7点)
第5問 逆数で線形化し差を足す(16点)
で数列を定める。
(1)すべての項が正であることを確認し、一般項を求めなさい。(4点)
(2)\(\sum_{j=1}^n a_ja_{j+1}\) を求めなさい。(4点)
(3)\(\prod_{j=1}^n(1+a_j)\) を求めなさい。(8点)
第6問 複素数の距離条件と逆数の軌跡(16点)
複素数zが \(|z-21|=2|z+21|\) を満たす。
(1)実部と虚部を使って軌跡の方程式を求め、中心と半径を示しなさい。(4点)
(2)絶対値の最大値と最小値、およびそれらをとる複素数を求めなさい。(4点)
(3)逆数w=1/zの軌跡も求めなさい。逆数が定義できる理由を述べなさい。(8点)
解答・解説
第1問 定義域のある二次関数とパラメータ
(1)
平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+441-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-21\le t\le 21\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
判別式より \(t>21\) または \(t<-21\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>21\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(42)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(2205-84t\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第2問 三角関数の積分漸化式
(1)
\(n\ge2\) とする。\(\sin^{n-1}x\) と \(\sin x\) に分けて部分積分すると、境界項は0で
。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
\(I_0=\pi/2\) から漸化式を \(21\) 回使う。偶数の積と奇数の積を整理すると
。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
\(I_1=1\) から漸化式を \(21\) 回使う。\(I_{2m+1}=4^m(m!)^2/(2m+1)!\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第3問 円の弦と三角形の面積の最大化
(1)
\(x=\frac{21}{2}\) を円の式に代入する。\\(y^2=\frac{1323}{4}\\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
直線は \(mx-y-\frac{21}{2}m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{441m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{441-d^2}\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
直線がQを通るので \(0\le d\le21/2\)。面積の2乗は \(d^2(441-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(441-s)\) は \(0\le s\le441/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第4問 完全順列の漸化式と固定点
(1)
1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
初期値から前問の漸化式を順に計算すると \(D_{21}=18795307255050944540\)。全割当ては \(21!\) 通り。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/21\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第5問 逆数で線形化し差を足す
(1)
初項が正で、正の項から次の正の項が作られるので帰納的にすべて正。逆数をとると \(1/a_{n+1}=1/a_n+1\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
漸化式から
。和をとると中間の項が消える。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
漸化式を変形すると \(1+a_j=a_j/a_{j+1}\)。積では中間の項が約分される。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第6問 複素数の距離条件と逆数の軌跡
(1)
\(z=x+iy\) として2乗すると \((x-21)^2+y^2=4((x+21)^2+y^2)\)。平方完成して円の式に直す。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
原点から中心までの距離は \(105/3\)、半径は \(84/3\)。円は原点を含まない。原点と中心を結ぶ直線上の2点で距離の極値をとる。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
前問の最小値が正なので逆数をとれる。条件を \(|1-21w|=2|1+21w|\) に直し、同様に平方完成する。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。