日本医科大学 医学部・数学IIIを含む 数学記述模試 第003回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 抽出方法と条件付き確率(17点)

袋に赤玉 \(28\) 個、青玉 \(56\) 個が入っている。すべての玉は同様に確からしく選ばれる。

(1)戻さずに2個取り出すとき、両方が赤玉である確率を求めなさい。(5点)

(2)戻さずに2個取り出し、少なくとも1個は赤玉だったと分かった。両方が赤玉である条件付き確率を求めなさい。(5点)

(3)今度は1個目を戻してから2個目を取り出す。同じ条件付き確率を求め、前問の値と比較しなさい。(7点)


第2問 三角関数を二次関数に置き換える(17点)

\(0\le\theta\le\pi/2\) で

\[ f(\theta)=\sin\theta+28\cos2\theta \]

とする。

(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(5点)

(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(5点)

(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=28\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(7点)


第3問 1の累乗根と積・距離の和(17点)

方程式 \(z^28=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{27}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(5点)

(2)\(\sum_{j=0}^{27}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(5点)

(3)\(\prod_{j=1}^{27}(1-z_j)\) を求めなさい。(7点)


第4問 絶対値を含む面積の最適化(17点)

\(0\le a\le28\) とする。\(0\le x\le28\) で、曲線 \\(y=x^2\\) と直線 \(y=ax\) の間の面積をS(a)とする。

(1)交点で区間を分け、面積をaの式で表しなさい。(5点)

(2)面積が最小になるaを求め、端点との比較を含めて説明しなさい。(5点)

(3)面積の最小値を求めなさい。(7点)


第5問 区分求積と和の極限(16点)

正の整数nについて、

\[ A_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\sqrt{28+\frac jn} \]

、

\[ B_n=\sum_{j=1}^n\frac1{28n+j} \]

とする。

(1)両方の和を、幅1/nの分割に対応する区分求積の形で説明しなさい。(4点)

(2)Aの数列の極限を求めなさい。(4点)

(3)Bの数列の極限を求めなさい。(8点)


第6問 等周条件と三角形の面積(16点)

周の長さが \(168\) の二等辺三角形を考える。等しい2辺の長さをa、底辺の長さをbとする。

(1)底辺をaで表し、三角形が存在するaの範囲を求めなさい。(4点)

(2)面積が最大になる辺の長さと最大面積を求め、最大になる理由を示しなさい。(4点)

(3)面積が最大になる三角形の内接円の半径を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 抽出方法と条件付き確率

(1)

最初の赤の確率は1/3、2個目は \((28-1)/(84-1)\)。順序を区別しない組合せによる数え方でも一致する。

\[ \boxed{\frac{9}{83}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

少なくとも1個が赤という確率は \(1-\frac{56(56-1)}{84(84-1)}\)。両方が赤という確率をこれで割る。

\[ \boxed{\frac{27}{139}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

復元抽出では各回の赤の確率が1/3で独立。両方赤は1/9、少なくとも1個赤は5/9。比較には \(5(28-1)<140-1\) を用いる。

\[ \boxed{\frac15>\frac{27}{139}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 三角関数を二次関数に置き換える

(1)

\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{f=28+t-56t^2,\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

平方完成より

\[ f=28+\frac1{224}-56(t-\frac1{112})^2 \]

。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=28\)、\(f(1)=-27\)。

\[ \boxed{\max f=\frac{6273}{224}\ (\sin\theta=\frac1{112}),\quad\min f=-27\ (\theta=\pi/2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(t-56t^2=0\) の解は0と \(1/56\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。

\[ \boxed{\sin\theta=\frac1{56}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(28\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{27}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{28}+i\sin\frac{2\pi j}{28},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{56} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ z^28-1=(z-1)\prod_{j=1}^{27}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{27}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{28} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 絶対値を含む面積の最適化

(1)

差は \(x(a-x)\)。\(0\le x\le a\) では直線が上、\(a\le x\le28\) では曲線が上。

\[ S=\int_0^a(ax-x^2)\,dx+\int_a^{28}(x^2-ax)\,dx \]

。

\[ \boxed{S(a)=\frac{a^3}3-392a+\frac{21952}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(S'(a)=a^2-392\)。定義域内で \(a=28/\sqrt2\) の前は減少、後は増加する。よって両端よりも小さい。

\[ \boxed{a=14\sqrt{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の値を面積の式に代入し、根号を整理して分母を有理化する。

\[ \boxed{S_{\min}=\frac{10976}{3}(2-\sqrt2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 区分求積と和の極限

(1)

\(A_n\) は \(f(x)=\sqrt{28+x}\)、

\[ B_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\frac1{28+j/n} \]

は \(g(x)=1/(28+x)\) の右端の値を用いた和。両方とも区間[0,1]で連続なので定積分に収束する。

\[ \boxed{A_n\to\int_0^1f(x)\,dx,\quad B_n\to\int_0^1g(x)\,dx} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\[ \lim A_n=\int_0^1\sqrt{28+x}\,dx=[\frac23(28+x)^{3/2}]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\frac23(29\sqrt{29}-56\sqrt{7})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\[ \lim B_n=\int_0^1\frac1{28+x}\,dx=[\log(28+x)]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\log\frac{29}{28}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 等周条件と三角形の面積

(1)

\(b=168-2a\)。\(b>0\) と三角不等式 \(b<2a\) の両方を満たす必要がある。

\[ \boxed{b=168-2a,\quad 42<a<84} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

底辺を二等分して高さを求めると \(S^2=84(84-a)^2(2a-84)\)。微分すると \((S^2)'=504(84-a)(56-a)\)。存在範囲で \(a=56\) の前は正、後は負。最大は正三角形のとき。

\[ \boxed{a=b=56,\quad S_{\max}=784\sqrt3} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

半周長は \(84\)。内心から3辺に垂線を下ろして分割すると \(S=84r\)。

\[ \boxed{r=\frac{28}{3}\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。