名古屋大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第100回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

前の回 · 全100回の出題内容 · 大学別の一覧


問題

第1問 停止する試行と期待値の連立(17点)

表の確率が \(1/23\)、裏の確率が \(22/23\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。

(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(5点)

(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(5点)

(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(7点)


第2問 三角関数を二次関数に置き換える(17点)

\(0\le\theta\le\pi/2\) で

\[ f(\theta)=\sin\theta+23\cos2\theta \]

とする。

(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(5点)

(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(5点)

(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=23\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(7点)


第3問 複素数の距離条件と逆数の軌跡(17点)

複素数zが \(|z-23|=2|z+23|\) を満たす。

(1)実部と虚部を使って軌跡の方程式を求め、中心と半径を示しなさい。(5点)

(2)絶対値の最大値と最小値、およびそれらをとる複素数を求めなさい。(5点)

(3)逆数w=1/zの軌跡も求めなさい。逆数が定義できる理由を述べなさい。(7点)


第4問 絶対値を含む面積の最適化(17点)

\(0\le a\le23\) とする。\(0\le x\le23\) で、曲線 \\(y=x^2\\) と直線 \(y=ax\) の間の面積をS(a)とする。

(1)交点で区間を分け、面積をaの式で表しなさい。(5点)

(2)面積が最小になるaを求め、端点との比較を含めて説明しなさい。(5点)

(3)面積の最小値を求めなさい。(7点)


第5問 等周条件と三角形の面積(16点)

周の長さが \(138\) の二等辺三角形を考える。等しい2辺の長さをa、底辺の長さをbとする。

(1)底辺をaで表し、三角形が存在するaの範囲を求めなさい。(4点)

(2)面積が最大になる辺の長さと最大面積を求め、最大になる理由を示しなさい。(4点)

(3)面積が最大になる三角形の内接円の半径を求めなさい。(8点)


第6問 区分求積と和の極限(16点)

正の整数nについて、

\[ A_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\sqrt{23+\frac jn} \]

、

\[ B_n=\sum_{j=1}^n\frac1{23n+j} \]

とする。

(1)両方の和を、幅1/nの分割に対応する区分求積の形で説明しなさい。(4点)

(2)Aの数列の極限を求めなさい。(4点)

(3)Bの数列の極限を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 停止する試行と期待値の連立

(1)

2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。

\[ \boxed{P(T=2)=\frac{1}{529},\quad P(T=3)=\frac{22}{12167}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(p=1/23,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。

\[ \boxed{552} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

1回の表までの平均は \(23\) 回なので合計2回の表までの平均は \(46\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。

\[ \boxed{E_{\text{合計2回}}=46,\quad\text{差}=506} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 三角関数を二次関数に置き換える

(1)

\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{f=23+t-46t^2,\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

平方完成より

\[ f=23+\frac1{184}-46(t-\frac1{92})^2 \]

。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=23\)、\(f(1)=-22\)。

\[ \boxed{\max f=\frac{4233}{184}\ (\sin\theta=\frac1{92}),\quad\min f=-22\ (\theta=\pi/2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(t-46t^2=0\) の解は0と \(1/46\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。

\[ \boxed{\sin\theta=\frac1{46}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 複素数の距離条件と逆数の軌跡

(1)

\(z=x+iy\) として2乗すると \((x-23)^2+y^2=4((x+23)^2+y^2)\)。平方完成して円の式に直す。

\[ \boxed{(x+\frac{115}{3})^2+y^2=\frac{8464}{9}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

原点から中心までの距離は \(115/3\)、半径は \(92/3\)。円は原点を含まない。原点と中心を結ぶ直線上の2点で距離の極値をとる。

\[ \boxed{\max|z|=69\ (z=-69),\quad\min|z|=\frac{23}{3}\ (z=-\frac{23}{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の最小値が正なので逆数をとれる。条件を \(|1-23w|=2|1+23w|\) に直し、同様に平方完成する。

\[ \boxed{(\operatorname{Re}w+\frac{5}{69})^2+(\operatorname{Im}w)^2=\frac{16}{4761}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 絶対値を含む面積の最適化

(1)

差は \(x(a-x)\)。\(0\le x\le a\) では直線が上、\(a\le x\le23\) では曲線が上。

\[ S=\int_0^a(ax-x^2)\,dx+\int_a^{23}(x^2-ax)\,dx \]

。

\[ \boxed{S(a)=\frac{a^3}3-\frac{529}{2}a+\frac{12167}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(S'(a)=a^2-\frac{529}{2}\)。定義域内で \(a=23/\sqrt2\) の前は減少、後は増加する。よって両端よりも小さい。

\[ \boxed{a=\frac{23}{2}\sqrt{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の値を面積の式に代入し、根号を整理して分母を有理化する。

\[ \boxed{S_{\min}=\frac{12167}{6}(2-\sqrt2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 等周条件と三角形の面積

(1)

\(b=138-2a\)。\(b>0\) と三角不等式 \(b<2a\) の両方を満たす必要がある。

\[ \boxed{b=138-2a,\quad \frac{69}{2}<a<69} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

底辺を二等分して高さを求めると \(S^2=69(69-a)^2(2a-69)\)。微分すると \((S^2)'=414(69-a)(46-a)\)。存在範囲で \(a=46\) の前は正、後は負。最大は正三角形のとき。

\[ \boxed{a=b=46,\quad S_{\max}=529\sqrt3} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

半周長は \(69\)。内心から3辺に垂線を下ろして分割すると \(S=69r\)。

\[ \boxed{r=\frac{23}{3}\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 区分求積と和の極限

(1)

\(A_n\) は \(f(x)=\sqrt{23+x}\)、

\[ B_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\frac1{23+j/n} \]

は \(g(x)=1/(23+x)\) の右端の値を用いた和。両方とも区間[0,1]で連続なので定積分に収束する。

\[ \boxed{A_n\to\int_0^1f(x)\,dx,\quad B_n\to\int_0^1g(x)\,dx} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\[ \lim A_n=\int_0^1\sqrt{23+x}\,dx=[\frac23(23+x)^{3/2}]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\frac23(48\sqrt{6}-23\sqrt{23})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\[ \lim B_n=\int_0^1\frac1{23+x}\,dx=[\log(23+x)]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\log\frac{24}{23}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。