名古屋大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第067回
この回のテストポイント
- 第1問:完全順列の漸化式と固定点
- 第2問:三角関数を二次関数に置き換える
- 第3問:1の累乗根と積・距離の和
- 第4問:重解を使う三次曲線の面積
- 第5問:放物線の接線と囲まれた面積
- 第6問:区分求積と和の極限
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。
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問題
第1問 完全順列の漸化式と固定点(17点)
\(13\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。
(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(5点)
(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(5点)
(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(7点)
第2問 三角関数を二次関数に置き換える(17点)
\(0\le\theta\le\pi/2\) で
とする。
(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(5点)
(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(5点)
(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=13\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(7点)
第3問 1の累乗根と積・距離の和(17点)
方程式 \(z^13=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{12}\) とし、\(z_0=1\) とする。
(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(5点)
(2)\(\sum_{j=0}^{12}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(5点)
(3)\(\prod_{j=1}^{12}(1-z_j)\) を求めなさい。(7点)
第4問 重解を使う三次曲線の面積(17点)
曲線 \(y=f(x)=x^3-507x\) の \(x=13\) における接線をlとする。
(1)接線と曲線のすべての交点を求めなさい。重解の意味も説明しなさい。(5点)
(2)曲線と接線で囲まれた有限部分の面積を求めなさい。(5点)
(3)その部分のうち、横座標が非負である部分の面積が全体に占める割合を求めなさい。(7点)
第5問 放物線の接線と囲まれた面積(16点)
放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-169)\) を考える。
(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(4点)
(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(4点)
(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(8点)
第6問 区分求積と和の極限(16点)
正の整数nについて、
、
とする。
(1)両方の和を、幅1/nの分割に対応する区分求積の形で説明しなさい。(4点)
(2)Aの数列の極限を求めなさい。(4点)
(3)Bの数列の極限を求めなさい。(8点)
解答・解説
第1問 完全順列の漸化式と固定点
(1)
1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
初期値から前問の漸化式を順に計算すると \(D_{13}=2290792932\)。全割当ては \(13!\) 通り。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/13\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第2問 三角関数を二次関数に置き換える
(1)
\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
平方完成より
。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=13\)、\(f(1)=-12\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
\(t-26t^2=0\) の解は0と \(1/26\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第3問 1の累乗根と積・距離の和
(1)
単位円を \(13\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{12}\) の係数から解の和が0と分かる。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
\(|z_j|=1\) なので
。前問の和を使う。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{12}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第4問 重解を使う三次曲線の面積
(1)
\(f'(13)=0\) なので \(l:y=-4394\)。差は \((x-13)^2(x+26)\)。接点の横座標は2重の根となる。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
区間 \([-26,13]\) では差は非負。
。原始関数は \\(x^4/4-\frac{507}{2}x^2+4394x\\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
非負の横座標の部分は
。全体の面積で割る。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第5問 放物線の接線と囲まれた面積
(1)
接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=169\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
接点は \((\pm13,169)\)。底辺の長さは \(26\)、Pから底辺までの高さは \(338\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-13)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{13}(x-13)^2\,dx\)。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第6問 区分求積と和の極限
(1)
\(A_n\) は \(f(x)=\sqrt{13+x}\)、
は \(g(x)=1/(13+x)\) の右端の値を用いた和。両方とも区間[0,1]で連続なので定積分に収束する。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。