名古屋大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第062回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 完全順列の漸化式と固定点(17点)

\(5\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。

(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(5点)

(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(5点)

(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(7点)


第2問 対数方程式の存在条件(17点)

\(\log_2 x+\log_2(5-x)=a\) を考える。\(a\) は実数である。

(1)真数条件を示し、実数解が存在するための必要十分条件を求めなさい。(5点)

(2)実数解の個数を場合分けして求めなさい。(5点)

(3)\(a=\log_2 \frac{75}{16}\) のとき、すべての解を求めなさい。(7点)


第3問 複素数の距離条件と逆数の軌跡(17点)

複素数zが \(|z-5|=2|z+5|\) を満たす。

(1)実部と虚部を使って軌跡の方程式を求め、中心と半径を示しなさい。(5点)

(2)絶対値の最大値と最小値、およびそれらをとる複素数を求めなさい。(5点)

(3)逆数w=1/zの軌跡も求めなさい。逆数が定義できる理由を述べなさい。(7点)


第4問 重解を使う三次曲線の面積(17点)

曲線 \(y=f(x)=x^3-75x\) の \(x=5\) における接線をlとする。

(1)接線と曲線のすべての交点を求めなさい。重解の意味も説明しなさい。(5点)

(2)曲線と接線で囲まれた有限部分の面積を求めなさい。(5点)

(3)その部分のうち、横座標が非負である部分の面積が全体に占める割合を求めなさい。(7点)


第5問 線分上の点と内積・最大最小(16点)

\(O(0,0),B(10,0),C(0,5)\) とする。Pは線分BC上を動く。

(1)Pを1つの実数パラメータで表し、その範囲を示しなさい。(4点)

(2)距離OPが最小になる点と最小距離を求めなさい。垂直性も確認しなさい。(4点)

(3)Pから2つの座標軸に垂線を下ろして作る長方形の面積の最大値を求めなさい。(8点)


第6問 区分求積と和の極限(16点)

正の整数nについて、

\[ A_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\sqrt{5+\frac jn} \]

、\(B_n=\sum_{j=1}^n\frac1{5n+j}\) とする。

(1)両方の和を、幅1/nの分割に対応する区分求積の形で説明しなさい。(4点)

(2)Aの数列の極限を求めなさい。(4点)

(3)Bの数列の極限を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 完全順列の漸化式と固定点

(1)

1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。

\[ \boxed{D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

初期値から前問の漸化式を順に計算すると \(D_{5}=44\)。全割当ては \(5!\) 通り。

\[ \boxed{\frac{11}{30}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/5\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 対数方程式の存在条件

(1)

真数条件は \(0<x<5\)。\(x(5-x)=25/4-(x-5/2)^2\) なので、この積の値域は \((0,25/4]\)。対数の底が1より大きいことを使う。

\[ \boxed{0<x<5,\quad a\le\log_2 \frac{25}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

積が最大値より小さい正の値なら頂点の左右に1解ずつ、最大値なら頂点に1解、それを超えれば解はない。対数の真数条件も満たす。

\[ \boxed{a<\log_2 \frac{25}{4}:2\text{個};\quad a=\log_2 \frac{25}{4}:1\text{個};\quad a>\log_2 \frac{25}{4}:0\text{個}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(x(5-x)=\frac{75}{16}\) を解く。2つの解の和は \(5\)、積は右辺。得られた解が真数条件に入ることを確認する。

\[ \boxed{x=\frac{5}{4},\ \frac{15}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 複素数の距離条件と逆数の軌跡

(1)

\(z=x+iy\) として2乗すると \((x-5)^2+y^2=4((x+5)^2+y^2)\)。平方完成して円の式に直す。

\[ \boxed{(x+\frac{25}{3})^2+y^2=\frac{400}{9}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

原点から中心までの距離は \(25/3\)、半径は \(20/3\)。円は原点を含まない。原点と中心を結ぶ直線上の2点で距離の極値をとる。

\[ \boxed{\max|z|=15\ (z=-15),\quad\min|z|=\frac{5}{3}\ (z=-\frac{5}{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の最小値が正なので逆数をとれる。条件を \(|1-5w|=2|1+5w|\) に直し、同様に平方完成する。

\[ \boxed{(\operatorname{Re}w+\frac{1}{3})^2+(\operatorname{Im}w)^2=\frac{16}{225}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 重解を使う三次曲線の面積

(1)

\(f'(5)=0\) なので \(l:y=-250\)。差は \((x-5)^2(x+10)\)。接点の横座標は2重の根となる。

\[ \boxed{(-10,-250),\quad(5,-250)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

区間 \([-10,5]\) では差は非負。

\[ S=\int_{-10}^{5}(x^3-75x+250)\,dx \]

。原始関数は \\(x^4/4-\frac{75}{2}x^2+250x\\)。

\[ \boxed{\frac{16875}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

非負の横座標の部分は

\[ \int_0^{5}(f(x)+250)\,dx=\frac{1875}{4} \]

。全体の面積で割る。

\[ \boxed{\frac19} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 線分上の点と内積・最大最小

(1)

\(P=(1-t)B+tC\) とおく。線分上なので \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{P=(10(1-t),5t),\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\[ OP^2=25(5t^2-8t+4)=525(t-4/5)^2+425/5 \]

。最小のtは区間内にあり、\(\overrightarrow{BC}=(-10,5)\) とOPの内積は0。

\[ \boxed{P=(2,4),\quad\min OP=2\sqrt{5}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

長方形の面積は

\[ 50t(1-t)=\frac{25}{2}-50(t-1/2)^2 \]

。端点では面積0、内部の頂点で最大。

\[ \boxed{\max S=\frac{25}{2},\quad P=(5,\frac{5}{2})} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 区分求積と和の極限

(1)

\(A_n\) は \(f(x)=\sqrt{5+x}\)、

\[ B_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\frac1{5+j/n} \]

は \(g(x)=1/(5+x)\) の右端の値を用いた和。両方とも区間[0,1]で連続なので定積分に収束する。

\[ \boxed{A_n\to\int_0^1f(x)\,dx,\quad B_n\to\int_0^1g(x)\,dx} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\[ \lim A_n=\int_0^1\sqrt{5+x}\,dx=[\frac23(5+x)^{3/2}]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\frac23(6\sqrt{6}-5\sqrt{5})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\[ \lim B_n=\int_0^1\frac1{5+x}\,dx=[\log(5+x)]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\log\frac{6}{5}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。