名古屋大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第038回
この回のテストポイント
- 第1問:反射による経路の数え上げ
- 第2問:対数方程式の存在条件
- 第3問:複素数の回転と正三角形
- 第4問:重解を使う三次曲線の面積
- 第5問:放物線の接線と囲まれた面積
- 第6問:回転軸を変える体積計算
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。
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問題
第1問 反射による経路の数え上げ(17点)
数直線上の点を原点から動かす。毎回、左右それぞれ確率1/2で1だけ進み、独立に \(54\) 回動かす。
(1)最後に原点に戻る移動列の数を求めなさい。(5点)
(2)最後に原点に戻り、途中で一度も負の位置に達しない移動列の数を求めなさい。負の位置に初めて達するまでの移動を反転する方法で説明しなさい。(5点)
(3)最後に原点に戻ったという条件のもとで、一度も負の位置に達していない確率を求めなさい。(7点)
第2問 対数方程式の存在条件(17点)
\(\log_2 x+\log_2(27-x)=a\) を考える。\(a\) は実数である。
(1)真数条件を示し、実数解が存在するための必要十分条件を求めなさい。(5点)
(2)実数解の個数を場合分けして求めなさい。(5点)
(3)\(a=\log_2 \frac{2187}{16}\) のとき、すべての解を求めなさい。(7点)
第3問 複素数の回転と正三角形(17点)
複素数平面で \(A=27,B=27i\) とする。ABを1辺とする正三角形の第3頂点をCとする。
(1)2つの可能な第3頂点を複素数で求めなさい。(5点)
(2)正三角形の面積を求めなさい。(5点)
(3)それぞれの外心の複素数と、共通の外接円の半径を求めなさい。(7点)
第4問 重解を使う三次曲線の面積(17点)
曲線 \(y=f(x)=x^3-2187x\) の \(x=27\) における接線をlとする。
(1)接線と曲線のすべての交点を求めなさい。重解の意味も説明しなさい。(5点)
(2)曲線と接線で囲まれた有限部分の面積を求めなさい。(5点)
(3)その部分のうち、横座標が非負である部分の面積が全体に占める割合を求めなさい。(7点)
第5問 放物線の接線と囲まれた面積(16点)
放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-729)\) を考える。
(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(4点)
(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(4点)
(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(8点)
第6問 回転軸を変える体積計算(16点)
\(0\le x\le27\) で曲線 \(y=x(27-x)\) とx軸で囲まれる領域をDとする。
(1)Dの面積を求めなさい。(4点)
(2)Dをx軸の周りに1回転してできる立体の体積を求めなさい。(4点)
(3)Dをy軸の周りに1回転してできる立体の体積を、yに垂直な切り口の面積を用いて求めなさい。(8点)
解答・解説
第1問 反射による経路の数え上げ
(1)
右へ進む回数と左へ進む回数はそれぞれ \(27\) 回。右への移動の位置を選ぶ。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
悪い移動列について、初めて位置-1に着くまでの左右を反転する。原点から出て最後に位置2に着く移動列と1対1に対応する。この列は右が \(28\) 回、左が \(26\) 回なので \(\binom{54}{26}\) 個。全体から差し引く。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
条件付きの標本空間は前問(1)の \(\binom{54}{27}\) 個。良い列の個数は全体の \(1/28\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第2問 対数方程式の存在条件
(1)
真数条件は \(0<x<27\)。\(x(27-x)=729/4-(x-27/2)^2\) なので、この積の値域は \((0,729/4]\)。対数の底が1より大きいことを使う。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
積が最大値より小さい正の値なら頂点の左右に1解ずつ、最大値なら頂点に1解、それを超えれば解はない。対数の真数条件も満たす。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
\(x(27-x)=\frac{2187}{16}\) を解く。2つの解の和は \(27\)、積は右辺。得られた解が真数条件に入ることを確認する。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第3問 複素数の回転と正三角形
(1)
。整理すると \(C=(A+B)/2\pm i\sqrt3(B-A)/2\)。両符号が2つの側を表す。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
\(|B-A|=27\sqrt2\)。正三角形の面積は辺の2乗の \(\sqrt3/4\) 倍。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
正三角形の外心は重心とも一致するので \((A+B+C)/3\)。半径は辺の長さを \(\sqrt3\) で割る。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第4問 重解を使う三次曲線の面積
(1)
\(f'(27)=0\) なので \(l:y=-39366\)。差は \((x-27)^2(x+54)\)。接点の横座標は2重の根となる。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
区間 \([-54,27]\) では差は非負。
。原始関数は
。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
非負の横座標の部分は
。全体の面積で割る。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第5問 放物線の接線と囲まれた面積
(1)
接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=729\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
接点は \((\pm27,729)\)。底辺の長さは \(54\)、Pから底辺までの高さは \(1458\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-27)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{27}(x-27)^2\,dx\)。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第6問 回転軸を変える体積計算
(1)
非負の関数の下の面積なので \(S=\int_0^{27}x(27-x)\,dx\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
切り口は半径 \(x(27-x)\) の円。
。展開して項別に積分する。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
\(0\le y\le729/4\)。左右の境界は \(x_\pm=(27\pm\sqrt{729-4y})/2\)。切り口は環で、面積は
。これをyについて積分する。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。