名古屋大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第005回
この回のテストポイント
- 第1問:停止する試行と期待値の連立
- 第2問:定義域のある二次関数とパラメータ
- 第3問:複素数の距離条件と逆数の軌跡
- 第4問:三項間漸化式と互いに素の証明
- 第5問:空間の垂線と四面体
- 第6問:区分求積と和の極限
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。
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問題
第1問 停止する試行と期待値の連立(17点)
表の確率が \(1/10\)、裏の確率が \(9/10\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。
(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(5点)
(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(5点)
(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(7点)
第2問 定義域のある二次関数とパラメータ(17点)
\(0\le x\le 20\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+100\) とする。\(t\) は実数である。
(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(5点)
(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(5点)
(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(7点)
第3問 複素数の距離条件と逆数の軌跡(17点)
複素数zが \(|z-10|=2|z+10|\) を満たす。
(1)実部と虚部を使って軌跡の方程式を求め、中心と半径を示しなさい。(5点)
(2)絶対値の最大値と最小値、およびそれらをとる複素数を求めなさい。(5点)
(3)逆数w=1/zの軌跡も求めなさい。逆数が定義できる理由を述べなさい。(7点)
第4問 三項間漸化式と互いに素の証明(17点)
とする。
(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(5点)
(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)
(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(7点)
第5問 空間の垂線と四面体(16点)
空間で
を考える。
(1)平面ABC上の点の座標が満たす方程式を求めなさい。(4点)
(2)Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hと距離OHを求めなさい。(4点)
(3)四面体OABCの体積を2通りに表し、三角形ABCの面積を求めなさい。(8点)
第6問 区分求積と和の極限(16点)
正の整数nについて、
、
とする。
(1)両方の和を、幅1/nの分割に対応する区分求積の形で説明しなさい。(4点)
(2)Aの数列の極限を求めなさい。(4点)
(3)Bの数列の極限を求めなさい。(8点)
解答・解説
第1問 停止する試行と期待値の連立
(1)
2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
\(p=1/10,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
1回の表までの平均は \(10\) 回なので合計2回の表までの平均は \(20\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第2問 定義域のある二次関数とパラメータ
(1)
平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+100-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-10\le t\le 10\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
判別式より \(t>10\) または \(t<-10\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>10\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(20)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(500-40t\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第3問 複素数の距離条件と逆数の軌跡
(1)
\(z=x+iy\) として2乗すると \((x-10)^2+y^2=4((x+10)^2+y^2)\)。平方完成して円の式に直す。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
原点から中心までの距離は \(50/3\)、半径は \(40/3\)。円は原点を含まない。原点と中心を結ぶ直線上の2点で距離の極値をとる。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
前問の最小値が正なので逆数をとれる。条件を \(|1-10w|=2|1+10w|\) に直し、同様に平方完成する。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第4問 三項間漸化式と互いに素の証明
(1)
。初めの差は \(10\) なので \(a_{n+1}-a_n=10^n\)。初項に差の和を加える。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
一般項を代入して \(1/(10-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
一般項から \(a_{n+1}=10a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-10a_n=1\) を割る。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第5問 空間の垂線と四面体
(1)
平面の方程式を \(ux+vy+wz=c\) とおき、3点を代入する。係数は共通倍してよい。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
法線ベクトルは \((6,3,2)\) なので \(H=s(6,3,2)\)。平面の式への代入で \(49s=60\)。距離は \(7s\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
底面OABの面積は \(100\)、Cからこの底面までの高さは \(30\) なので体積は \(1000\)。一方、ABCを底面とすると \(V=S_{ABC}\cdot OH/3\)。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第6問 区分求積と和の極限
(1)
\(A_n\) は \(f(x)=\sqrt{10+x}\)、
は \(g(x)=1/(10+x)\) の右端の値を用いた和。両方とも区間[0,1]で連続なので定積分に収束する。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。