名古屋大学 文系・数学IIまで 数学記述模試 第096回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 三次方程式の実数解の個数(25点)

実数 \(a\) に対し、方程式 \(x^3-2523x=a\) を考える。

(1)左辺の関数の極大値と極小値を求めなさい。(7点)

(2)異なる3つの実数解をもつための必要十分条件を求め、理由を説明しなさい。(7点)

(3)異なる実数解がちょうど2つとなる場合のパラメータと、そのときの解をすべて求めなさい。(11点)


第2問 抽出方法と条件付き確率(25点)

袋に赤玉 \(29\) 個、青玉 \(58\) 個が入っている。すべての玉は同様に確からしく選ばれる。

(1)戻さずに2個取り出すとき、両方が赤玉である確率を求めなさい。(7点)

(2)戻さずに2個取り出し、少なくとも1個は赤玉だったと分かった。両方が赤玉である条件付き確率を求めなさい。(7点)

(3)今度は1個目を戻してから2個目を取り出す。同じ条件付き確率を求め、前問の値と比較しなさい。(11点)


第3問 逆数で線形化し差を足す(25点)

\[ a_1=1/29,\ a_{n+1}=a_n/(1+a_n) \]

で数列を定める。

(1)すべての項が正であることを確認し、一般項を求めなさい。(7点)

(2)\(\sum_{j=1}^n a_ja_{j+1}\) を求めなさい。(7点)

(3)\(\prod_{j=1}^n(1+a_j)\) を求めなさい。(11点)


第4問 等周条件と三角形の面積(25点)

周の長さが \(174\) の二等辺三角形を考える。等しい2辺の長さをa、底辺の長さをbとする。

(1)底辺をaで表し、三角形が存在するaの範囲を求めなさい。(7点)

(2)面積が最大になる辺の長さと最大面積を求め、最大になる理由を示しなさい。(7点)

(3)面積が最大になる三角形の内接円の半径を求めなさい。(11点)


解答・解説

第1問 三次方程式の実数解の個数

(1)

\(f'(x)=3(x-29)(x+29)\)。増減は順に増加・減少・増加なので、\(x=-29\) で極大、\(x=29\) で極小となる。

\[ \boxed{\text{極大値 }48778,\quad\text{極小値 }-48778} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(2)

水平線が3つの単調な部分にそれぞれ1回交わる条件は、高さが極小値より大きく極大値より小さいことである。端点では接して重解をもつため除く。

\[ \boxed{-48778<a<48778} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(3)

\(a=48778\) では \(f(x)-a=(x-58)(x+29)^2\)。\(a=-48778\) では \(f(x)-a=(x+58)(x-29)^2\)。

\[ \boxed{a=48778:x=-29,58;\quad a=-48778:x=-58,29} \]

採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。

第2問 抽出方法と条件付き確率

(1)

最初の赤の確率は1/3、2個目は \((29-1)/(87-1)\)。順序を区別しない組合せによる数え方でも一致する。

\[ \boxed{\frac{14}{129}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(2)

少なくとも1個が赤という確率は \(1-\frac{58(58-1)}{87(87-1)}\)。両方が赤という確率をこれで割る。

\[ \boxed{\frac{7}{36}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(3)

復元抽出では各回の赤の確率が1/3で独立。両方赤は1/9、少なくとも1個赤は5/9。比較には \(5(29-1)<145-1\) を用いる。

\[ \boxed{\frac15>\frac{7}{36}} \]

採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。

第3問 逆数で線形化し差を足す

(1)

初項が正で、正の項から次の正の項が作られるので帰納的にすべて正。逆数をとると \(1/a_{n+1}=1/a_n+1\)。

\[ \boxed{a_n=\frac1{n+28}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(2)

漸化式から

\[ a_j-a_{j+1}=a_j^2/(1+a_j)=a_ja_{j+1} \]

。和をとると中間の項が消える。

\[ \boxed{\frac1{29}-\frac1{n+29}=\frac{n}{29(n+29)}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(3)

漸化式を変形すると \(1+a_j=a_j/a_{j+1}\)。積では中間の項が約分される。

\[ \boxed{\frac{n+29}{29}} \]

採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。

第4問 等周条件と三角形の面積

(1)

\(b=174-2a\)。\(b>0\) と三角不等式 \(b<2a\) の両方を満たす必要がある。

\[ \boxed{b=174-2a,\quad \frac{87}{2}<a<87} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(2)

底辺を二等分して高さを求めると \(S^2=87(87-a)^2(2a-87)\)。微分すると \((S^2)'=522(87-a)(58-a)\)。存在範囲で \(a=58\) の前は正、後は負。最大は正三角形のとき。

\[ \boxed{a=b=58,\quad S_{\max}=841\sqrt3} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(3)

半周長は \(87\)。内心から3辺に垂線を下ろして分割すると \(S=87r\)。

\[ \boxed{r=\frac{29}{3}\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。