九州大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第088回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 1の累乗根と積・距離の和(17点)

方程式 \(z^30=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{29}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(5点)

(2)\(\sum_{j=0}^{29}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(5点)

(3)\(\prod_{j=1}^{29}(1-z_j)\) を求めなさい。(7点)


第2問 空間の垂線と四面体(17点)

空間で

\[ O(0,0,0),A(30,0,0),B(0,60,0),C(0,0,90) \]

を考える。

(1)平面ABC上の点の座標が満たす方程式を求めなさい。(5点)

(2)Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hと距離OHを求めなさい。(5点)

(3)四面体OABCの体積を2通りに表し、三角形ABCの面積を求めなさい。(7点)


第3問 回転軸を変える体積計算(17点)

\(0\le x\le30\) で曲線 \(y=x(30-x)\) とx軸で囲まれる領域をDとする。

(1)Dの面積を求めなさい。(5点)

(2)Dをx軸の周りに1回転してできる立体の体積を求めなさい。(5点)

(3)Dをy軸の周りに1回転してできる立体の体積を、yに垂直な切り口の面積を用いて求めなさい。(7点)


第4問 定義域のある二次関数とパラメータ(17点)

\(0\le x\le 60\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+900\) とする。\(t\) は実数である。

(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(5点)

(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(5点)

(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(7点)


第5問 停止する試行と期待値の連立(16点)

表の確率が \(1/30\)、裏の確率が \(29/30\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。

(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(4点)

(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(4点)

(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(8点)


第6問 固定点を引く漸化式と重み付きの和(16点)

\(a_1=30,\ a_{n+1}=2a_n+30\) で定まる数列を考える。

(1)適当な定数を加えて等比数列を作り、一般項を求めなさい。(4点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(4点)

(3)\(\sum_{j=1}^n a_j/2^j\) を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(30\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{29}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{30}+i\sin\frac{2\pi j}{30},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{60} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ z^30-1=(z-1)\prod_{j=1}^{29}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{29}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{30} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 空間の垂線と四面体

(1)

平面の方程式を \(ux+vy+wz=c\) とおき、3点を代入する。係数は共通倍してよい。

\[ \boxed{6x+3y+2z=180} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

法線ベクトルは \((6,3,2)\) なので \(H=s(6,3,2)\)。平面の式への代入で \(49s=180\)。距離は \(7s\)。

\[ \boxed{H=(\frac{1080}{49},\frac{540}{49},\frac{360}{49}),\quad OH=\frac{180}{7}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

底面OABの面積は \(900\)、Cからこの底面までの高さは \(90\) なので体積は \(27000\)。一方、ABCを底面とすると \(V=S_{ABC}\cdot OH/3\)。

\[ \boxed{3150} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 回転軸を変える体積計算

(1)

非負の関数の下の面積なので \(S=\int_0^{30}x(30-x)\,dx\)。

\[ \boxed{4500} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

切り口は半径 \(x(30-x)\) の円。

\[ V_x=\pi\int_0^{30}x^2(30-x)^2\,dx \]

。展開して項別に積分する。

\[ \boxed{810000\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(0\le y\le900/4\)。左右の境界は \(x_\pm=(30\pm\sqrt{900-4y})/2\)。切り口は環で、面積は

\[ \pi(x_+^2-x_-^2)=30\pi\sqrt{900-4y} \]

。これをyについて積分する。

\[ \boxed{135000\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 定義域のある二次関数とパラメータ

(1)

平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+900-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。

\[ \boxed{\min f_t=\begin{cases}900&t\le0\\900-t^2&0<t<60\\4500-120t&t\ge60\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-30\le t\le 30\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。

\[ \boxed{t\le30} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

判別式より \(t>30\) または \(t<-30\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>30\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(60)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(4500-120t\)。

\[ \boxed{30<t\le \frac{75}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 停止する試行と期待値の連立

(1)

2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。

\[ \boxed{P(T=2)=\frac{1}{900},\quad P(T=3)=\frac{29}{27000}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(p=1/30,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。

\[ \boxed{930} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

1回の表までの平均は \(30\) 回なので合計2回の表までの平均は \(60\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。

\[ \boxed{E_{\text{合計2回}}=60,\quad\text{差}=870} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 固定点を引く漸化式と重み付きの和

(1)

\(a_{n+1}+30=2(a_n+30)\) なので \(a_n+30=60\cdot2^{n-1}\)。

\[ \boxed{a_n=30(2^n-1)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

一般項を代入し、\(\sum_{j=1}^n2^j=2^{n+1}-2\) を使う。

\[ \boxed{S_n=30(2^{n+1}-n-2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(a_j/2^j=30(1-2^{-j})\)。\(\sum_{j=1}^n2^{-j}=1-2^{-n}\) を差し引く。

\[ \boxed{30(n-1+2^{-n})} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。