九州大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第083回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 1の累乗根と積・距離の和(17点)

方程式 \(z^12=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{11}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(5点)

(2)\(\sum_{j=0}^{11}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(5点)

(3)\(\prod_{j=1}^{11}(1-z_j)\) を求めなさい。(7点)


第2問 線分上の点と内積・最大最小(17点)

\(O(0,0),B(24,0),C(0,12)\) とする。Pは線分BC上を動く。

(1)Pを1つの実数パラメータで表し、その範囲を示しなさい。(5点)

(2)距離OPが最小になる点と最小距離を求めなさい。垂直性も確認しなさい。(5点)

(3)Pから2つの座標軸に垂線を下ろして作る長方形の面積の最大値を求めなさい。(7点)


第3問 回転軸を変える体積計算(17点)

\(0\le x\le12\) で曲線 \(y=x(12-x)\) とx軸で囲まれる領域をDとする。

(1)Dの面積を求めなさい。(5点)

(2)Dをx軸の周りに1回転してできる立体の体積を求めなさい。(5点)

(3)Dをy軸の周りに1回転してできる立体の体積を、yに垂直な切り口の面積を用いて求めなさい。(7点)


第4問 対数方程式の存在条件(17点)

\(\log_2 x+\log_2(12-x)=a\) を考える。\(a\) は実数である。

(1)真数条件を示し、実数解が存在するための必要十分条件を求めなさい。(5点)

(2)実数解の個数を場合分けして求めなさい。(5点)

(3)\(a=\log_2 27\) のとき、すべての解を求めなさい。(7点)


第5問 停止する試行と期待値の連立(16点)

表の確率が \(1/12\)、裏の確率が \(11/12\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。

(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(4点)

(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(4点)

(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(8点)


第6問 三項間漸化式と互いに素の証明(16点)

\[ a_1=1,\ a_2=13,\ a_{n+2}=13a_{n+1}-12a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(4点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(4点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(8点)


解答・解説

第1問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(12\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{11}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{12}+i\sin\frac{2\pi j}{12},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{24} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ z^12-1=(z-1)\prod_{j=1}^{11}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{11}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{12} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 線分上の点と内積・最大最小

(1)

\(P=(1-t)B+tC\) とおく。線分上なので \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{P=(24(1-t),12t),\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\[ OP^2=144(5t^2-8t+4)=5144(t-4/5)^2+4144/5 \]

。最小のtは区間内にあり、\(\overrightarrow{BC}=(-24,12)\) とOPの内積は0。

\[ \boxed{P=(\frac{24}{5},\frac{48}{5}),\quad\min OP=\frac{24}{5}\sqrt{5}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

長方形の面積は \(288t(1-t)=72-288(t-1/2)^2\)。端点では面積0、内部の頂点で最大。

\[ \boxed{\max S=72,\quad P=(12,6)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 回転軸を変える体積計算

(1)

非負の関数の下の面積なので \(S=\int_0^{12}x(12-x)\,dx\)。

\[ \boxed{288} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

切り口は半径 \(x(12-x)\) の円。

\[ V_x=\pi\int_0^{12}x^2(12-x)^2\,dx \]

。展開して項別に積分する。

\[ \boxed{\frac{41472}{5}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(0\le y\le144/4\)。左右の境界は \(x_\pm=(12\pm\sqrt{144-4y})/2\)。切り口は環で、面積は

\[ \pi(x_+^2-x_-^2)=12\pi\sqrt{144-4y} \]

。これをyについて積分する。

\[ \boxed{3456\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 対数方程式の存在条件

(1)

真数条件は \(0<x<12\)。\(x(12-x)=144/4-(x-12/2)^2\) なので、この積の値域は \((0,144/4]\)。対数の底が1より大きいことを使う。

\[ \boxed{0<x<12,\quad a\le\log_2 36} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

積が最大値より小さい正の値なら頂点の左右に1解ずつ、最大値なら頂点に1解、それを超えれば解はない。対数の真数条件も満たす。

\[ \boxed{a<\log_2 36:2\text{個};\quad a=\log_2 36:1\text{個};\quad a>\log_2 36:0\text{個}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(x(12-x)=27\) を解く。2つの解の和は \(12\)、積は右辺。得られた解が真数条件に入ることを確認する。

\[ \boxed{x=3,\ 9} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 停止する試行と期待値の連立

(1)

2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。

\[ \boxed{P(T=2)=\frac{1}{144},\quad P(T=3)=\frac{11}{1728}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(p=1/12,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。

\[ \boxed{156} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

1回の表までの平均は \(12\) 回なので合計2回の表までの平均は \(24\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。

\[ \boxed{E_{\text{合計2回}}=24,\quad\text{差}=132} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=12(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(12\) なので \(a_{n+1}-a_n=12^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{12^n-1}{11}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

一般項を代入して \(1/(12-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{12(12^n-1)-11n}{121}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=12a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-12a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。