九州大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第057回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 楕円の接線と切片・回転体(17点)

楕円

\[ \frac{x^2}{1024}+\frac{y^2}{256}=1 \]

の第1象限の点 \(P(32\cos t,16\sin t)\)、\(0<t<\pi/2\) を考える。

(1)この点での接線の方程式を求めなさい。(5点)

(2)接線と2つの座標軸でできる三角形の面積の最小値を求めなさい。(5点)

(3)楕円の内部をx軸の周りに回転させた立体の体積を求めなさい。(7点)


第2問 空間の垂線と四面体(17点)

空間で

\[ O(0,0,0),A(16,0,0),B(0,32,0),C(0,0,48) \]

を考える。

(1)平面ABC上の点の座標が満たす方程式を求めなさい。(5点)

(2)Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hと距離OHを求めなさい。(5点)

(3)四面体OABCの体積を2通りに表し、三角形ABCの面積を求めなさい。(7点)


第3問 回転軸を変える体積計算(17点)

\(0\le x\le16\) で曲線 \(y=x(16-x)\) とx軸で囲まれる領域をDとする。

(1)Dの面積を求めなさい。(5点)

(2)Dをx軸の周りに1回転してできる立体の体積を求めなさい。(5点)

(3)Dをy軸の周りに1回転してできる立体の体積を、yに垂直な切り口の面積を用いて求めなさい。(7点)


第4問 定義域のある二次関数とパラメータ(17点)

\(0\le x\le 32\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+256\) とする。\(t\) は実数である。

(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(5点)

(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(5点)

(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(7点)


第5問 停止する試行と期待値の連立(16点)

表の確率が \(1/16\)、裏の確率が \(15/16\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。

(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(4点)

(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(4点)

(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(8点)


第6問 固定点を引く漸化式と重み付きの和(16点)

\(a_1=16,\ a_{n+1}=2a_n+16\) で定まる数列を考える。

(1)適当な定数を加えて等比数列を作り、一般項を求めなさい。(4点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(4点)

(3)\(\sum_{j=1}^n a_j/2^j\) を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 楕円の接線と切片・回転体

(1)

楕円の式を陰関数微分すると \(y'=-x/(4y)\)。Pでの傾きと点を使って接線を整理する。

\[ \boxed{\frac{x\cos t}{32}+\frac{y\sin t}{16}=1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

切片は \(32/\cos t\)、\(16/\sin t\)。面積は \(256/(\sin t\cos t)\)。\(\sin t\cos t\le1/2\)、等号は \(t=\pi/4\)。

\[ \boxed{S_{\min}=512,\quad t=\pi/4} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

切り口の半径の2乗は \(256\(1-x^2/1024\)\)。\(-32\le x\le32\) で \\(\pi y^2\\) を積分する。

\[ \boxed{\frac{32768}{3}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 空間の垂線と四面体

(1)

平面の方程式を \(ux+vy+wz=c\) とおき、3点を代入する。係数は共通倍してよい。

\[ \boxed{6x+3y+2z=96} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

法線ベクトルは \((6,3,2)\) なので \(H=s(6,3,2)\)。平面の式への代入で \(49s=96\)。距離は \(7s\)。

\[ \boxed{H=(\frac{576}{49},\frac{288}{49},\frac{192}{49}),\quad OH=\frac{96}{7}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

底面OABの面積は \(256\)、Cからこの底面までの高さは \(48\) なので体積は \(4096\)。一方、ABCを底面とすると \(V=S_{ABC}\cdot OH/3\)。

\[ \boxed{896} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 回転軸を変える体積計算

(1)

非負の関数の下の面積なので \(S=\int_0^{16}x(16-x)\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{2048}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

切り口は半径 \(x(16-x)\) の円。

\[ V_x=\pi\int_0^{16}x^2(16-x)^2\,dx \]

。展開して項別に積分する。

\[ \boxed{\frac{524288}{15}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(0\le y\le256/4\)。左右の境界は \(x_\pm=(16\pm\sqrt{256-4y})/2\)。切り口は環で、面積は

\[ \pi(x_+^2-x_-^2)=16\pi\sqrt{256-4y} \]

。これをyについて積分する。

\[ \boxed{\frac{32768}{3}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 定義域のある二次関数とパラメータ

(1)

平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+256-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。

\[ \boxed{\min f_t=\begin{cases}256&t\le0\\256-t^2&0<t<32\\1280-64t&t\ge32\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-16\le t\le 16\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。

\[ \boxed{t\le16} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

判別式より \(t>16\) または \(t<-16\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>16\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(32)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(1280-64t\)。

\[ \boxed{16<t\le 20} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 停止する試行と期待値の連立

(1)

2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。

\[ \boxed{P(T=2)=\frac{1}{256},\quad P(T=3)=\frac{15}{4096}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(p=1/16,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。

\[ \boxed{272} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

1回の表までの平均は \(16\) 回なので合計2回の表までの平均は \(32\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。

\[ \boxed{E_{\text{合計2回}}=32,\quad\text{差}=240} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 固定点を引く漸化式と重み付きの和

(1)

\(a_{n+1}+16=2(a_n+16)\) なので \(a_n+16=32\cdot2^{n-1}\)。

\[ \boxed{a_n=16(2^n-1)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

一般項を代入し、\(\sum_{j=1}^n2^j=2^{n+1}-2\) を使う。

\[ \boxed{S_n=16(2^{n+1}-n-2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(a_j/2^j=16(1-2^{-j})\)。\(\sum_{j=1}^n2^{-j}=1-2^{-n}\) を差し引く。

\[ \boxed{16(n-1+2^{-n})} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。