関西学院大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第089回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。標準計算と、条件整理・図形の立式・記述の応用を組み合わせます。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 1の累乗根と積・距離の和(17点)

方程式 \(z^29=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{28}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(5点)

(2)\(\sum_{j=0}^{28}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(5点)

(3)\(\prod_{j=1}^{28}(1-z_j)\) を求めなさい。(7点)


第2問 完全順列の漸化式と固定点(17点)

\(29\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。

(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(5点)

(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(5点)

(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(7点)


第3問 三次関数の増減・接線・定積分(17点)

\(f(x)=x^3-87x^2\) とする。

(1)極大値と極小値を求めなさい。(5点)

(2)\(x=29\) における接線を求めなさい。(5点)

(3)\(\int_0^{87} f(x)\,dx\) を求めなさい。(7点)


第4問 定義域のある二次関数とパラメータ(17点)

\(0\le x\le 58\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+841\) とする。\(t\) は実数である。

(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(5点)

(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(5点)

(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(7点)


第5問 円の弦と三角形の面積の最大化(16点)

円 \\(x^2+y^2=841\\) の内部の点 \(Q(\frac{29}{2},0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。

(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(4点)

(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(4点)

(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(8点)


第6問 区分求積と和の極限(16点)

正の整数nについて、

\[ A_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\sqrt{29+\frac jn} \]

、

\[ B_n=\sum_{j=1}^n\frac1{29n+j} \]

とする。

(1)両方の和を、幅1/nの分割に対応する区分求積の形で説明しなさい。(4点)

(2)Aの数列の極限を求めなさい。(4点)

(3)Bの数列の極限を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(29\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{28}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{29}+i\sin\frac{2\pi j}{29},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{58} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ z^29-1=(z-1)\prod_{j=1}^{28}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{28}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{29} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 完全順列の漸化式と固定点

(1)

1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。

\[ \boxed{D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

初期値から前問の漸化式を順に計算すると

\[ D_{29}=3252702461227859257745914274516 \]

。全割当ては \(29!\) 通り。

\[ \boxed{\frac{116167945043852116348068366947}{315777214062132212662272000000}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/29\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 三次関数の増減・接線・定積分

(1)

\(f\prime(x)=3x(x-58)\)。符号を調べるとx=0で極大、x=58で極小。

\[ \boxed{\text{極大値 }0,\quad\text{極小値 }-97556} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

傾きは \(-2523\)、接点のy座標は \(-48778\)。点傾きの式で接線を求める。

\[ \boxed{y=-2523x+24389} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

多項式を項別に積分し、上端と下端の値の差をとる。定積分は符号付きの値である。

\[ \boxed{-\frac{19096587}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 定義域のある二次関数とパラメータ

(1)

平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+841-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。

\[ \boxed{\min f_t=\begin{cases}841&t\le0\\841-t^2&0<t<58\\4205-116t&t\ge58\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-29\le t\le 29\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。

\[ \boxed{t\le29} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

判別式より \(t>29\) または \(t<-29\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>29\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(58)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(4205-116t\)。

\[ \boxed{29<t\le \frac{145}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 円の弦と三角形の面積の最大化

(1)

\(x=\frac{29}{2}\) を円の式に代入する。\\(y^2=\frac{2523}{4}\\)。

\[ \boxed{(\frac{29}{2},\pm \frac{29}{2}\sqrt{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

直線は \(mx-y-\frac{29}{2}m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{841m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{841-d^2}\)。

\[ \boxed{AB=29\sqrt{\frac{4+3m^2}{1+m^2}}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

直線がQを通るので \(0\le d\le29/2\)。面積の2乗は \(d^2(841-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(841-s)\) は \(0\le s\le841/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。

\[ \boxed{\max S=\frac{841}{4}\sqrt{3},\quad x=\frac{29}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 区分求積と和の極限

(1)

\(A_n\) は \(f(x)=\sqrt{29+x}\)、

\[ B_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\frac1{29+j/n} \]

は \(g(x)=1/(29+x)\) の右端の値を用いた和。両方とも区間[0,1]で連続なので定積分に収束する。

\[ \boxed{A_n\to\int_0^1f(x)\,dx,\quad B_n\to\int_0^1g(x)\,dx} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\[ \lim A_n=\int_0^1\sqrt{29+x}\,dx=[\frac23(29+x)^{3/2}]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\frac23(30\sqrt{30}-29\sqrt{29})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\[ \lim B_n=\int_0^1\frac1{29+x}\,dx=[\log(29+x)]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\log\frac{30}{29}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。