慶應義塾大学 理工学部 数学記述模試 第049回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 区分求積と和の極限(17点)

正の整数nについて、

\[ A_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\sqrt{21+\frac jn} \]

、

\[ B_n=\sum_{j=1}^n\frac1{21n+j} \]

とする。

(1)両方の和を、幅1/nの分割に対応する区分求積の形で説明しなさい。(5点)

(2)Aの数列の極限を求めなさい。(5点)

(3)Bの数列の極限を求めなさい。(7点)


第2問 抽出方法と条件付き確率(17点)

袋に赤玉 \(21\) 個、青玉 \(42\) 個が入っている。すべての玉は同様に確からしく選ばれる。

(1)戻さずに2個取り出すとき、両方が赤玉である確率を求めなさい。(5点)

(2)戻さずに2個取り出し、少なくとも1個は赤玉だったと分かった。両方が赤玉である条件付き確率を求めなさい。(5点)

(3)今度は1個目を戻してから2個目を取り出す。同じ条件付き確率を求め、前問の値と比較しなさい。(7点)


第3問 複素数の距離条件と逆数の軌跡(17点)

複素数zが \(|z-21|=2|z+21|\) を満たす。

(1)実部と虚部を使って軌跡の方程式を求め、中心と半径を示しなさい。(5点)

(2)絶対値の最大値と最小値、およびそれらをとる複素数を求めなさい。(5点)

(3)逆数w=1/zの軌跡も求めなさい。逆数が定義できる理由を述べなさい。(7点)


第4問 三項間漸化式と互いに素の証明(17点)

\[ a_1=1,\ a_2=22,\ a_{n+2}=22a_{n+1}-21a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(5点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(7点)


第5問 円の弦と三角形の面積の最大化(16点)

円 \\(x^2+y^2=441\\) の内部の点 \(Q(\frac{21}{2},0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。

(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(4点)

(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(4点)

(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(8点)


第6問 定義域のある二次関数とパラメータ(16点)

\(0\le x\le 42\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+441\) とする。\(t\) は実数である。

(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(4点)

(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(4点)

(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 区分求積と和の極限

(1)

\(A_n\) は \(f(x)=\sqrt{21+x}\)、

\[ B_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\frac1{21+j/n} \]

は \(g(x)=1/(21+x)\) の右端の値を用いた和。両方とも区間[0,1]で連続なので定積分に収束する。

\[ \boxed{A_n\to\int_0^1f(x)\,dx,\quad B_n\to\int_0^1g(x)\,dx} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\[ \lim A_n=\int_0^1\sqrt{21+x}\,dx=[\frac23(21+x)^{3/2}]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\frac23(22\sqrt{22}-21\sqrt{21})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ \lim B_n=\int_0^1\frac1{21+x}\,dx=[\log(21+x)]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\log\frac{22}{21}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 抽出方法と条件付き確率

(1)

最初の赤の確率は1/3、2個目は \((21-1)/(63-1)\)。順序を区別しない組合せによる数え方でも一致する。

\[ \boxed{\frac{10}{93}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

少なくとも1個が赤という確率は \(1-\frac{42(42-1)}{63(63-1)}\)。両方が赤という確率をこれで割る。

\[ \boxed{\frac{5}{26}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

復元抽出では各回の赤の確率が1/3で独立。両方赤は1/9、少なくとも1個赤は5/9。比較には \(5(21-1)<105-1\) を用いる。

\[ \boxed{\frac15>\frac{5}{26}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 複素数の距離条件と逆数の軌跡

(1)

\(z=x+iy\) として2乗すると \((x-21)^2+y^2=4((x+21)^2+y^2)\)。平方完成して円の式に直す。

\[ \boxed{(x+35)^2+y^2=784} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

原点から中心までの距離は \(105/3\)、半径は \(84/3\)。円は原点を含まない。原点と中心を結ぶ直線上の2点で距離の極値をとる。

\[ \boxed{\max|z|=63\ (z=-63),\quad\min|z|=7\ (z=-7)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

前問の最小値が正なので逆数をとれる。条件を \(|1-21w|=2|1+21w|\) に直し、同様に平方完成する。

\[ \boxed{(\operatorname{Re}w+\frac{5}{63})^2+(\operatorname{Im}w)^2=\frac{16}{3969}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=21(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(21\) なので \(a_{n+1}-a_n=21^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{21^n-1}{20}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(21-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{21(21^n-1)-20n}{400}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=21a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-21a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 円の弦と三角形の面積の最大化

(1)

\(x=\frac{21}{2}\) を円の式に代入する。\\(y^2=\frac{1323}{4}\\)。

\[ \boxed{(\frac{21}{2},\pm \frac{21}{2}\sqrt{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

直線は \(mx-y-\frac{21}{2}m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{441m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{441-d^2}\)。

\[ \boxed{AB=21\sqrt{\frac{4+3m^2}{1+m^2}}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

直線がQを通るので \(0\le d\le21/2\)。面積の2乗は \(d^2(441-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(441-s)\) は \(0\le s\le441/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。

\[ \boxed{\max S=\frac{441}{4}\sqrt{3},\quad x=\frac{21}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 定義域のある二次関数とパラメータ

(1)

平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+441-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。

\[ \boxed{\min f_t=\begin{cases}441&t\le0\\441-t^2&0<t<42\\2205-84t&t\ge42\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-21\le t\le 21\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。

\[ \boxed{t\le21} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

判別式より \(t>21\) または \(t<-21\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>21\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(42)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(2205-84t\)。

\[ \boxed{21<t\le \frac{105}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。