慶應義塾大学 理工学部 数学記述模試 第046回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

前の回 · 全100回の出題内容 · 次の回 · 大学別の一覧


問題

第1問 三角関数の積分漸化式(17点)

\[ I_n=\int_0^{\pi/2}\sin^n x\,dx \]

とする。\(n\) は0以上の整数である。

(1)部分積分により、次数を2つ下げる漸化式を導きなさい。(5点)

(2)\(I_{42}\) を求めなさい。(5点)

(3)\(I_{43}\) を求めなさい。(7点)


第2問 反復試行と条件付き確率(17点)

公平な硬貨を21回投げる。表の回数をXとする。

(1)表がちょうど2回出る確率を求めなさい。(5点)

(2)表が少なくとも1回出る確率を求めなさい。(5点)

(3)表が少なくとも1回出たという条件で、ちょうど2回出た確率を求めなさい。(7点)


第3問 楕円の接線と切片・回転体(17点)

楕円

\[ \frac{x^2}{1764}+\frac{y^2}{441}=1 \]

の第1象限の点 \(P(42\cos t,21\sin t)\)、\(0<t<\pi/2\) を考える。

(1)この点での接線の方程式を求めなさい。(5点)

(2)接線と2つの座標軸でできる三角形の面積の最小値を求めなさい。(5点)

(3)楕円の内部をx軸の周りに回転させた立体の体積を求めなさい。(7点)


第4問 固定点を引く漸化式と重み付きの和(17点)

\(a_1=21,\ a_{n+1}=2a_n+21\) で定まる数列を考える。

(1)適当な定数を加えて等比数列を作り、一般項を求めなさい。(5点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)

(3)\(\sum_{j=1}^n a_j/2^j\) を求めなさい。(7点)


第5問 放物線の接線と囲まれた面積(16点)

放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-441)\) を考える。

(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(4点)

(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(4点)

(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(8点)


第6問 三次方程式の実数解の個数(16点)

実数 \(a\) に対し、方程式 \(x^3-1323x=a\) を考える。

(1)左辺の関数の極大値と極小値を求めなさい。(4点)

(2)異なる3つの実数解をもつための必要十分条件を求め、理由を説明しなさい。(4点)

(3)異なる実数解がちょうど2つとなる場合のパラメータと、そのときの解をすべて求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 三角関数の積分漸化式

(1)

\(n\ge2\) とする。\(\sin^{n-1}x\) と \(\sin x\) に分けて部分積分すると、境界項は0で

\[ I_n=(n-1)\int\sin^{n-2}x\cos^2x\,dx=(n-1)(I_{n-2}-I_n) \]

。

\[ \boxed{I_n=\frac{n-1}nI_{n-2}\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(I_0=\pi/2\) から漸化式を \(21\) 回使う。偶数の積と奇数の積を整理すると

\[ I_{2m}=\binom{2m}{m}\pi/(2\cdot4^m) \]

。

\[ \boxed{\frac{67282234305}{1099511627776}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(I_1=1\) から漸化式を \(21\) 回使う。\(I_{2m+1}=4^m(m!)^2/(2m+1)!\)。

\[ \boxed{\frac{549755813888}{2893136075115}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 反復試行と条件付き確率

(1)

表が出る2回を選ぶ方法は \(21\) 個の位置から2個選ぶ組合せ。各列の確率は同じ。

\[ \boxed{\frac{105}{1048576}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

余事象はすべて裏である1列。全体からこの確率を引く。

\[ \boxed{\frac{2097151}{2097152}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

ちょうど2回表が出る事象は条件の事象に含まれるので、前2問の確率の比をとる。

\[ \boxed{\frac{30}{299593}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 楕円の接線と切片・回転体

(1)

楕円の式を陰関数微分すると \(y'=-x/(4y)\)。Pでの傾きと点を使って接線を整理する。

\[ \boxed{\frac{x\cos t}{42}+\frac{y\sin t}{21}=1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

切片は \(42/\cos t\)、\(21/\sin t\)。面積は \(441/(\sin t\cos t)\)。\(\sin t\cos t\le1/2\)、等号は \(t=\pi/4\)。

\[ \boxed{S_{\min}=882,\quad t=\pi/4} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

切り口の半径の2乗は \(441\(1-x^2/1764\)\)。\(-42\le x\le42\) で \\(\pi y^2\\) を積分する。

\[ \boxed{24696\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 固定点を引く漸化式と重み付きの和

(1)

\(a_{n+1}+21=2(a_n+21)\) なので \(a_n+21=42\cdot2^{n-1}\)。

\[ \boxed{a_n=21(2^n-1)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入し、\(\sum_{j=1}^n2^j=2^{n+1}-2\) を使う。

\[ \boxed{S_n=21(2^{n+1}-n-2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(a_j/2^j=21(1-2^{-j})\)。\(\sum_{j=1}^n2^{-j}=1-2^{-n}\) を差し引く。

\[ \boxed{21(n-1+2^{-n})} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 放物線の接線と囲まれた面積

(1)

接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=441\)。

\[ \boxed{y=42x-441,\quad y=-42x-441} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

接点は \((\pm21,441)\)。底辺の長さは \(42\)、Pから底辺までの高さは \(882\)。

\[ \boxed{18522} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-21)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{21}(x-21)^2\,dx\)。

\[ \boxed{6174} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 三次方程式の実数解の個数

(1)

\(f'(x)=3(x-21)(x+21)\)。増減は順に増加・減少・増加なので、\(x=-21\) で極大、\(x=21\) で極小となる。

\[ \boxed{\text{極大値 }18522,\quad\text{極小値 }-18522} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

水平線が3つの単調な部分にそれぞれ1回交わる条件は、高さが極小値より大きく極大値より小さいことである。端点では接して重解をもつため除く。

\[ \boxed{-18522<a<18522} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(a=18522\) では \(f(x)-a=(x-42)(x+21)^2\)。\(a=-18522\) では \(f(x)-a=(x+42)(x-21)^2\)。

\[ \boxed{a=18522:x=-21,42;\quad a=-18522:x=-42,21} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。