慶應義塾大学 理工学部 数学記述模試 第024回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

前の回 · 全100回の出題内容 · 次の回 · 大学別の一覧


問題

第1問 区分求積と和の極限(17点)

正の整数nについて、

\[ A_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\sqrt{20+\frac jn} \]

、

\[ B_n=\sum_{j=1}^n\frac1{20n+j} \]

とする。

(1)両方の和を、幅1/nの分割に対応する区分求積の形で説明しなさい。(5点)

(2)Aの数列の極限を求めなさい。(5点)

(3)Bの数列の極限を求めなさい。(7点)


第2問 反復試行と条件付き確率(17点)

公平な硬貨を20回投げる。表の回数をXとする。

(1)表がちょうど2回出る確率を求めなさい。(5点)

(2)表が少なくとも1回出る確率を求めなさい。(5点)

(3)表が少なくとも1回出たという条件で、ちょうど2回出た確率を求めなさい。(7点)


第3問 楕円の接線と切片・回転体(17点)

楕円

\[ \frac{x^2}{1600}+\frac{y^2}{400}=1 \]

の第1象限の点 \(P(40\cos t,20\sin t)\)、\(0<t<\pi/2\) を考える。

(1)この点での接線の方程式を求めなさい。(5点)

(2)接線と2つの座標軸でできる三角形の面積の最小値を求めなさい。(5点)

(3)楕円の内部をx軸の周りに回転させた立体の体積を求めなさい。(7点)


第4問 三項間漸化式と互いに素の証明(17点)

\[ a_1=1,\ a_2=21,\ a_{n+2}=21a_{n+1}-20a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(5点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(7点)


第5問 放物線の接線と囲まれた面積(16点)

放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-400)\) を考える。

(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(4点)

(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(4点)

(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(8点)


第6問 三角関数を二次関数に置き換える(16点)

\(0\le\theta\le\pi/2\) で

\[ f(\theta)=\sin\theta+20\cos2\theta \]

とする。

(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(4点)

(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(4点)

(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=20\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 区分求積と和の極限

(1)

\(A_n\) は \(f(x)=\sqrt{20+x}\)、

\[ B_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\frac1{20+j/n} \]

は \(g(x)=1/(20+x)\) の右端の値を用いた和。両方とも区間[0,1]で連続なので定積分に収束する。

\[ \boxed{A_n\to\int_0^1f(x)\,dx,\quad B_n\to\int_0^1g(x)\,dx} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\[ \lim A_n=\int_0^1\sqrt{20+x}\,dx=[\frac23(20+x)^{3/2}]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\frac23(21\sqrt{21}-40\sqrt{5})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ \lim B_n=\int_0^1\frac1{20+x}\,dx=[\log(20+x)]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\log\frac{21}{20}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 反復試行と条件付き確率

(1)

表が出る2回を選ぶ方法は \(20\) 個の位置から2個選ぶ組合せ。各列の確率は同じ。

\[ \boxed{\frac{95}{524288}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

余事象はすべて裏である1列。全体からこの確率を引く。

\[ \boxed{\frac{1048575}{1048576}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

ちょうど2回表が出る事象は条件の事象に含まれるので、前2問の確率の比をとる。

\[ \boxed{\frac{38}{209715}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 楕円の接線と切片・回転体

(1)

楕円の式を陰関数微分すると \(y'=-x/(4y)\)。Pでの傾きと点を使って接線を整理する。

\[ \boxed{\frac{x\cos t}{40}+\frac{y\sin t}{20}=1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

切片は \(40/\cos t\)、\(20/\sin t\)。面積は \(400/(\sin t\cos t)\)。\(\sin t\cos t\le1/2\)、等号は \(t=\pi/4\)。

\[ \boxed{S_{\min}=800,\quad t=\pi/4} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

切り口の半径の2乗は \(400\(1-x^2/1600\)\)。\(-40\le x\le40\) で \\(\pi y^2\\) を積分する。

\[ \boxed{\frac{64000}{3}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=20(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(20\) なので \(a_{n+1}-a_n=20^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{20^n-1}{19}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(20-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{20(20^n-1)-19n}{361}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=20a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-20a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 放物線の接線と囲まれた面積

(1)

接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=400\)。

\[ \boxed{y=40x-400,\quad y=-40x-400} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

接点は \((\pm20,400)\)。底辺の長さは \(40\)、Pから底辺までの高さは \(800\)。

\[ \boxed{16000} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-20)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{20}(x-20)^2\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{16000}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 三角関数を二次関数に置き換える

(1)

\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{f=20+t-40t^2,\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

平方完成より

\[ f=20+\frac1{160}-40(t-\frac1{80})^2 \]

。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=20\)、\(f(1)=-19\)。

\[ \boxed{\max f=\frac{3201}{160}\ (\sin\theta=\frac1{80}),\quad\min f=-19\ (\theta=\pi/2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(t-40t^2=0\) の解は0と \(1/40\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。

\[ \boxed{\sin\theta=\frac1{40}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。