慶應義塾大学 医学部 数学記述模試 第087回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 三項間漸化式と互いに素の証明(17点)

\[ a_1=1,\ a_2=22,\ a_{n+2}=22a_{n+1}-21a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(5点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(7点)


第2問 等周条件と三角形の面積(17点)

周の長さが \(126\) の二等辺三角形を考える。等しい2辺の長さをa、底辺の長さをbとする。

(1)底辺をaで表し、三角形が存在するaの範囲を求めなさい。(5点)

(2)面積が最大になる辺の長さと最大面積を求め、最大になる理由を示しなさい。(5点)

(3)面積が最大になる三角形の内接円の半径を求めなさい。(7点)


第3問 対数方程式の存在条件(17点)

\(\log_2 x+\log_2(21-x)=a\) を考える。\(a\) は実数である。

(1)真数条件を示し、実数解が存在するための必要十分条件を求めなさい。(5点)

(2)実数解の個数を場合分けして求めなさい。(5点)

(3)\(a=\log_2 \frac{1323}{16}\) のとき、すべての解を求めなさい。(7点)


第4問 複素数の回転と正三角形(17点)

複素数平面で \(A=21,B=21i\) とする。ABを1辺とする正三角形の第3頂点をCとする。

(1)2つの可能な第3頂点を複素数で求めなさい。(5点)

(2)正三角形の面積を求めなさい。(5点)

(3)それぞれの外心の複素数と、共通の外接円の半径を求めなさい。(7点)


第5問 抽出方法と条件付き確率(16点)

袋に赤玉 \(21\) 個、青玉 \(42\) 個が入っている。すべての玉は同様に確からしく選ばれる。

(1)戻さずに2個取り出すとき、両方が赤玉である確率を求めなさい。(4点)

(2)戻さずに2個取り出し、少なくとも1個は赤玉だったと分かった。両方が赤玉である条件付き確率を求めなさい。(4点)

(3)今度は1個目を戻してから2個目を取り出す。同じ条件付き確率を求め、前問の値と比較しなさい。(8点)


第6問 区分求積と和の極限(16点)

正の整数nについて、

\[ A_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\sqrt{21+\frac jn} \]

、

\[ B_n=\sum_{j=1}^n\frac1{21n+j} \]

とする。

(1)両方の和を、幅1/nの分割に対応する区分求積の形で説明しなさい。(4点)

(2)Aの数列の極限を求めなさい。(4点)

(3)Bの数列の極限を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=21(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(21\) なので \(a_{n+1}-a_n=21^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{21^n-1}{20}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(21-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{21(21^n-1)-20n}{400}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=21a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-21a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 等周条件と三角形の面積

(1)

\(b=126-2a\)。\(b>0\) と三角不等式 \(b<2a\) の両方を満たす必要がある。

\[ \boxed{b=126-2a,\quad \frac{63}{2}<a<63} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

底辺を二等分して高さを求めると \(S^2=63(63-a)^2(2a-63)\)。微分すると \((S^2)'=378(63-a)(42-a)\)。存在範囲で \(a=42\) の前は正、後は負。最大は正三角形のとき。

\[ \boxed{a=b=42,\quad S_{\max}=441\sqrt3} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

半周長は \(63\)。内心から3辺に垂線を下ろして分割すると \(S=63r\)。

\[ \boxed{r=7\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 対数方程式の存在条件

(1)

真数条件は \(0<x<21\)。\(x(21-x)=441/4-(x-21/2)^2\) なので、この積の値域は \((0,441/4]\)。対数の底が1より大きいことを使う。

\[ \boxed{0<x<21,\quad a\le\log_2 \frac{441}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

積が最大値より小さい正の値なら頂点の左右に1解ずつ、最大値なら頂点に1解、それを超えれば解はない。対数の真数条件も満たす。

\[ \boxed{a<\log_2 \frac{441}{4}:2\text{個};\quad a=\log_2 \frac{441}{4}:1\text{個};\quad a>\log_2 \frac{441}{4}:0\text{個}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(x(21-x)=\frac{1323}{16}\) を解く。2つの解の和は \(21\)、積は右辺。得られた解が真数条件に入ることを確認する。

\[ \boxed{x=\frac{21}{4},\ \frac{63}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 複素数の回転と正三角形

(1)

\[ C-A=(B-A)(\cos(\pi/3)\pm i\sin(\pi/3)) \]

。整理すると \(C=(A+B)/2\pm i\sqrt3(B-A)/2\)。両符号が2つの側を表す。

\[ \boxed{C=\frac{21}{2}(1\pm\sqrt3)(1+i)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(|B-A|=21\sqrt2\)。正三角形の面積は辺の2乗の \(\sqrt3/4\) 倍。

\[ \boxed{S=\frac{441}{2}\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

正三角形の外心は重心とも一致するので \((A+B+C)/3\)。半径は辺の長さを \(\sqrt3\) で割る。

\[ \boxed{O_\pm=\frac{7}{2}(3\pm\sqrt3)(1+i),\quad R=7\sqrt{6}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 抽出方法と条件付き確率

(1)

最初の赤の確率は1/3、2個目は \((21-1)/(63-1)\)。順序を区別しない組合せによる数え方でも一致する。

\[ \boxed{\frac{10}{93}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

少なくとも1個が赤という確率は \(1-\frac{42(42-1)}{63(63-1)}\)。両方が赤という確率をこれで割る。

\[ \boxed{\frac{5}{26}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

復元抽出では各回の赤の確率が1/3で独立。両方赤は1/9、少なくとも1個赤は5/9。比較には \(5(21-1)<105-1\) を用いる。

\[ \boxed{\frac15>\frac{5}{26}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 区分求積と和の極限

(1)

\(A_n\) は \(f(x)=\sqrt{21+x}\)、

\[ B_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\frac1{21+j/n} \]

は \(g(x)=1/(21+x)\) の右端の値を用いた和。両方とも区間[0,1]で連続なので定積分に収束する。

\[ \boxed{A_n\to\int_0^1f(x)\,dx,\quad B_n\to\int_0^1g(x)\,dx} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\[ \lim A_n=\int_0^1\sqrt{21+x}\,dx=[\frac23(21+x)^{3/2}]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\frac23(22\sqrt{22}-21\sqrt{21})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\[ \lim B_n=\int_0^1\frac1{21+x}\,dx=[\log(21+x)]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\log\frac{22}{21}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。