慶應義塾大学 医学部 数学記述模試 第085回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

前の回 · 全100回の出題内容 · 次の回 · 大学別の一覧


問題

第1問 重解を使う三次曲線の面積(17点)

曲線 \(y=f(x)=x^3-2883x\) の \(x=31\) における接線をlとする。

(1)接線と曲線のすべての交点を求めなさい。重解の意味も説明しなさい。(5点)

(2)曲線と接線で囲まれた有限部分の面積を求めなさい。(5点)

(3)その部分のうち、横座標が非負である部分の面積が全体に占める割合を求めなさい。(7点)


第2問 等周条件と三角形の面積(17点)

周の長さが \(186\) の二等辺三角形を考える。等しい2辺の長さをa、底辺の長さをbとする。

(1)底辺をaで表し、三角形が存在するaの範囲を求めなさい。(5点)

(2)面積が最大になる辺の長さと最大面積を求め、最大になる理由を示しなさい。(5点)

(3)面積が最大になる三角形の内接円の半径を求めなさい。(7点)


第3問 定義域のある二次関数とパラメータ(17点)

\(0\le x\le 62\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+961\) とする。\(t\) は実数である。

(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(5点)

(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(5点)

(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(7点)


第4問 双曲線の接線と不変な面積(17点)

第1象限の双曲線 \\(xy=961\\) 上の点 \(P(t,961/t)\)、\(t>0\) を考える。

(1)接線の方程式と2つの軸との交点を求めなさい。(5点)

(2)接線と2つの座標軸でできる三角形の面積を求め、接点によらないことを説明しなさい。(5点)

(3)2つの正の切片の和の最小値と、そのときの接点を求めなさい。(7点)


第5問 抽出方法と条件付き確率(16点)

袋に赤玉 \(31\) 個、青玉 \(62\) 個が入っている。すべての玉は同様に確からしく選ばれる。

(1)戻さずに2個取り出すとき、両方が赤玉である確率を求めなさい。(4点)

(2)戻さずに2個取り出し、少なくとも1個は赤玉だったと分かった。両方が赤玉である条件付き確率を求めなさい。(4点)

(3)今度は1個目を戻してから2個目を取り出す。同じ条件付き確率を求め、前問の値と比較しなさい。(8点)


第6問 回転軸を変える体積計算(16点)

\(0\le x\le31\) で曲線 \(y=x(31-x)\) とx軸で囲まれる領域をDとする。

(1)Dの面積を求めなさい。(4点)

(2)Dをx軸の周りに1回転してできる立体の体積を求めなさい。(4点)

(3)Dをy軸の周りに1回転してできる立体の体積を、yに垂直な切り口の面積を用いて求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 重解を使う三次曲線の面積

(1)

\(f'(31)=0\) なので \(l:y=-59582\)。差は \((x-31)^2(x+62)\)。接点の横座標は2重の根となる。

\[ \boxed{(-62,-59582),\quad(31,-59582)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

区間 \([-62,31]\) では差は非負。

\[ S=\int_{-62}^{31}(x^3-2883x+59582)\,dx \]

。原始関数は

\[ x^4/4-\frac{2883}{2}x^2+59582x \]

。

\[ \boxed{\frac{24935067}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

非負の横座標の部分は

\[ \int_0^{31}(f(x)+59582)\,dx=\frac{2770563}{4} \]

。全体の面積で割る。

\[ \boxed{\frac19} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 等周条件と三角形の面積

(1)

\(b=186-2a\)。\(b>0\) と三角不等式 \(b<2a\) の両方を満たす必要がある。

\[ \boxed{b=186-2a,\quad \frac{93}{2}<a<93} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

底辺を二等分して高さを求めると \(S^2=93(93-a)^2(2a-93)\)。微分すると \((S^2)'=558(93-a)(62-a)\)。存在範囲で \(a=62\) の前は正、後は負。最大は正三角形のとき。

\[ \boxed{a=b=62,\quad S_{\max}=961\sqrt3} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

半周長は \(93\)。内心から3辺に垂線を下ろして分割すると \(S=93r\)。

\[ \boxed{r=\frac{31}{3}\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 定義域のある二次関数とパラメータ

(1)

平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+961-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。

\[ \boxed{\min f_t=\begin{cases}961&t\le0\\961-t^2&0<t<62\\4805-124t&t\ge62\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-31\le t\le 31\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。

\[ \boxed{t\le31} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

判別式より \(t>31\) または \(t<-31\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>31\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(62)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(4805-124t\)。

\[ \boxed{31<t\le \frac{155}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 双曲線の接線と不変な面積

(1)

\(y=961/x\) を微分して傾きを求める。接線は \(y-961/t=-961(x-t)/t^2\)。

\[ \boxed{\frac xt+\frac{yt}{961}=2,\quad(2t,0),(0,1922/t)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

切片は \(2t\) と \(1922/t\)。その積が \(3844\) で一定なので、面積も一定となる。

\[ \boxed{1922} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

相加相乗平均より \(2t+1922/t\ge124\)。等号は \(t=31\) のとき。

\[ \boxed{\min=124,\quad P=(31,31)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 抽出方法と条件付き確率

(1)

最初の赤の確率は1/3、2個目は \((31-1)/(93-1)\)。順序を区別しない組合せによる数え方でも一致する。

\[ \boxed{\frac{5}{46}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

少なくとも1個が赤という確率は \(1-\frac{62(62-1)}{93(93-1)}\)。両方が赤という確率をこれで割る。

\[ \boxed{\frac{15}{77}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

復元抽出では各回の赤の確率が1/3で独立。両方赤は1/9、少なくとも1個赤は5/9。比較には \(5(31-1)<155-1\) を用いる。

\[ \boxed{\frac15>\frac{15}{77}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 回転軸を変える体積計算

(1)

非負の関数の下の面積なので \(S=\int_0^{31}x(31-x)\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{29791}{6}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

切り口は半径 \(x(31-x)\) の円。

\[ V_x=\pi\int_0^{31}x^2(31-x)^2\,dx \]

。展開して項別に積分する。

\[ \boxed{\frac{28629151}{30}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(0\le y\le961/4\)。左右の境界は \(x_\pm=(31\pm\sqrt{961-4y})/2\)。切り口は環で、面積は

\[ \pi(x_+^2-x_-^2)=31\pi\sqrt{961-4y} \]

。これをyについて積分する。

\[ \boxed{\frac{923521}{6}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。