慶應義塾大学 医学部 数学記述模試 第083回
この回のテストポイント
- 第1問:逆数で線形化し差を足す
- 第2問:線分上の点と内積・最大最小
- 第3問:三角関数を二次関数に置き換える
- 第4問:楕円の接線と切片・回転体
- 第5問:反射による経路の数え上げ
- 第6問:三角関数の積分漸化式
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。
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問題
第1問 逆数で線形化し差を足す(17点)
で数列を定める。
(1)すべての項が正であることを確認し、一般項を求めなさい。(5点)
(2)\(\sum_{j=1}^n a_ja_{j+1}\) を求めなさい。(5点)
(3)\(\prod_{j=1}^n(1+a_j)\) を求めなさい。(7点)
第2問 線分上の点と内積・最大最小(17点)
\(O(0,0),B(62,0),C(0,31)\) とする。Pは線分BC上を動く。
(1)Pを1つの実数パラメータで表し、その範囲を示しなさい。(5点)
(2)距離OPが最小になる点と最小距離を求めなさい。垂直性も確認しなさい。(5点)
(3)Pから2つの座標軸に垂線を下ろして作る長方形の面積の最大値を求めなさい。(7点)
第3問 三角関数を二次関数に置き換える(17点)
\(0\le\theta\le\pi/2\) で
とする。
(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(5点)
(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(5点)
(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=31\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(7点)
第4問 楕円の接線と切片・回転体(17点)
楕円
の第1象限の点 \(P(62\cos t,31\sin t)\)、\(0<t<\pi/2\) を考える。
(1)この点での接線の方程式を求めなさい。(5点)
(2)接線と2つの座標軸でできる三角形の面積の最小値を求めなさい。(5点)
(3)楕円の内部をx軸の周りに回転させた立体の体積を求めなさい。(7点)
第5問 反射による経路の数え上げ(16点)
数直線上の点を原点から動かす。毎回、左右それぞれ確率1/2で1だけ進み、独立に \(62\) 回動かす。
(1)最後に原点に戻る移動列の数を求めなさい。(4点)
(2)最後に原点に戻り、途中で一度も負の位置に達しない移動列の数を求めなさい。負の位置に初めて達するまでの移動を反転する方法で説明しなさい。(4点)
(3)最後に原点に戻ったという条件のもとで、一度も負の位置に達していない確率を求めなさい。(8点)
第6問 三角関数の積分漸化式(16点)
とする。\(n\) は0以上の整数である。
(1)部分積分により、次数を2つ下げる漸化式を導きなさい。(4点)
(2)\(I_{62}\) を求めなさい。(4点)
(3)\(I_{63}\) を求めなさい。(8点)
解答・解説
第1問 逆数で線形化し差を足す
(1)
初項が正で、正の項から次の正の項が作られるので帰納的にすべて正。逆数をとると \(1/a_{n+1}=1/a_n+1\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
漸化式から
。和をとると中間の項が消える。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
漸化式を変形すると \(1+a_j=a_j/a_{j+1}\)。積では中間の項が約分される。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第2問 線分上の点と内積・最大最小
(1)
\(P=(1-t)B+tC\) とおく。線分上なので \(0\le t\le1\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
。最小のtは区間内にあり、\(\overrightarrow{BC}=(-62,31)\) とOPの内積は0。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
長方形の面積は
。端点では面積0、内部の頂点で最大。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第3問 三角関数を二次関数に置き換える
(1)
\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
平方完成より
。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=31\)、\(f(1)=-30\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
\(t-62t^2=0\) の解は0と \(1/62\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第4問 楕円の接線と切片・回転体
(1)
楕円の式を陰関数微分すると \(y'=-x/(4y)\)。Pでの傾きと点を使って接線を整理する。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
切片は \(62/\cos t\)、\(31/\sin t\)。面積は \(961/(\sin t\cos t)\)。\(\sin t\cos t\le1/2\)、等号は \(t=\pi/4\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
切り口の半径の2乗は \(961\(1-x^2/3844\)\)。\(-62\le x\le62\) で \\(\pi y^2\\) を積分する。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第5問 反射による経路の数え上げ
(1)
右へ進む回数と左へ進む回数はそれぞれ \(31\) 回。右への移動の位置を選ぶ。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
悪い移動列について、初めて位置-1に着くまでの左右を反転する。原点から出て最後に位置2に着く移動列と1対1に対応する。この列は右が \(32\) 回、左が \(30\) 回なので \(\binom{62}{30}\) 個。全体から差し引く。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
条件付きの標本空間は前問(1)の \(\binom{62}{31}\) 個。良い列の個数は全体の \(1/32\)。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第6問 三角関数の積分漸化式
(1)
\(n\ge2\) とする。\(\sin^{n-1}x\) と \(\sin x\) に分けて部分積分すると、境界項は0で
。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
\(I_0=\pi/2\) から漸化式を \(31\) 回使う。偶数の積と奇数の積を整理すると
。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
\(I_1=1\) から漸化式を \(31\) 回使う。\(I_{2m+1}=4^m(m!)^2/(2m+1)!\)。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。