慶應義塾大学 医学部 数学記述模試 第067回
この回のテストポイント
- 第1問:三項間漸化式と互いに素の証明
- 第2問:放物線の接線と囲まれた面積
- 第3問:定義域のある二次関数とパラメータ
- 第4問:1の累乗根と積・距離の和
- 第5問:完全順列の漸化式と固定点
- 第6問:三角関数の積分漸化式
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。
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問題
第1問 三項間漸化式と互いに素の証明(17点)
とする。
(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(5点)
(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)
(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(7点)
第2問 放物線の接線と囲まれた面積(17点)
放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-529)\) を考える。
(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(5点)
(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(5点)
(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(7点)
第3問 定義域のある二次関数とパラメータ(17点)
\(0\le x\le 46\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+529\) とする。\(t\) は実数である。
(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(5点)
(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(5点)
(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(7点)
第4問 1の累乗根と積・距離の和(17点)
方程式 \(z^23=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{22}\) とし、\(z_0=1\) とする。
(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(5点)
(2)\(\sum_{j=0}^{22}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(5点)
(3)\(\prod_{j=1}^{22}(1-z_j)\) を求めなさい。(7点)
第5問 完全順列の漸化式と固定点(16点)
\(23\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。
(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(4点)
(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(4点)
(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(8点)
第6問 三角関数の積分漸化式(16点)
とする。\(n\) は0以上の整数である。
(1)部分積分により、次数を2つ下げる漸化式を導きなさい。(4点)
(2)\(I_{46}\) を求めなさい。(4点)
(3)\(I_{47}\) を求めなさい。(8点)
解答・解説
第1問 三項間漸化式と互いに素の証明
(1)
。初めの差は \(23\) なので \(a_{n+1}-a_n=23^n\)。初項に差の和を加える。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
一般項を代入して \(1/(23-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
一般項から \(a_{n+1}=23a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-23a_n=1\) を割る。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第2問 放物線の接線と囲まれた面積
(1)
接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=529\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
接点は \((\pm23,529)\)。底辺の長さは \(46\)、Pから底辺までの高さは \(1058\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-23)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{23}(x-23)^2\,dx\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第3問 定義域のある二次関数とパラメータ
(1)
平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+529-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-23\le t\le 23\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
判別式より \(t>23\) または \(t<-23\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>23\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(46)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(2645-92t\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第4問 1の累乗根と積・距離の和
(1)
単位円を \(23\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{22}\) の係数から解の和が0と分かる。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
\(|z_j|=1\) なので
。前問の和を使う。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{22}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第5問 完全順列の漸化式と固定点
(1)
1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
初期値から前問の漸化式を順に計算すると
。全割当ては \(23!\) 通り。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/23\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第6問 三角関数の積分漸化式
(1)
\(n\ge2\) とする。\(\sin^{n-1}x\) と \(\sin x\) に分けて部分積分すると、境界項は0で
。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
\(I_0=\pi/2\) から漸化式を \(23\) 回使う。偶数の積と奇数の積を整理すると
。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
\(I_1=1\) から漸化式を \(23\) 回使う。\(I_{2m+1}=4^m(m!)^2/(2m+1)!\)。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。