慶應義塾大学 医学部 数学記述模試 第046回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 固定点を引く漸化式と重み付きの和(17点)

\(a_1=20,\ a_{n+1}=2a_n+20\) で定まる数列を考える。

(1)適当な定数を加えて等比数列を作り、一般項を求めなさい。(5点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)

(3)\(\sum_{j=1}^n a_j/2^j\) を求めなさい。(7点)


第2問 等周条件と三角形の面積(17点)

周の長さが \(120\) の二等辺三角形を考える。等しい2辺の長さをa、底辺の長さをbとする。

(1)底辺をaで表し、三角形が存在するaの範囲を求めなさい。(5点)

(2)面積が最大になる辺の長さと最大面積を求め、最大になる理由を示しなさい。(5点)

(3)面積が最大になる三角形の内接円の半径を求めなさい。(7点)


第3問 対数方程式の存在条件(17点)

\(\log_2 x+\log_2(20-x)=a\) を考える。\(a\) は実数である。

(1)真数条件を示し、実数解が存在するための必要十分条件を求めなさい。(5点)

(2)実数解の個数を場合分けして求めなさい。(5点)

(3)\(a=\log_2 75\) のとき、すべての解を求めなさい。(7点)


第4問 楕円の接線と切片・回転体(17点)

楕円

\[ \frac{x^2}{1600}+\frac{y^2}{400}=1 \]

の第1象限の点 \(P(40\cos t,20\sin t)\)、\(0<t<\pi/2\) を考える。

(1)この点での接線の方程式を求めなさい。(5点)

(2)接線と2つの座標軸でできる三角形の面積の最小値を求めなさい。(5点)

(3)楕円の内部をx軸の周りに回転させた立体の体積を求めなさい。(7点)


第5問 完全順列の漸化式と固定点(16点)

\(20\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。

(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(4点)

(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(4点)

(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(8点)


第6問 対数の評価と部分積分(16点)

自然対数を用いる。\(1\le x\le20\) において \(f(x)=(\log x)/x\) を考える。

(1)すべての \(x>0\) で \(\log x\le x-1\) を示し、等号条件を述べなさい。(4点)

(2)定義域内での関数の最大値と、それをとる値を求めなさい。(4点)

(3)

\[ \int_1^{20}\frac{\log x}{x^2}\,dx \]

を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 固定点を引く漸化式と重み付きの和

(1)

\(a_{n+1}+20=2(a_n+20)\) なので \(a_n+20=40\cdot2^{n-1}\)。

\[ \boxed{a_n=20(2^n-1)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入し、\(\sum_{j=1}^n2^j=2^{n+1}-2\) を使う。

\[ \boxed{S_n=20(2^{n+1}-n-2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(a_j/2^j=20(1-2^{-j})\)。\(\sum_{j=1}^n2^{-j}=1-2^{-n}\) を差し引く。

\[ \boxed{20(n-1+2^{-n})} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 等周条件と三角形の面積

(1)

\(b=120-2a\)。\(b>0\) と三角不等式 \(b<2a\) の両方を満たす必要がある。

\[ \boxed{b=120-2a,\quad 30<a<60} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

底辺を二等分して高さを求めると \(S^2=60(60-a)^2(2a-60)\)。微分すると \((S^2)'=360(60-a)(40-a)\)。存在範囲で \(a=40\) の前は正、後は負。最大は正三角形のとき。

\[ \boxed{a=b=40,\quad S_{\max}=400\sqrt3} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

半周長は \(60\)。内心から3辺に垂線を下ろして分割すると \(S=60r\)。

\[ \boxed{r=\frac{20}{3}\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 対数方程式の存在条件

(1)

真数条件は \(0<x<20\)。\(x(20-x)=400/4-(x-20/2)^2\) なので、この積の値域は \((0,400/4]\)。対数の底が1より大きいことを使う。

\[ \boxed{0<x<20,\quad a\le\log_2 100} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

積が最大値より小さい正の値なら頂点の左右に1解ずつ、最大値なら頂点に1解、それを超えれば解はない。対数の真数条件も満たす。

\[ \boxed{a<\log_2 100:2\text{個};\quad a=\log_2 100:1\text{個};\quad a>\log_2 100:0\text{個}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(x(20-x)=75\) を解く。2つの解の和は \(20\)、積は右辺。得られた解が真数条件に入ることを確認する。

\[ \boxed{x=5,\ 15} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 楕円の接線と切片・回転体

(1)

楕円の式を陰関数微分すると \(y'=-x/(4y)\)。Pでの傾きと点を使って接線を整理する。

\[ \boxed{\frac{x\cos t}{40}+\frac{y\sin t}{20}=1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

切片は \(40/\cos t\)、\(20/\sin t\)。面積は \(400/(\sin t\cos t)\)。\(\sin t\cos t\le1/2\)、等号は \(t=\pi/4\)。

\[ \boxed{S_{\min}=800,\quad t=\pi/4} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

切り口の半径の2乗は \(400\(1-x^2/1600\)\)。\(-40\le x\le40\) で \\(\pi y^2\\) を積分する。

\[ \boxed{\frac{64000}{3}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 完全順列の漸化式と固定点

(1)

1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。

\[ \boxed{D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

初期値から前問の漸化式を順に計算すると \(D_{20}=895014631192902121\)。全割当ては \(20!\) 通り。

\[ \boxed{\frac{4282366656425369}{11640679464960000}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/20\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 対数の評価と部分積分

(1)

\(g(x)=x-1-\log x\) とおく。\(g'(x)=(x-1)/x\) より1の前で減少、後で増加。最小値は \(g(1)=0\)。

\[ \boxed{\log x\le x-1,\quad\text{等号は }x=1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(f'(x)=(1-\log x)/x^2\)。\(1<e<20\) なので、定義域内でeの前は増加、後は減少。

\[ \boxed{\max f=\frac1e,\quad x=e} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

部分積分により原始関数は \(-(\log x+1)/x\)。上下端を代入する。

\[ \boxed{1-\frac{\log20+1}{20}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。