慶應義塾大学 医学部 数学記述模試 第027回
この回のテストポイント
- 第1問:三項間漸化式と互いに素の証明
- 第2問:円の弦と三角形の面積の最大化
- 第3問:定義域のある二次関数とパラメータ
- 第4問:楕円の接線と切片・回転体
- 第5問:完全順列の漸化式と固定点
- 第6問:対数の評価と部分積分
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。
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問題
第1問 三項間漸化式と互いに素の証明(17点)
とする。
(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(5点)
(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)
(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(7点)
第2問 円の弦と三角形の面積の最大化(17点)
円 \\(x^2+y^2=1024\\) の内部の点 \(Q(16,0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。
(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(5点)
(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(5点)
(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(7点)
第3問 定義域のある二次関数とパラメータ(17点)
\(0\le x\le 64\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+1024\) とする。\(t\) は実数である。
(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(5点)
(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(5点)
(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(7点)
第4問 楕円の接線と切片・回転体(17点)
楕円
の第1象限の点 \(P(64\cos t,32\sin t)\)、\(0<t<\pi/2\) を考える。
(1)この点での接線の方程式を求めなさい。(5点)
(2)接線と2つの座標軸でできる三角形の面積の最小値を求めなさい。(5点)
(3)楕円の内部をx軸の周りに回転させた立体の体積を求めなさい。(7点)
第5問 完全順列の漸化式と固定点(16点)
\(32\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。
(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(4点)
(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(4点)
(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(8点)
第6問 対数の評価と部分積分(16点)
自然対数を用いる。\(1\le x\le32\) において \(f(x)=(\log x)/x\) を考える。
(1)すべての \(x>0\) で \(\log x\le x-1\) を示し、等号条件を述べなさい。(4点)
(2)定義域内での関数の最大値と、それをとる値を求めなさい。(4点)
(3)
を求めなさい。(8点)
解答・解説
第1問 三項間漸化式と互いに素の証明
(1)
。初めの差は \(32\) なので \(a_{n+1}-a_n=32^n\)。初項に差の和を加える。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
一般項を代入して \(1/(32-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
一般項から \(a_{n+1}=32a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-32a_n=1\) を割る。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第2問 円の弦と三角形の面積の最大化
(1)
\(x=16\) を円の式に代入する。\\(y^2=768\\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
直線は \(mx-y-16m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{1024m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{1024-d^2}\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
直線がQを通るので \(0\le d\le32/2\)。面積の2乗は \(d^2(1024-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(1024-s)\) は \(0\le s\le1024/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第3問 定義域のある二次関数とパラメータ
(1)
平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+1024-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-32\le t\le 32\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
判別式より \(t>32\) または \(t<-32\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>32\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(64)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(5120-128t\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第4問 楕円の接線と切片・回転体
(1)
楕円の式を陰関数微分すると \(y'=-x/(4y)\)。Pでの傾きと点を使って接線を整理する。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
切片は \(64/\cos t\)、\(32/\sin t\)。面積は \(1024/(\sin t\cos t)\)。\(\sin t\cos t\le1/2\)、等号は \(t=\pi/4\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
切り口の半径の2乗は \(1024\(1-x^2/4096\)\)。\(-64\le x\le64\) で \\(\pi y^2\\) を積分する。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第5問 完全順列の漸化式と固定点
(1)
1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
初期値から前問の漸化式を順に計算すると
。全割当ては \(32!\) 通り。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/32\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第6問 対数の評価と部分積分
(1)
\(g(x)=x-1-\log x\) とおく。\(g'(x)=(x-1)/x\) より1の前で減少、後で増加。最小値は \(g(1)=0\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
\(f'(x)=(1-\log x)/x^2\)。\(1<e<32\) なので、定義域内でeの前は増加、後は減少。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
部分積分により原始関数は \(-(\log x+1)/x\)。上下端を代入する。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。