慶應義塾大学 医学部 数学記述模試 第013回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 逆数で線形化し差を足す(17点)

\[ a_1=1/18,\ a_{n+1}=a_n/(1+a_n) \]

で数列を定める。

(1)すべての項が正であることを確認し、一般項を求めなさい。(5点)

(2)\(\sum_{j=1}^n a_ja_{j+1}\) を求めなさい。(5点)

(3)\(\prod_{j=1}^n(1+a_j)\) を求めなさい。(7点)


第2問 円の弦と三角形の面積の最大化(17点)

円 \\(x^2+y^2=324\\) の内部の点 \(Q(9,0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。

(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(5点)

(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(5点)

(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(7点)


第3問 三次方程式の実数解の個数(17点)

実数 \(a\) に対し、方程式 \(x^3-972x=a\) を考える。

(1)左辺の関数の極大値と極小値を求めなさい。(5点)

(2)異なる3つの実数解をもつための必要十分条件を求め、理由を説明しなさい。(5点)

(3)異なる実数解がちょうど2つとなる場合のパラメータと、そのときの解をすべて求めなさい。(7点)


第4問 1の累乗根と積・距離の和(17点)

方程式 \(z^18=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{17}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(5点)

(2)\(\sum_{j=0}^{17}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(5点)

(3)\(\prod_{j=1}^{17}(1-z_j)\) を求めなさい。(7点)


第5問 抽出方法と条件付き確率(16点)

袋に赤玉 \(18\) 個、青玉 \(36\) 個が入っている。すべての玉は同様に確からしく選ばれる。

(1)戻さずに2個取り出すとき、両方が赤玉である確率を求めなさい。(4点)

(2)戻さずに2個取り出し、少なくとも1個は赤玉だったと分かった。両方が赤玉である条件付き確率を求めなさい。(4点)

(3)今度は1個目を戻してから2個目を取り出す。同じ条件付き確率を求め、前問の値と比較しなさい。(8点)


第6問 指数関数の最大値と積分の極限(16点)

\(x\ge0\) で \(f(x)=xe^{-18x}\) とする。

(1)増減を調べ、最大値とそれをとる横座標を求めなさい。(4点)

(2)\(a>0\) として \(\int_0^a f(x)\,dx\) を求めなさい。(4点)

(3)前問の定積分で上端を限りなく大きくしたときの極限値を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 逆数で線形化し差を足す

(1)

初項が正で、正の項から次の正の項が作られるので帰納的にすべて正。逆数をとると \(1/a_{n+1}=1/a_n+1\)。

\[ \boxed{a_n=\frac1{n+17}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

漸化式から

\[ a_j-a_{j+1}=a_j^2/(1+a_j)=a_ja_{j+1} \]

。和をとると中間の項が消える。

\[ \boxed{\frac1{18}-\frac1{n+18}=\frac{n}{18(n+18)}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

漸化式を変形すると \(1+a_j=a_j/a_{j+1}\)。積では中間の項が約分される。

\[ \boxed{\frac{n+18}{18}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 円の弦と三角形の面積の最大化

(1)

\(x=9\) を円の式に代入する。\\(y^2=243\\)。

\[ \boxed{(9,\pm 9\sqrt{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

直線は \(mx-y-9m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{324m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{324-d^2}\)。

\[ \boxed{AB=18\sqrt{\frac{4+3m^2}{1+m^2}}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

直線がQを通るので \(0\le d\le18/2\)。面積の2乗は \(d^2(324-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(324-s)\) は \(0\le s\le324/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。

\[ \boxed{\max S=81\sqrt{3},\quad x=9} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 三次方程式の実数解の個数

(1)

\(f'(x)=3(x-18)(x+18)\)。増減は順に増加・減少・増加なので、\(x=-18\) で極大、\(x=18\) で極小となる。

\[ \boxed{\text{極大値 }11664,\quad\text{極小値 }-11664} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

水平線が3つの単調な部分にそれぞれ1回交わる条件は、高さが極小値より大きく極大値より小さいことである。端点では接して重解をもつため除く。

\[ \boxed{-11664<a<11664} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(a=11664\) では \(f(x)-a=(x-36)(x+18)^2\)。\(a=-11664\) では \(f(x)-a=(x+36)(x-18)^2\)。

\[ \boxed{a=11664:x=-18,36;\quad a=-11664:x=-36,18} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(18\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{17}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{18}+i\sin\frac{2\pi j}{18},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{36} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ z^18-1=(z-1)\prod_{j=1}^{17}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{17}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{18} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 抽出方法と条件付き確率

(1)

最初の赤の確率は1/3、2個目は \((18-1)/(54-1)\)。順序を区別しない組合せによる数え方でも一致する。

\[ \boxed{\frac{17}{159}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

少なくとも1個が赤という確率は \(1-\frac{36(36-1)}{54(54-1)}\)。両方が赤という確率をこれで割る。

\[ \boxed{\frac{17}{89}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

復元抽出では各回の赤の確率が1/3で独立。両方赤は1/9、少なくとも1個赤は5/9。比較には \(5(18-1)<90-1\) を用いる。

\[ \boxed{\frac15>\frac{17}{89}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 指数関数の最大値と積分の極限

(1)

\(f'(x)=e^{-18x}(1-18x)\)。指数因子は正なので \(x=1/18\) の前は増加、後は減少。

\[ \boxed{x=\frac1{18},\quad\max f=\frac1{18e}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

部分積分する。原始関数は \(-\frac{18x+1}{324}e^{-18x}\) であり、微分でも確認できる。

\[ \boxed{\frac{1-(18a+1)e^{-18a}}{324}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(e^{-18a}\) と \(ae^{-18a}\) はともに0に収束する。前問の式で残る定数項をとる。

\[ \boxed{\frac{1}{324}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。