慶應義塾大学 経済学部・A方式 数学記述模試 第082回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 反射による経路の数え上げ(25点)

数直線上の点を原点から動かす。毎回、左右それぞれ確率1/2で1だけ進み、独立に \(32\) 回動かす。

(1)最後に原点に戻る移動列の数を求めなさい。(7点)

(2)最後に原点に戻り、途中で一度も負の位置に達しない移動列の数を求めなさい。負の位置に初めて達するまでの移動を反転する方法で説明しなさい。(7点)

(3)最後に原点に戻ったという条件のもとで、一度も負の位置に達していない確率を求めなさい。(11点)


第2問 円の弦と三角形の面積の最大化(25点)

円 \\(x^2+y^2=256\\) の内部の点 \(Q(8,0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。

(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(7点)

(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(7点)

(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(11点)


第3問 絶対値を含む面積の最適化(25点)

\(0\le a\le16\) とする。\(0\le x\le16\) で、曲線 \\(y=x^2\\) と直線 \(y=ax\) の間の面積をS(a)とする。

(1)交点で区間を分け、面積をaの式で表しなさい。(7点)

(2)面積が最小になるaを求め、端点との比較を含めて説明しなさい。(7点)

(3)面積の最小値を求めなさい。(11点)


第4問 三角関数を二次関数に置き換える(25点)

\(0\le\theta\le\pi/2\) で

\[ f(\theta)=\sin\theta+16\cos2\theta \]

とする。

(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(7点)

(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(7点)

(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=16\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(11点)


解答・解説

第1問 反射による経路の数え上げ

(1)

右へ進む回数と左へ進む回数はそれぞれ \(16\) 回。右への移動の位置を選ぶ。

\[ \boxed{601080390} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(2)

悪い移動列について、初めて位置-1に着くまでの左右を反転する。原点から出て最後に位置2に着く移動列と1対1に対応する。この列は右が \(17\) 回、左が \(15\) 回なので \(\binom{32}{15}\) 個。全体から差し引く。

\[ \boxed{35357670} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(3)

条件付きの標本空間は前問(1)の \(\binom{32}{16}\) 個。良い列の個数は全体の \(1/17\)。

\[ \boxed{\frac{1}{17}} \]

採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。

第2問 円の弦と三角形の面積の最大化

(1)

\(x=8\) を円の式に代入する。\\(y^2=192\\)。

\[ \boxed{(8,\pm 8\sqrt{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(2)

直線は \(mx-y-8m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{256m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{256-d^2}\)。

\[ \boxed{AB=16\sqrt{\frac{4+3m^2}{1+m^2}}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(3)

直線がQを通るので \(0\le d\le16/2\)。面積の2乗は \(d^2(256-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(256-s)\) は \(0\le s\le256/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。

\[ \boxed{\max S=64\sqrt{3},\quad x=8} \]

採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。

第3問 絶対値を含む面積の最適化

(1)

差は \(x(a-x)\)。\(0\le x\le a\) では直線が上、\(a\le x\le16\) では曲線が上。

\[ S=\int_0^a(ax-x^2)\,dx+\int_a^{16}(x^2-ax)\,dx \]

。

\[ \boxed{S(a)=\frac{a^3}3-128a+\frac{4096}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(2)

\(S'(a)=a^2-128\)。定義域内で \(a=16/\sqrt2\) の前は減少、後は増加する。よって両端よりも小さい。

\[ \boxed{a=8\sqrt{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(3)

前問の値を面積の式に代入し、根号を整理して分母を有理化する。

\[ \boxed{S_{\min}=\frac{2048}{3}(2-\sqrt2)} \]

採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。

第4問 三角関数を二次関数に置き換える

(1)

\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{f=16+t-32t^2,\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(2)

平方完成より

\[ f=16+\frac1{128}-32(t-\frac1{64})^2 \]

。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=16\)、\(f(1)=-15\)。

\[ \boxed{\max f=\frac{2049}{128}\ (\sin\theta=\frac1{64}),\quad\min f=-15\ (\theta=\pi/2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(3)

\(t-32t^2=0\) の解は0と \(1/32\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。

\[ \boxed{\sin\theta=\frac1{32}} \]

採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。