慶應義塾大学 経済学部・A方式 数学記述模試 第054回
この回のテストポイント
- 第1問:完全順列の漸化式と固定点
- 第2問:円の弦と三角形の面積の最大化
- 第3問:絶対値を含む面積の最適化
- 第4問:定義域のある二次関数とパラメータ
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。
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問題
第1問 完全順列の漸化式と固定点(25点)
\(18\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。
(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(7点)
(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(7点)
(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(11点)
第2問 円の弦と三角形の面積の最大化(25点)
円 \\(x^2+y^2=324\\) の内部の点 \(Q(9,0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。
(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(7点)
(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(7点)
(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(11点)
第3問 絶対値を含む面積の最適化(25点)
\(0\le a\le18\) とする。\(0\le x\le18\) で、曲線 \\(y=x^2\\) と直線 \(y=ax\) の間の面積をS(a)とする。
(1)交点で区間を分け、面積をaの式で表しなさい。(7点)
(2)面積が最小になるaを求め、端点との比較を含めて説明しなさい。(7点)
(3)面積の最小値を求めなさい。(11点)
第4問 定義域のある二次関数とパラメータ(25点)
\(0\le x\le 36\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+324\) とする。\(t\) は実数である。
(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(7点)
(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(7点)
(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(11点)
解答・解説
第1問 完全順列の漸化式と固定点
(1)
1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(2)
初期値から前問の漸化式を順に計算すると \(D_{18}=2355301661033953\)。全割当ては \(18!\) 通り。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(3)
人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/18\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。
採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。
第2問 円の弦と三角形の面積の最大化
(1)
\(x=9\) を円の式に代入する。\\(y^2=243\\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(2)
直線は \(mx-y-9m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{324m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{324-d^2}\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(3)
直線がQを通るので \(0\le d\le18/2\)。面積の2乗は \(d^2(324-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(324-s)\) は \(0\le s\le324/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。
採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。
第3問 絶対値を含む面積の最適化
(1)
差は \(x(a-x)\)。\(0\le x\le a\) では直線が上、\(a\le x\le18\) では曲線が上。
。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(2)
\(S'(a)=a^2-162\)。定義域内で \(a=18/\sqrt2\) の前は減少、後は増加する。よって両端よりも小さい。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(3)
前問の値を面積の式に代入し、根号を整理して分母を有理化する。
採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。
第4問 定義域のある二次関数とパラメータ
(1)
平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+324-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(2)
前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-18\le t\le 18\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(3)
判別式より \(t>18\) または \(t<-18\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>18\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(36)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(1620-72t\)。
採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。