慶應義塾大学 商学部・A方式 数学記述模試 第095回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

前の回 · 全100回の出題内容 · 次の回 · 大学別の一覧


問題

第1問 定義域のある二次関数とパラメータ(25点)

\(0\le x\le 14\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+49\) とする。\(t\) は実数である。

(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(7点)

(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(7点)

(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(11点)


第2問 三項間漸化式と互いに素の証明(25点)

\[ a_1=1,\ a_2=8,\ a_{n+2}=8a_{n+1}-7a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(7点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(7点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(11点)


第3問 完全順列の漸化式と固定点(25点)

\(7\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。

(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(7点)

(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(7点)

(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(11点)


第4問 等周条件と三角形の面積(25点)

周の長さが \(42\) の二等辺三角形を考える。等しい2辺の長さをa、底辺の長さをbとする。

(1)底辺をaで表し、三角形が存在するaの範囲を求めなさい。(7点)

(2)面積が最大になる辺の長さと最大面積を求め、最大になる理由を示しなさい。(7点)

(3)面積が最大になる三角形の内接円の半径を求めなさい。(11点)


解答・解説

第1問 定義域のある二次関数とパラメータ

(1)

平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+49-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。

\[ \boxed{\min f_t=\begin{cases}49&t\le0\\49-t^2&0<t<14\\245-28t&t\ge14\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(2)

前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-7\le t\le 7\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。

\[ \boxed{t\le7} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(3)

判別式より \(t>7\) または \(t<-7\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>7\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(14)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(245-28t\)。

\[ \boxed{7<t\le \frac{35}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。

第2問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=7(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(7\) なので \(a_{n+1}-a_n=7^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{7^n-1}{6}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(2)

一般項を代入して \(1/(7-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{7(7^n-1)-6n}{36}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=7a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-7a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。

第3問 完全順列の漸化式と固定点

(1)

1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。

\[ \boxed{D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(2)

初期値から前問の漸化式を順に計算すると \(D_{7}=1854\)。全割当ては \(7!\) 通り。

\[ \boxed{\frac{103}{280}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(3)

人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/7\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。

第4問 等周条件と三角形の面積

(1)

\(b=42-2a\)。\(b>0\) と三角不等式 \(b<2a\) の両方を満たす必要がある。

\[ \boxed{b=42-2a,\quad \frac{21}{2}<a<21} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(2)

底辺を二等分して高さを求めると \(S^2=21(21-a)^2(2a-21)\)。微分すると \((S^2)'=126(21-a)(14-a)\)。存在範囲で \(a=14\) の前は正、後は負。最大は正三角形のとき。

\[ \boxed{a=b=14,\quad S_{\max}=49\sqrt3} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

(3)

半周長は \(21\)。内心から3辺に垂線を下ろして分割すると \(S=21r\)。

\[ \boxed{r=\frac{7}{3}\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。