慶應義塾大学 商学部・A方式 数学記述模試 第061回
この回のテストポイント
- 第1問:三次方程式の実数解の個数
- 第2問:固定点を引く漸化式と重み付きの和
- 第3問:完全順列の漸化式と固定点
- 第4問:等周条件と三角形の面積
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。
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問題
第1問 三次方程式の実数解の個数(25点)
実数 \(a\) に対し、方程式 \(x^3-588x=a\) を考える。
(1)左辺の関数の極大値と極小値を求めなさい。(7点)
(2)異なる3つの実数解をもつための必要十分条件を求め、理由を説明しなさい。(7点)
(3)異なる実数解がちょうど2つとなる場合のパラメータと、そのときの解をすべて求めなさい。(11点)
第2問 固定点を引く漸化式と重み付きの和(25点)
\(a_1=14,\ a_{n+1}=2a_n+14\) で定まる数列を考える。
(1)適当な定数を加えて等比数列を作り、一般項を求めなさい。(7点)
(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(7点)
(3)\(\sum_{j=1}^n a_j/2^j\) を求めなさい。(11点)
第3問 完全順列の漸化式と固定点(25点)
\(14\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。
(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(7点)
(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(7点)
(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(11点)
第4問 等周条件と三角形の面積(25点)
周の長さが \(84\) の二等辺三角形を考える。等しい2辺の長さをa、底辺の長さをbとする。
(1)底辺をaで表し、三角形が存在するaの範囲を求めなさい。(7点)
(2)面積が最大になる辺の長さと最大面積を求め、最大になる理由を示しなさい。(7点)
(3)面積が最大になる三角形の内接円の半径を求めなさい。(11点)
解答・解説
第1問 三次方程式の実数解の個数
(1)
\(f'(x)=3(x-14)(x+14)\)。増減は順に増加・減少・増加なので、\(x=-14\) で極大、\(x=14\) で極小となる。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(2)
水平線が3つの単調な部分にそれぞれ1回交わる条件は、高さが極小値より大きく極大値より小さいことである。端点では接して重解をもつため除く。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(3)
\(a=5488\) では \(f(x)-a=(x-28)(x+14)^2\)。\(a=-5488\) では \(f(x)-a=(x+28)(x-14)^2\)。
採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。
第2問 固定点を引く漸化式と重み付きの和
(1)
\(a_{n+1}+14=2(a_n+14)\) なので \(a_n+14=28\cdot2^{n-1}\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(2)
一般項を代入し、\(\sum_{j=1}^n2^j=2^{n+1}-2\) を使う。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(3)
\(a_j/2^j=14(1-2^{-j})\)。\(\sum_{j=1}^n2^{-j}=1-2^{-n}\) を差し引く。
採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。
第3問 完全順列の漸化式と固定点
(1)
1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(2)
初期値から前問の漸化式を順に計算すると \(D_{14}=32071101049\)。全割当ては \(14!\) 通り。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(3)
人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/14\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。
採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。
第4問 等周条件と三角形の面積
(1)
\(b=84-2a\)。\(b>0\) と三角不等式 \(b<2a\) の両方を満たす必要がある。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(2)
底辺を二等分して高さを求めると \(S^2=42(42-a)^2(2a-42)\)。微分すると \((S^2)'=252(42-a)(28-a)\)。存在範囲で \(a=28\) の前は正、後は負。最大は正三角形のとき。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
(3)
半周長は \(42\)。内心から3辺に垂線を下ろして分割すると \(S=42r\)。
採点の目安:考え方と立式に5点、結論と条件の確認に6点。