順天堂大学 医学部・数学IIIを含む 数学記述模試 第098回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。標準計算と、条件整理・図形の立式・記述の応用を組み合わせます。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 抽出方法と条件付き確率(17点)

袋に赤玉 \(11\) 個、青玉 \(22\) 個が入っている。すべての玉は同様に確からしく選ばれる。

(1)戻さずに2個取り出すとき、両方が赤玉である確率を求めなさい。(5点)

(2)戻さずに2個取り出し、少なくとも1個は赤玉だったと分かった。両方が赤玉である条件付き確率を求めなさい。(5点)

(3)今度は1個目を戻してから2個目を取り出す。同じ条件付き確率を求め、前問の値と比較しなさい。(7点)


第2問 三角関数を二次関数に置き換える(17点)

\(0\le\theta\le\pi/2\) で

\[ f(\theta)=\sin\theta+11\cos2\theta \]

とする。

(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(5点)

(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(5点)

(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=11\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(7点)


第3問 三項間漸化式と互いに素の証明(17点)

\[ a_1=1,\ a_2=12,\ a_{n+2}=12a_{n+1}-11a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(5点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(7点)


第4問 余弦定理・面積・正弦定理(17点)

三角形ABCでAB=11、AC=22、角A=60°とする。

(1)BCを求めなさい。(5点)

(2)三角形の面積を求めなさい。(5点)

(3)外接円の半径を求めなさい。(7点)


第5問 複素数の回転と正三角形(16点)

複素数平面で \(A=11,B=11i\) とする。ABを1辺とする正三角形の第3頂点をCとする。

(1)2つの可能な第3頂点を複素数で求めなさい。(4点)

(2)正三角形の面積を求めなさい。(4点)

(3)それぞれの外心の複素数と、共通の外接円の半径を求めなさい。(8点)


第6問 三角関数の積分漸化式(16点)

\[ I_n=\int_0^{\pi/2}\sin^n x\,dx \]

とする。\(n\) は0以上の整数である。

(1)部分積分により、次数を2つ下げる漸化式を導きなさい。(4点)

(2)\(I_{22}\) を求めなさい。(4点)

(3)\(I_{23}\) を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 抽出方法と条件付き確率

(1)

最初の赤の確率は1/3、2個目は \((11-1)/(33-1)\)。順序を区別しない組合せによる数え方でも一致する。

\[ \boxed{\frac{5}{48}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

少なくとも1個が赤という確率は \(1-\frac{22(22-1)}{33(33-1)}\)。両方が赤という確率をこれで割る。

\[ \boxed{\frac{5}{27}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

復元抽出では各回の赤の確率が1/3で独立。両方赤は1/9、少なくとも1個赤は5/9。比較には \(5(11-1)<55-1\) を用いる。

\[ \boxed{\frac15>\frac{5}{27}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 三角関数を二次関数に置き換える

(1)

\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{f=11+t-22t^2,\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

平方完成より

\[ f=11+\frac1{88}-22(t-\frac1{44})^2 \]

。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=11\)、\(f(1)=-10\)。

\[ \boxed{\max f=\frac{969}{88}\ (\sin\theta=\frac1{44}),\quad\min f=-10\ (\theta=\pi/2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(t-22t^2=0\) の解は0と \(1/22\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。

\[ \boxed{\sin\theta=\frac1{22}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=11(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(11\) なので \(a_{n+1}-a_n=11^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{11^n-1}{10}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(11-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{11(11^n-1)-10n}{100}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=11a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-11a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 余弦定理・面積・正弦定理

(1)

余弦定理で \(BC^2=121+484-484\cos60^\circ\)。

\[ \boxed{11\sqrt3} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

2辺とその間の角から、辺の積と正弦の半分で面積を計算する。

\[ \boxed{\frac{121}{2}\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

正弦定理で、BCを角Aの正弦の2倍で割る。

\[ \boxed{11} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 複素数の回転と正三角形

(1)

\[ C-A=(B-A)(\cos(\pi/3)\pm i\sin(\pi/3)) \]

。整理すると \(C=(A+B)/2\pm i\sqrt3(B-A)/2\)。両符号が2つの側を表す。

\[ \boxed{C=\frac{11}{2}(1\pm\sqrt3)(1+i)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(|B-A|=11\sqrt2\)。正三角形の面積は辺の2乗の \(\sqrt3/4\) 倍。

\[ \boxed{S=\frac{121}{2}\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

正三角形の外心は重心とも一致するので \((A+B+C)/3\)。半径は辺の長さを \(\sqrt3\) で割る。

\[ \boxed{O_\pm=\frac{11}{6}(3\pm\sqrt3)(1+i),\quad R=\frac{11}{3}\sqrt{6}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 三角関数の積分漸化式

(1)

\(n\ge2\) とする。\(\sin^{n-1}x\) と \(\sin x\) に分けて部分積分すると、境界項は0で

\[ I_n=(n-1)\int\sin^{n-2}x\cos^2x\,dx=(n-1)(I_{n-2}-I_n) \]

。

\[ \boxed{I_n=\frac{n-1}nI_{n-2}\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(I_0=\pi/2\) から漸化式を \(11\) 回使う。偶数の積と奇数の積を整理すると

\[ I_{2m}=\binom{2m}{m}\pi/(2\cdot4^m) \]

。

\[ \boxed{\frac{88179}{1048576}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(I_1=1\) から漸化式を \(11\) 回使う。\(I_{2m+1}=4^m(m!)^2/(2m+1)!\)。

\[ \boxed{\frac{524288}{2028117}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。