順天堂大学 医学部・数学IIIを含む 数学記述模試 第035回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。標準計算と、条件整理・図形の立式・記述の応用を組み合わせます。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 停止する試行と期待値の連立(17点)

表の確率が \(1/23\)、裏の確率が \(22/23\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。

(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(5点)

(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(5点)

(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(7点)


第2問 定義域のある二次関数とパラメータ(17点)

\(0\le x\le 46\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+529\) とする。\(t\) は実数である。

(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(5点)

(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(5点)

(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(7点)


第3問 等比数列と奇数番目の項の和(17点)

初項23、公比2の等比数列をaₙとする。

(1)一般項を求めなさい。(5点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)

(3)最初のn個の奇数番目の項の和を求めなさい。(7点)


第4問 等周条件と三角形の面積(17点)

周の長さが \(138\) の二等辺三角形を考える。等しい2辺の長さをa、底辺の長さをbとする。

(1)底辺をaで表し、三角形が存在するaの範囲を求めなさい。(5点)

(2)面積が最大になる辺の長さと最大面積を求め、最大になる理由を示しなさい。(5点)

(3)面積が最大になる三角形の内接円の半径を求めなさい。(7点)


第5問 複素数の距離条件と逆数の軌跡(16点)

複素数zが \(|z-23|=2|z+23|\) を満たす。

(1)実部と虚部を使って軌跡の方程式を求め、中心と半径を示しなさい。(4点)

(2)絶対値の最大値と最小値、およびそれらをとる複素数を求めなさい。(4点)

(3)逆数w=1/zの軌跡も求めなさい。逆数が定義できる理由を述べなさい。(8点)


第6問 対数の評価と部分積分(16点)

自然対数を用いる。\(1\le x\le23\) において \(f(x)=(\log x)/x\) を考える。

(1)すべての \(x>0\) で \(\log x\le x-1\) を示し、等号条件を述べなさい。(4点)

(2)定義域内での関数の最大値と、それをとる値を求めなさい。(4点)

(3)

\[ \int_1^{23}\frac{\log x}{x^2}\,dx \]

を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 停止する試行と期待値の連立

(1)

2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。

\[ \boxed{P(T=2)=\frac{1}{529},\quad P(T=3)=\frac{22}{12167}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(p=1/23,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。

\[ \boxed{552} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

1回の表までの平均は \(23\) 回なので合計2回の表までの平均は \(46\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。

\[ \boxed{E_{\text{合計2回}}=46,\quad\text{差}=506} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 定義域のある二次関数とパラメータ

(1)

平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+529-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。

\[ \boxed{\min f_t=\begin{cases}529&t\le0\\529-t^2&0<t<46\\2645-92t&t\ge46\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-23\le t\le 23\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。

\[ \boxed{t\le23} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

判別式より \(t>23\) または \(t<-23\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>23\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(46)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(2645-92t\)。

\[ \boxed{23<t\le \frac{115}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 等比数列と奇数番目の項の和

(1)

初項に公比のn−1乗を掛ける。

\[ \boxed{a_n=23\cdot2^{n-1}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

和に公比を掛けて元の和を引くと、中間の項が消える。

\[ \boxed{S_n=23(2^n-1)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

奇数番目の項の列は初項が同じで公比4の等比数列となる。

\[ \boxed{T_n=\frac{23}{3}(4^n-1)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 等周条件と三角形の面積

(1)

\(b=138-2a\)。\(b>0\) と三角不等式 \(b<2a\) の両方を満たす必要がある。

\[ \boxed{b=138-2a,\quad \frac{69}{2}<a<69} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

底辺を二等分して高さを求めると \(S^2=69(69-a)^2(2a-69)\)。微分すると \((S^2)'=414(69-a)(46-a)\)。存在範囲で \(a=46\) の前は正、後は負。最大は正三角形のとき。

\[ \boxed{a=b=46,\quad S_{\max}=529\sqrt3} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

半周長は \(69\)。内心から3辺に垂線を下ろして分割すると \(S=69r\)。

\[ \boxed{r=\frac{23}{3}\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 複素数の距離条件と逆数の軌跡

(1)

\(z=x+iy\) として2乗すると \((x-23)^2+y^2=4((x+23)^2+y^2)\)。平方完成して円の式に直す。

\[ \boxed{(x+\frac{115}{3})^2+y^2=\frac{8464}{9}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

原点から中心までの距離は \(115/3\)、半径は \(92/3\)。円は原点を含まない。原点と中心を結ぶ直線上の2点で距離の極値をとる。

\[ \boxed{\max|z|=69\ (z=-69),\quad\min|z|=\frac{23}{3}\ (z=-\frac{23}{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

前問の最小値が正なので逆数をとれる。条件を \(|1-23w|=2|1+23w|\) に直し、同様に平方完成する。

\[ \boxed{(\operatorname{Re}w+\frac{5}{69})^2+(\operatorname{Im}w)^2=\frac{16}{4761}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 対数の評価と部分積分

(1)

\(g(x)=x-1-\log x\) とおく。\(g'(x)=(x-1)/x\) より1の前で減少、後で増加。最小値は \(g(1)=0\)。

\[ \boxed{\log x\le x-1,\quad\text{等号は }x=1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(f'(x)=(1-\log x)/x^2\)。\(1<e<23\) なので、定義域内でeの前は増加、後は減少。

\[ \boxed{\max f=\frac1e,\quad x=e} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

部分積分により原始関数は \(-(\log x+1)/x\)。上下端を代入する。

\[ \boxed{1-\frac{\log23+1}{23}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。