東京慈恵会医科大学 医学部・数学IIIを含む 数学記述模試 第089回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

前の回 · 全100回の出題内容 · 次の回 · 大学別の一覧


問題

第1問 楕円の接線と切片・回転体(17点)

楕円

\[ \frac{x^2}{484}+\frac{y^2}{121}=1 \]

の第1象限の点 \(P(22\cos t,11\sin t)\)、\(0<t<\pi/2\) を考える。

(1)この点での接線の方程式を求めなさい。(5点)

(2)接線と2つの座標軸でできる三角形の面積の最小値を求めなさい。(5点)

(3)楕円の内部をx軸の周りに回転させた立体の体積を求めなさい。(7点)


第2問 円の弦と三角形の面積の最大化(17点)

円 \\(x^2+y^2=121\\) の内部の点 \(Q(\frac{11}{2},0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。

(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(5点)

(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(5点)

(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(7点)


第3問 重解を使う三次曲線の面積(17点)

曲線 \(y=f(x)=x^3-363x\) の \(x=11\) における接線をlとする。

(1)接線と曲線のすべての交点を求めなさい。重解の意味も説明しなさい。(5点)

(2)曲線と接線で囲まれた有限部分の面積を求めなさい。(5点)

(3)その部分のうち、横座標が非負である部分の面積が全体に占める割合を求めなさい。(7点)


第4問 対数方程式の存在条件(17点)

\(\log_2 x+\log_2(11-x)=a\) を考える。\(a\) は実数である。

(1)真数条件を示し、実数解が存在するための必要十分条件を求めなさい。(5点)

(2)実数解の個数を場合分けして求めなさい。(5点)

(3)\(a=\log_2 \frac{363}{16}\) のとき、すべての解を求めなさい。(7点)


第5問 抽出方法と条件付き確率(16点)

袋に赤玉 \(11\) 個、青玉 \(22\) 個が入っている。すべての玉は同様に確からしく選ばれる。

(1)戻さずに2個取り出すとき、両方が赤玉である確率を求めなさい。(4点)

(2)戻さずに2個取り出し、少なくとも1個は赤玉だったと分かった。両方が赤玉である条件付き確率を求めなさい。(4点)

(3)今度は1個目を戻してから2個目を取り出す。同じ条件付き確率を求め、前問の値と比較しなさい。(8点)


第6問 回転軸を変える体積計算(16点)

\(0\le x\le11\) で曲線 \(y=x(11-x)\) とx軸で囲まれる領域をDとする。

(1)Dの面積を求めなさい。(4点)

(2)Dをx軸の周りに1回転してできる立体の体積を求めなさい。(4点)

(3)Dをy軸の周りに1回転してできる立体の体積を、yに垂直な切り口の面積を用いて求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 楕円の接線と切片・回転体

(1)

楕円の式を陰関数微分すると \(y'=-x/(4y)\)。Pでの傾きと点を使って接線を整理する。

\[ \boxed{\frac{x\cos t}{22}+\frac{y\sin t}{11}=1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

切片は \(22/\cos t\)、\(11/\sin t\)。面積は \(121/(\sin t\cos t)\)。\(\sin t\cos t\le1/2\)、等号は \(t=\pi/4\)。

\[ \boxed{S_{\min}=242,\quad t=\pi/4} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

切り口の半径の2乗は \(121\(1-x^2/484\)\)。\(-22\le x\le22\) で \\(\pi y^2\\) を積分する。

\[ \boxed{\frac{10648}{3}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 円の弦と三角形の面積の最大化

(1)

\(x=\frac{11}{2}\) を円の式に代入する。\\(y^2=\frac{363}{4}\\)。

\[ \boxed{(\frac{11}{2},\pm \frac{11}{2}\sqrt{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

直線は \(mx-y-\frac{11}{2}m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{121m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{121-d^2}\)。

\[ \boxed{AB=11\sqrt{\frac{4+3m^2}{1+m^2}}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

直線がQを通るので \(0\le d\le11/2\)。面積の2乗は \(d^2(121-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(121-s)\) は \(0\le s\le121/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。

\[ \boxed{\max S=\frac{121}{4}\sqrt{3},\quad x=\frac{11}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 重解を使う三次曲線の面積

(1)

\(f'(11)=0\) なので \(l:y=-2662\)。差は \((x-11)^2(x+22)\)。接点の横座標は2重の根となる。

\[ \boxed{(-22,-2662),\quad(11,-2662)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

区間 \([-22,11]\) では差は非負。

\[ S=\int_{-22}^{11}(x^3-363x+2662)\,dx \]

。原始関数は \\(x^4/4-\frac{363}{2}x^2+2662x\\)。

\[ \boxed{\frac{395307}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

非負の横座標の部分は

\[ \int_0^{11}(f(x)+2662)\,dx=\frac{43923}{4} \]

。全体の面積で割る。

\[ \boxed{\frac19} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 対数方程式の存在条件

(1)

真数条件は \(0<x<11\)。\(x(11-x)=121/4-(x-11/2)^2\) なので、この積の値域は \((0,121/4]\)。対数の底が1より大きいことを使う。

\[ \boxed{0<x<11,\quad a\le\log_2 \frac{121}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

積が最大値より小さい正の値なら頂点の左右に1解ずつ、最大値なら頂点に1解、それを超えれば解はない。対数の真数条件も満たす。

\[ \boxed{a<\log_2 \frac{121}{4}:2\text{個};\quad a=\log_2 \frac{121}{4}:1\text{個};\quad a>\log_2 \frac{121}{4}:0\text{個}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(x(11-x)=\frac{363}{16}\) を解く。2つの解の和は \(11\)、積は右辺。得られた解が真数条件に入ることを確認する。

\[ \boxed{x=\frac{11}{4},\ \frac{33}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 抽出方法と条件付き確率

(1)

最初の赤の確率は1/3、2個目は \((11-1)/(33-1)\)。順序を区別しない組合せによる数え方でも一致する。

\[ \boxed{\frac{5}{48}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

少なくとも1個が赤という確率は \(1-\frac{22(22-1)}{33(33-1)}\)。両方が赤という確率をこれで割る。

\[ \boxed{\frac{5}{27}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

復元抽出では各回の赤の確率が1/3で独立。両方赤は1/9、少なくとも1個赤は5/9。比較には \(5(11-1)<55-1\) を用いる。

\[ \boxed{\frac15>\frac{5}{27}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 回転軸を変える体積計算

(1)

非負の関数の下の面積なので \(S=\int_0^{11}x(11-x)\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{1331}{6}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

切り口は半径 \(x(11-x)\) の円。

\[ V_x=\pi\int_0^{11}x^2(11-x)^2\,dx \]

。展開して項別に積分する。

\[ \boxed{\frac{161051}{30}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(0\le y\le121/4\)。左右の境界は \(x_\pm=(11\pm\sqrt{121-4y})/2\)。切り口は環で、面積は

\[ \pi(x_+^2-x_-^2)=11\pi\sqrt{121-4y} \]

。これをyについて積分する。

\[ \boxed{\frac{14641}{6}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。