東京慈恵会医科大学 医学部・数学IIIを含む 数学記述模試 第055回
この回のテストポイント
- 第1問:双曲線の接線と不変な面積
- 第2問:放物線の接線と囲まれた面積
- 第3問:固定点を引く漸化式と重み付きの和
- 第4問:剰余定理と三次式の因数分解
- 第5問:完全順列の漸化式と固定点
- 第6問:三角関数の積分漸化式
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。
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問題
第1問 双曲線の接線と不変な面積(17点)
第1象限の双曲線 \\(xy=900\\) 上の点 \(P(t,900/t)\)、\(t>0\) を考える。
(1)接線の方程式と2つの軸との交点を求めなさい。(5点)
(2)接線と2つの座標軸でできる三角形の面積を求め、接点によらないことを説明しなさい。(5点)
(3)2つの正の切片の和の最小値と、そのときの接点を求めなさい。(7点)
第2問 放物線の接線と囲まれた面積(17点)
放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-900)\) を考える。
(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(5点)
(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(5点)
(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(7点)
第3問 固定点を引く漸化式と重み付きの和(17点)
\(a_1=30,\ a_{n+1}=2a_n+30\) で定まる数列を考える。
(1)適当な定数を加えて等比数列を作り、一般項を求めなさい。(5点)
(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)
(3)\(\sum_{j=1}^n a_j/2^j\) を求めなさい。(7点)
第4問 剰余定理と三次式の因数分解(17点)
\(P(x)=x^3+ax+b\) とし、\(P(30)=0\)、\(P(-30)=54000\) とする。
(1)a,bを求めなさい。(5点)
(2)P(x)=0の解をすべて求めなさい。(5点)
(3)P(x)を \(x-60\) で割った余りを求めなさい。(7点)
第5問 完全順列の漸化式と固定点(16点)
\(30\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。
(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(4点)
(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(4点)
(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(8点)
第6問 三角関数の積分漸化式(16点)
とする。\(n\) は0以上の整数である。
(1)部分積分により、次数を2つ下げる漸化式を導きなさい。(4点)
(2)\(I_{60}\) を求めなさい。(4点)
(3)\(I_{61}\) を求めなさい。(8点)
解答・解説
第1問 双曲線の接線と不変な面積
(1)
\(y=900/x\) を微分して傾きを求める。接線は \(y-900/t=-900(x-t)/t^2\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
切片は \(2t\) と \(1800/t\)。その積が \(3600\) で一定なので、面積も一定となる。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
相加相乗平均より \(2t+1800/t\ge120\)。等号は \(t=30\) のとき。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第2問 放物線の接線と囲まれた面積
(1)
接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=900\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
接点は \((\pm30,900)\)。底辺の長さは \(60\)、Pから底辺までの高さは \(1800\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-30)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{30}(x-30)^2\,dx\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第3問 固定点を引く漸化式と重み付きの和
(1)
\(a_{n+1}+30=2(a_n+30)\) なので \(a_n+30=60\cdot2^{n-1}\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
一般項を代入し、\(\sum_{j=1}^n2^j=2^{n+1}-2\) を使う。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
\(a_j/2^j=30(1-2^{-j})\)。\(\sum_{j=1}^n2^{-j}=1-2^{-n}\) を差し引く。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第4問 剰余定理と三次式の因数分解
(1)
2つの条件を代入してa,bの連立一次方程式を解く。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
\(P(x)=(x-30)\(x^2+30x-900\)\)。残った二次方程式に解の公式を使う。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
一次式で割った余りは、その一次式の零点での多項式の値に等しい。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第5問 完全順列の漸化式と固定点
(1)
1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
初期値から前問の漸化式を順に計算すると
。全割当ては \(30!\) 通り。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/30\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第6問 三角関数の積分漸化式
(1)
\(n\ge2\) とする。\(\sin^{n-1}x\) と \(\sin x\) に分けて部分積分すると、境界項は0で
。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
\(I_0=\pi/2\) から漸化式を \(30\) 回使う。偶数の積と奇数の積を整理すると
。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
\(I_1=1\) から漸化式を \(30\) 回使う。\(I_{2m+1}=4^m(m!)^2/(2m+1)!\)。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。