東京慈恵会医科大学 医学部・数学IIIを含む 数学記述模試 第048回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 1の累乗根と積・距離の和(17点)

方程式 \(z^6=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{5}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(5点)

(2)\(\sum_{j=0}^{5}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(5点)

(3)\(\prod_{j=1}^{5}(1-z_j)\) を求めなさい。(7点)


第2問 空間の垂線と四面体(17点)

空間で

\[ O(0,0,0),A(6,0,0),B(0,12,0),C(0,0,18) \]

を考える。

(1)平面ABC上の点の座標が満たす方程式を求めなさい。(5点)

(2)Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hと距離OHを求めなさい。(5点)

(3)四面体OABCの体積を2通りに表し、三角形ABCの面積を求めなさい。(7点)


第3問 三項間漸化式と互いに素の証明(17点)

\[ a_1=1,\ a_2=7,\ a_{n+2}=7a_{n+1}-6a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(5点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(7点)


第4問 剰余定理と三次式の因数分解(17点)

\(P(x)=x^3+ax+b\) とし、\(P(6)=0\)、\(P(-6)=432\) とする。

(1)a,bを求めなさい。(5点)

(2)P(x)=0の解をすべて求めなさい。(5点)

(3)P(x)を \(x-12\) で割った余りを求めなさい。(7点)


第5問 抽出方法と条件付き確率(16点)

袋に赤玉 \(6\) 個、青玉 \(12\) 個が入っている。すべての玉は同様に確からしく選ばれる。

(1)戻さずに2個取り出すとき、両方が赤玉である確率を求めなさい。(4点)

(2)戻さずに2個取り出し、少なくとも1個は赤玉だったと分かった。両方が赤玉である条件付き確率を求めなさい。(4点)

(3)今度は1個目を戻してから2個目を取り出す。同じ条件付き確率を求め、前問の値と比較しなさい。(8点)


第6問 区分求積と和の極限(16点)

正の整数nについて、

\[ A_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\sqrt{6+\frac jn} \]

、\(B_n=\sum_{j=1}^n\frac1{6n+j}\) とする。

(1)両方の和を、幅1/nの分割に対応する区分求積の形で説明しなさい。(4点)

(2)Aの数列の極限を求めなさい。(4点)

(3)Bの数列の極限を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(6\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{5}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{6}+i\sin\frac{2\pi j}{6},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{12} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ z^6-1=(z-1)\prod_{j=1}^{5}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{5}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{6} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 空間の垂線と四面体

(1)

平面の方程式を \(ux+vy+wz=c\) とおき、3点を代入する。係数は共通倍してよい。

\[ \boxed{6x+3y+2z=36} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

法線ベクトルは \((6,3,2)\) なので \(H=s(6,3,2)\)。平面の式への代入で \(49s=36\)。距離は \(7s\)。

\[ \boxed{H=(\frac{216}{49},\frac{108}{49},\frac{72}{49}),\quad OH=\frac{36}{7}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

底面OABの面積は \(36\)、Cからこの底面までの高さは \(18\) なので体積は \(216\)。一方、ABCを底面とすると \(V=S_{ABC}\cdot OH/3\)。

\[ \boxed{126} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=6(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(6\) なので \(a_{n+1}-a_n=6^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{6^n-1}{5}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(6-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{6(6^n-1)-5n}{25}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=6a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-6a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 剰余定理と三次式の因数分解

(1)

2つの条件を代入してa,bの連立一次方程式を解く。

\[ \boxed{a=-72,\quad b=216} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(P(x)=(x-6)\(x^2+6x-36\)\)。残った二次方程式に解の公式を使う。

\[ \boxed{x=6,3(-1\pm\sqrt5)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一次式で割った余りは、その一次式の零点での多項式の値に等しい。

\[ \boxed{1080} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 抽出方法と条件付き確率

(1)

最初の赤の確率は1/3、2個目は \((6-1)/(18-1)\)。順序を区別しない組合せによる数え方でも一致する。

\[ \boxed{\frac{5}{51}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

少なくとも1個が赤という確率は \(1-\frac{12(12-1)}{18(18-1)}\)。両方が赤という確率をこれで割る。

\[ \boxed{\frac{5}{29}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

復元抽出では各回の赤の確率が1/3で独立。両方赤は1/9、少なくとも1個赤は5/9。比較には \(5(6-1)<30-1\) を用いる。

\[ \boxed{\frac15>\frac{5}{29}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 区分求積と和の極限

(1)

\(A_n\) は \(f(x)=\sqrt{6+x}\)、

\[ B_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\frac1{6+j/n} \]

は \(g(x)=1/(6+x)\) の右端の値を用いた和。両方とも区間[0,1]で連続なので定積分に収束する。

\[ \boxed{A_n\to\int_0^1f(x)\,dx,\quad B_n\to\int_0^1g(x)\,dx} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\[ \lim A_n=\int_0^1\sqrt{6+x}\,dx=[\frac23(6+x)^{3/2}]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\frac23(7\sqrt{7}-6\sqrt{6})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\[ \lim B_n=\int_0^1\frac1{6+x}\,dx=[\log(6+x)]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\log\frac{7}{6}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。