自治医科大学 医学部・数学IIIを含む 数学記述模試 第021回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。標準計算と、条件整理・図形の立式・記述の応用を組み合わせます。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 逆数で線形化し差を足す(17点)

\[ a_1=1/9,\ a_{n+1}=a_n/(1+a_n) \]

で数列を定める。

(1)すべての項が正であることを確認し、一般項を求めなさい。(5点)

(2)\(\sum_{j=1}^n a_ja_{j+1}\) を求めなさい。(5点)

(3)\(\prod_{j=1}^n(1+a_j)\) を求めなさい。(7点)


第2問 区分求積と和の極限(17点)

正の整数nについて、

\[ A_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\sqrt{9+\frac jn} \]

、\(B_n=\sum_{j=1}^n\frac1{9n+j}\) とする。

(1)両方の和を、幅1/nの分割に対応する区分求積の形で説明しなさい。(5点)

(2)Aの数列の極限を求めなさい。(5点)

(3)Bの数列の極限を求めなさい。(7点)


第3問 三次方程式の実数解の個数(17点)

実数 \(a\) に対し、方程式 \(x^3-243x=a\) を考える。

(1)左辺の関数の極大値と極小値を求めなさい。(5点)

(2)異なる3つの実数解をもつための必要十分条件を求め、理由を説明しなさい。(5点)

(3)異なる実数解がちょうど2つとなる場合のパラメータと、そのときの解をすべて求めなさい。(7点)


第4問 空間の垂線と四面体(17点)

空間で

\[ O(0,0,0),A(9,0,0),B(0,18,0),C(0,0,27) \]

を考える。

(1)平面ABC上の点の座標が満たす方程式を求めなさい。(5点)

(2)Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hと距離OHを求めなさい。(5点)

(3)四面体OABCの体積を2通りに表し、三角形ABCの面積を求めなさい。(7点)


第5問 1の累乗根と積・距離の和(16点)

方程式 \(z^9=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{8}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(4点)

(2)\(\sum_{j=0}^{8}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(4点)

(3)\(\prod_{j=1}^{8}(1-z_j)\) を求めなさい。(8点)


第6問 委員選出と余事象の数え上げ(16点)

男子9人、女子9人から、区別のない委員3人を選ぶ。

(1)すべての選び方の数を求めなさい。(4点)

(2)女子2人、男子1人の選び方の数を求めなさい。(4点)

(3)男女がともに含まれる選び方の数を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 逆数で線形化し差を足す

(1)

初項が正で、正の項から次の正の項が作られるので帰納的にすべて正。逆数をとると \(1/a_{n+1}=1/a_n+1\)。

\[ \boxed{a_n=\frac1{n+8}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

漸化式から

\[ a_j-a_{j+1}=a_j^2/(1+a_j)=a_ja_{j+1} \]

。和をとると中間の項が消える。

\[ \boxed{\frac1{9}-\frac1{n+9}=\frac{n}{9(n+9)}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

漸化式を変形すると \(1+a_j=a_j/a_{j+1}\)。積では中間の項が約分される。

\[ \boxed{\frac{n+9}{9}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 区分求積と和の極限

(1)

\(A_n\) は \(f(x)=\sqrt{9+x}\)、

\[ B_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\frac1{9+j/n} \]

は \(g(x)=1/(9+x)\) の右端の値を用いた和。両方とも区間[0,1]で連続なので定積分に収束する。

\[ \boxed{A_n\to\int_0^1f(x)\,dx,\quad B_n\to\int_0^1g(x)\,dx} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\[ \lim A_n=\int_0^1\sqrt{9+x}\,dx=[\frac23(9+x)^{3/2}]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\frac23(10\sqrt{10}-27)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ \lim B_n=\int_0^1\frac1{9+x}\,dx=[\log(9+x)]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\log\frac{10}{9}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 三次方程式の実数解の個数

(1)

\(f'(x)=3(x-9)(x+9)\)。増減は順に増加・減少・増加なので、\(x=-9\) で極大、\(x=9\) で極小となる。

\[ \boxed{\text{極大値 }1458,\quad\text{極小値 }-1458} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

水平線が3つの単調な部分にそれぞれ1回交わる条件は、高さが極小値より大きく極大値より小さいことである。端点では接して重解をもつため除く。

\[ \boxed{-1458<a<1458} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(a=1458\) では \(f(x)-a=(x-18)(x+9)^2\)。\(a=-1458\) では \(f(x)-a=(x+18)(x-9)^2\)。

\[ \boxed{a=1458:x=-9,18;\quad a=-1458:x=-18,9} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 空間の垂線と四面体

(1)

平面の方程式を \(ux+vy+wz=c\) とおき、3点を代入する。係数は共通倍してよい。

\[ \boxed{6x+3y+2z=54} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

法線ベクトルは \((6,3,2)\) なので \(H=s(6,3,2)\)。平面の式への代入で \(49s=54\)。距離は \(7s\)。

\[ \boxed{H=(\frac{324}{49},\frac{162}{49},\frac{108}{49}),\quad OH=\frac{54}{7}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

底面OABの面積は \(81\)、Cからこの底面までの高さは \(27\) なので体積は \(729\)。一方、ABCを底面とすると \(V=S_{ABC}\cdot OH/3\)。

\[ \boxed{\frac{567}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(9\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{8}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{9}+i\sin\frac{2\pi j}{9},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{18} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\[ z^9-1=(z-1)\prod_{j=1}^{8}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{8}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{9} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 委員選出と余事象の数え上げ

(1)

全員から3人を選ぶ組合せを用いる。

\[ \boxed{816} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

女子から2人を選び、男子から1人を選ぶ。選択を組み合わせるので積をとる。

\[ \boxed{324} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

全員が男子、全員が女子の2つの余事象は重ならない。全体から両方を引く。

\[ \boxed{648} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。