東京科学大学 理工学系・前期 数学記述模試 第092回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 三項間漸化式と互いに素の証明(17点)

\[ a_1=1,\ a_2=24,\ a_{n+2}=24a_{n+1}-23a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(5点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(7点)


第2問 三次方程式の実数解の個数(17点)

実数 \(a\) に対し、方程式 \(x^3-1587x=a\) を考える。

(1)左辺の関数の極大値と極小値を求めなさい。(5点)

(2)異なる3つの実数解をもつための必要十分条件を求め、理由を説明しなさい。(5点)

(3)異なる実数解がちょうど2つとなる場合のパラメータと、そのときの解をすべて求めなさい。(7点)


第3問 反射による経路の数え上げ(17点)

数直線上の点を原点から動かす。毎回、左右それぞれ確率1/2で1だけ進み、独立に \(46\) 回動かす。

(1)最後に原点に戻る移動列の数を求めなさい。(5点)

(2)最後に原点に戻り、途中で一度も負の位置に達しない移動列の数を求めなさい。負の位置に初めて達するまでの移動を反転する方法で説明しなさい。(5点)

(3)最後に原点に戻ったという条件のもとで、一度も負の位置に達していない確率を求めなさい。(7点)


第4問 放物線の接線と囲まれた面積(17点)

放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-529)\) を考える。

(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(5点)

(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(5点)

(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(7点)


第5問 1の累乗根と積・距離の和(16点)

方程式 \(z^23=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{22}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(4点)

(2)\(\sum_{j=0}^{22}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(4点)

(3)\(\prod_{j=1}^{22}(1-z_j)\) を求めなさい。(8点)


第6問 回転軸を変える体積計算(16点)

\(0\le x\le23\) で曲線 \(y=x(23-x)\) とx軸で囲まれる領域をDとする。

(1)Dの面積を求めなさい。(4点)

(2)Dをx軸の周りに1回転してできる立体の体積を求めなさい。(4点)

(3)Dをy軸の周りに1回転してできる立体の体積を、yに垂直な切り口の面積を用いて求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=23(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(23\) なので \(a_{n+1}-a_n=23^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{23^n-1}{22}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(23-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{23(23^n-1)-22n}{484}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=23a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-23a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 三次方程式の実数解の個数

(1)

\(f'(x)=3(x-23)(x+23)\)。増減は順に増加・減少・増加なので、\(x=-23\) で極大、\(x=23\) で極小となる。

\[ \boxed{\text{極大値 }24334,\quad\text{極小値 }-24334} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

水平線が3つの単調な部分にそれぞれ1回交わる条件は、高さが極小値より大きく極大値より小さいことである。端点では接して重解をもつため除く。

\[ \boxed{-24334<a<24334} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(a=24334\) では \(f(x)-a=(x-46)(x+23)^2\)。\(a=-24334\) では \(f(x)-a=(x+46)(x-23)^2\)。

\[ \boxed{a=24334:x=-23,46;\quad a=-24334:x=-46,23} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 反射による経路の数え上げ

(1)

右へ進む回数と左へ進む回数はそれぞれ \(23\) 回。右への移動の位置を選ぶ。

\[ \boxed{8233430727600} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

悪い移動列について、初めて位置-1に着くまでの左右を反転する。原点から出て最後に位置2に着く移動列と1対1に対応する。この列は右が \(24\) 回、左が \(22\) 回なので \(\binom{46}{22}\) 個。全体から差し引く。

\[ \boxed{343059613650} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

条件付きの標本空間は前問(1)の \(\binom{46}{23}\) 個。良い列の個数は全体の \(1/24\)。

\[ \boxed{\frac{1}{24}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 放物線の接線と囲まれた面積

(1)

接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=529\)。

\[ \boxed{y=46x-529,\quad y=-46x-529} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

接点は \((\pm23,529)\)。底辺の長さは \(46\)、Pから底辺までの高さは \(1058\)。

\[ \boxed{24334} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-23)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{23}(x-23)^2\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{24334}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(23\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{22}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{23}+i\sin\frac{2\pi j}{23},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{46} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\[ z^23-1=(z-1)\prod_{j=1}^{22}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{22}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{23} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 回転軸を変える体積計算

(1)

非負の関数の下の面積なので \(S=\int_0^{23}x(23-x)\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{12167}{6}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

切り口は半径 \(x(23-x)\) の円。

\[ V_x=\pi\int_0^{23}x^2(23-x)^2\,dx \]

。展開して項別に積分する。

\[ \boxed{\frac{6436343}{30}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(0\le y\le529/4\)。左右の境界は \(x_\pm=(23\pm\sqrt{529-4y})/2\)。切り口は環で、面積は

\[ \pi(x_+^2-x_-^2)=23\pi\sqrt{529-4y} \]

。これをyについて積分する。

\[ \boxed{\frac{279841}{6}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。