東京科学大学 理工学系・前期 数学記述模試 第077回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 三項間漸化式と互いに素の証明(17点)

\[ a_1=1,\ a_2=30,\ a_{n+2}=30a_{n+1}-29a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(5点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(7点)


第2問 定義域のある二次関数とパラメータ(17点)

\(0\le x\le 58\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+841\) とする。\(t\) は実数である。

(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(5点)

(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(5点)

(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(7点)


第3問 抽出方法と条件付き確率(17点)

袋に赤玉 \(29\) 個、青玉 \(58\) 個が入っている。すべての玉は同様に確からしく選ばれる。

(1)戻さずに2個取り出すとき、両方が赤玉である確率を求めなさい。(5点)

(2)戻さずに2個取り出し、少なくとも1個は赤玉だったと分かった。両方が赤玉である条件付き確率を求めなさい。(5点)

(3)今度は1個目を戻してから2個目を取り出す。同じ条件付き確率を求め、前問の値と比較しなさい。(7点)


第4問 放物線の接線と囲まれた面積(17点)

放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-841)\) を考える。

(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(5点)

(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(5点)

(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(7点)


第5問 楕円の接線と切片・回転体(16点)

楕円

\[ \frac{x^2}{3364}+\frac{y^2}{841}=1 \]

の第1象限の点 \(P(58\cos t,29\sin t)\)、\(0<t<\pi/2\) を考える。

(1)この点での接線の方程式を求めなさい。(4点)

(2)接線と2つの座標軸でできる三角形の面積の最小値を求めなさい。(4点)

(3)楕円の内部をx軸の周りに回転させた立体の体積を求めなさい。(8点)


第6問 回転軸を変える体積計算(16点)

\(0\le x\le29\) で曲線 \(y=x(29-x)\) とx軸で囲まれる領域をDとする。

(1)Dの面積を求めなさい。(4点)

(2)Dをx軸の周りに1回転してできる立体の体積を求めなさい。(4点)

(3)Dをy軸の周りに1回転してできる立体の体積を、yに垂直な切り口の面積を用いて求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=29(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(29\) なので \(a_{n+1}-a_n=29^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{29^n-1}{28}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(29-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{29(29^n-1)-28n}{784}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=29a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-29a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 定義域のある二次関数とパラメータ

(1)

平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+841-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。

\[ \boxed{\min f_t=\begin{cases}841&t\le0\\841-t^2&0<t<58\\4205-116t&t\ge58\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-29\le t\le 29\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。

\[ \boxed{t\le29} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

判別式より \(t>29\) または \(t<-29\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>29\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(58)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(4205-116t\)。

\[ \boxed{29<t\le \frac{145}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 抽出方法と条件付き確率

(1)

最初の赤の確率は1/3、2個目は \((29-1)/(87-1)\)。順序を区別しない組合せによる数え方でも一致する。

\[ \boxed{\frac{14}{129}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

少なくとも1個が赤という確率は \(1-\frac{58(58-1)}{87(87-1)}\)。両方が赤という確率をこれで割る。

\[ \boxed{\frac{7}{36}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

復元抽出では各回の赤の確率が1/3で独立。両方赤は1/9、少なくとも1個赤は5/9。比較には \(5(29-1)<145-1\) を用いる。

\[ \boxed{\frac15>\frac{7}{36}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 放物線の接線と囲まれた面積

(1)

接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=841\)。

\[ \boxed{y=58x-841,\quad y=-58x-841} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

接点は \((\pm29,841)\)。底辺の長さは \(58\)、Pから底辺までの高さは \(1682\)。

\[ \boxed{48778} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-29)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{29}(x-29)^2\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{48778}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 楕円の接線と切片・回転体

(1)

楕円の式を陰関数微分すると \(y'=-x/(4y)\)。Pでの傾きと点を使って接線を整理する。

\[ \boxed{\frac{x\cos t}{58}+\frac{y\sin t}{29}=1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

切片は \(58/\cos t\)、\(29/\sin t\)。面積は \(841/(\sin t\cos t)\)。\(\sin t\cos t\le1/2\)、等号は \(t=\pi/4\)。

\[ \boxed{S_{\min}=1682,\quad t=\pi/4} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

切り口の半径の2乗は \(841\(1-x^2/3364\)\)。\(-58\le x\le58\) で \\(\pi y^2\\) を積分する。

\[ \boxed{\frac{195112}{3}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 回転軸を変える体積計算

(1)

非負の関数の下の面積なので \(S=\int_0^{29}x(29-x)\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{24389}{6}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

切り口は半径 \(x(29-x)\) の円。

\[ V_x=\pi\int_0^{29}x^2(29-x)^2\,dx \]

。展開して項別に積分する。

\[ \boxed{\frac{20511149}{30}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(0\le y\le841/4\)。左右の境界は \(x_\pm=(29\pm\sqrt{841-4y})/2\)。切り口は環で、面積は

\[ \pi(x_+^2-x_-^2)=29\pi\sqrt{841-4y} \]

。これをyについて積分する。

\[ \boxed{\frac{707281}{6}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。