東京科学大学 理工学系・前期 数学記述模試 第050回
この回のテストポイント
- 第1問:重解を使う三次曲線の面積
- 第2問:三角関数を二次関数に置き換える
- 第3問:停止する試行と期待値の連立
- 第4問:空間の垂線と四面体
- 第5問:複素数の回転と正三角形
- 第6問:指数関数の最大値と積分の極限
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。
前の回 · 全100回の出題内容 · 次の回 · 大学別の一覧
問題
第1問 重解を使う三次曲線の面積(17点)
曲線 \(y=f(x)=x^3-2352x\) の \(x=28\) における接線をlとする。
(1)接線と曲線のすべての交点を求めなさい。重解の意味も説明しなさい。(5点)
(2)曲線と接線で囲まれた有限部分の面積を求めなさい。(5点)
(3)その部分のうち、横座標が非負である部分の面積が全体に占める割合を求めなさい。(7点)
第2問 三角関数を二次関数に置き換える(17点)
\(0\le\theta\le\pi/2\) で
とする。
(1)正弦の値を新しい変数にして、二次関数で表しなさい。新しい変数の範囲も書きなさい。(5点)
(2)最大値と最小値、およびそれらをとる条件を求めなさい。(5点)
(3)開区間 \(0<\theta<\pi/2\) で \(f(\theta)=28\) を満たす角がただ1つであることを示し、正弦の値を求めなさい。(7点)
第3問 停止する試行と期待値の連立(17点)
表の確率が \(1/28\)、裏の確率が \(27/28\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。
(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(5点)
(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(5点)
(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(7点)
第4問 空間の垂線と四面体(17点)
空間で
を考える。
(1)平面ABC上の点の座標が満たす方程式を求めなさい。(5点)
(2)Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hと距離OHを求めなさい。(5点)
(3)四面体OABCの体積を2通りに表し、三角形ABCの面積を求めなさい。(7点)
第5問 複素数の回転と正三角形(16点)
複素数平面で \(A=28,B=28i\) とする。ABを1辺とする正三角形の第3頂点をCとする。
(1)2つの可能な第3頂点を複素数で求めなさい。(4点)
(2)正三角形の面積を求めなさい。(4点)
(3)それぞれの外心の複素数と、共通の外接円の半径を求めなさい。(8点)
第6問 指数関数の最大値と積分の極限(16点)
\(x\ge0\) で \(f(x)=xe^{-28x}\) とする。
(1)増減を調べ、最大値とそれをとる横座標を求めなさい。(4点)
(2)\(a>0\) として \(\int_0^a f(x)\,dx\) を求めなさい。(4点)
(3)前問の定積分で上端を限りなく大きくしたときの極限値を求めなさい。(8点)
解答・解説
第1問 重解を使う三次曲線の面積
(1)
\(f'(28)=0\) なので \(l:y=-43904\)。差は \((x-28)^2(x+56)\)。接点の横座標は2重の根となる。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
区間 \([-56,28]\) では差は非負。
。原始関数は \\(x^4/4-1176x^2+43904x\\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
非負の横座標の部分は
。全体の面積で割る。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第2問 三角関数を二次関数に置き換える
(1)
\(t=\sin\theta\) とすると \(\cos2\theta=1-2t^2\)。元の角の範囲より \(0\le t\le1\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
平方完成より
。頂点は区間内にある。上に凸の放物線なので、最小は両端を比較する。\(f(0)=28\)、\(f(1)=-27\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
\(t-56t^2=0\) の解は0と \(1/56\)。開区間では0を除く。正弦はこの角の区間で狭義単調増加なので、対応する角もただ1つ。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第3問 停止する試行と期待値の連立
(1)
2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
\(p=1/28,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
1回の表までの平均は \(28\) 回なので合計2回の表までの平均は \(56\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第4問 空間の垂線と四面体
(1)
平面の方程式を \(ux+vy+wz=c\) とおき、3点を代入する。係数は共通倍してよい。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
法線ベクトルは \((6,3,2)\) なので \(H=s(6,3,2)\)。平面の式への代入で \(49s=168\)。距離は \(7s\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
底面OABの面積は \(784\)、Cからこの底面までの高さは \(84\) なので体積は \(21952\)。一方、ABCを底面とすると \(V=S_{ABC}\cdot OH/3\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第5問 複素数の回転と正三角形
(1)
。整理すると \(C=(A+B)/2\pm i\sqrt3(B-A)/2\)。両符号が2つの側を表す。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
\(|B-A|=28\sqrt2\)。正三角形の面積は辺の2乗の \(\sqrt3/4\) 倍。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
正三角形の外心は重心とも一致するので \((A+B+C)/3\)。半径は辺の長さを \(\sqrt3\) で割る。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第6問 指数関数の最大値と積分の極限
(1)
\(f'(x)=e^{-28x}(1-28x)\)。指数因子は正なので \(x=1/28\) の前は増加、後は減少。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
部分積分する。原始関数は \(-\frac{28x+1}{784}e^{-28x}\) であり、微分でも確認できる。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
\(e^{-28a}\) と \(ae^{-28a}\) はともに0に収束する。前問の式で残る定数項をとる。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。