東京科学大学 理工学系・前期 数学記述模試 第042回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 三項間漸化式と互いに素の証明(17点)

\[ a_1=1,\ a_2=32,\ a_{n+2}=32a_{n+1}-31a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(5点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(7点)


第2問 剰余定理と三次式の因数分解(17点)

\(P(x)=x^3+ax+b\) とし、\(P(31)=0\)、\(P(-31)=59582\) とする。

(1)a,bを求めなさい。(5点)

(2)P(x)=0の解をすべて求めなさい。(5点)

(3)P(x)を \(x-62\) で割った余りを求めなさい。(7点)


第3問 反復試行と条件付き確率(17点)

公平な硬貨を31回投げる。表の回数をXとする。

(1)表がちょうど2回出る確率を求めなさい。(5点)

(2)表が少なくとも1回出る確率を求めなさい。(5点)

(3)表が少なくとも1回出たという条件で、ちょうど2回出た確率を求めなさい。(7点)


第4問 円の弦と三角形の面積の最大化(17点)

円 \\(x^2+y^2=961\\) の内部の点 \(Q(\frac{31}{2},0)\) を通る直線が、円とA、Bで交わる。

(1)直線が鉛直のとき、2つの交点を求めなさい。(5点)

(2)直線の傾きを実数mとするとき、弦ABの長さを求めなさい。(5点)

(3)鉛直の直線も含め、原点OとA、Bでできる三角形の面積の最大値を求め、等号が成り立つ直線を示しなさい。(7点)


第5問 楕円の接線と切片・回転体(16点)

楕円

\[ \frac{x^2}{3844}+\frac{y^2}{961}=1 \]

の第1象限の点 \(P(62\cos t,31\sin t)\)、\(0<t<\pi/2\) を考える。

(1)この点での接線の方程式を求めなさい。(4点)

(2)接線と2つの座標軸でできる三角形の面積の最小値を求めなさい。(4点)

(3)楕円の内部をx軸の周りに回転させた立体の体積を求めなさい。(8点)


第6問 三角関数の積分漸化式(16点)

\[ I_n=\int_0^{\pi/2}\sin^n x\,dx \]

とする。\(n\) は0以上の整数である。

(1)部分積分により、次数を2つ下げる漸化式を導きなさい。(4点)

(2)\(I_{62}\) を求めなさい。(4点)

(3)\(I_{63}\) を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=31(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(31\) なので \(a_{n+1}-a_n=31^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{31^n-1}{30}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(31-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{31(31^n-1)-30n}{900}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=31a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-31a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 剰余定理と三次式の因数分解

(1)

2つの条件を代入してa,bの連立一次方程式を解く。

\[ \boxed{a=-1922,\quad b=29791} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(P(x)=(x-31)\(x^2+31x-961\)\)。残った二次方程式に解の公式を使う。

\[ \boxed{x=31,\frac{31}{2}(-1\pm\sqrt5)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一次式で割った余りは、その一次式の零点での多項式の値に等しい。

\[ \boxed{148955} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 反復試行と条件付き確率

(1)

表が出る2回を選ぶ方法は \(31\) 個の位置から2個選ぶ組合せ。各列の確率は同じ。

\[ \boxed{\frac{465}{2147483648}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

余事象はすべて裏である1列。全体からこの確率を引く。

\[ \boxed{\frac{2147483647}{2147483648}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

ちょうど2回表が出る事象は条件の事象に含まれるので、前2問の確率の比をとる。

\[ \boxed{\frac{465}{2147483647}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 円の弦と三角形の面積の最大化

(1)

\(x=\frac{31}{2}\) を円の式に代入する。\\(y^2=\frac{2883}{4}\\)。

\[ \boxed{(\frac{31}{2},\pm \frac{31}{2}\sqrt{3})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

直線は \(mx-y-\frac{31}{2}m=0\)。原点からの距離をdとすると \(d^2=\frac{961m^2}{4(1+m^2)}\)。弦の半分と距離と半径で直角三角形を作り、\(AB=2\sqrt{961-d^2}\)。

\[ \boxed{AB=31\sqrt{\frac{4+3m^2}{1+m^2}}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

直線がQを通るので \(0\le d\le31/2\)。面積の2乗は \(d^2(961-d^2)\)。\(s=d^2\) とおくと \(s(961-s)\) は \(0\le s\le961/4\) で増加する。距離が最大となるのは鉛直の直線。

\[ \boxed{\max S=\frac{961}{4}\sqrt{3},\quad x=\frac{31}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 楕円の接線と切片・回転体

(1)

楕円の式を陰関数微分すると \(y'=-x/(4y)\)。Pでの傾きと点を使って接線を整理する。

\[ \boxed{\frac{x\cos t}{62}+\frac{y\sin t}{31}=1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

切片は \(62/\cos t\)、\(31/\sin t\)。面積は \(961/(\sin t\cos t)\)。\(\sin t\cos t\le1/2\)、等号は \(t=\pi/4\)。

\[ \boxed{S_{\min}=1922,\quad t=\pi/4} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

切り口の半径の2乗は \(961\(1-x^2/3844\)\)。\(-62\le x\le62\) で \\(\pi y^2\\) を積分する。

\[ \boxed{\frac{238328}{3}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 三角関数の積分漸化式

(1)

\(n\ge2\) とする。\(\sin^{n-1}x\) と \(\sin x\) に分けて部分積分すると、境界項は0で

\[ I_n=(n-1)\int\sin^{n-2}x\cos^2x\,dx=(n-1)(I_{n-2}-I_n) \]

。

\[ \boxed{I_n=\frac{n-1}nI_{n-2}\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(I_0=\pi/2\) から漸化式を \(31\) 回使う。偶数の積と奇数の積を整理すると

\[ I_{2m}=\binom{2m}{m}\pi/(2\cdot4^m) \]

。

\[ \boxed{\frac{14544636039226909}{288230376151711744}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(I_1=1\) から漸化式を \(31\) 回使う。\(I_{2m+1}=4^m(m!)^2/(2m+1)!\)。

\[ \boxed{\frac{144115188075855872}{916312070471295267}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。