東京科学大学 理工学系・前期 数学記述模試 第015回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

前の回 · 全100回の出題内容 · 次の回 · 大学別の一覧


問題

第1問 重解を使う三次曲線の面積(17点)

曲線 \(y=f(x)=x^3-768x\) の \(x=16\) における接線をlとする。

(1)接線と曲線のすべての交点を求めなさい。重解の意味も説明しなさい。(5点)

(2)曲線と接線で囲まれた有限部分の面積を求めなさい。(5点)

(3)その部分のうち、横座標が非負である部分の面積が全体に占める割合を求めなさい。(7点)


第2問 対数方程式の存在条件(17点)

\(\log_2 x+\log_2(16-x)=a\) を考える。\(a\) は実数である。

(1)真数条件を示し、実数解が存在するための必要十分条件を求めなさい。(5点)

(2)実数解の個数を場合分けして求めなさい。(5点)

(3)\(a=\log_2 48\) のとき、すべての解を求めなさい。(7点)


第3問 反復試行と条件付き確率(17点)

公平な硬貨を16回投げる。表の回数をXとする。

(1)表がちょうど2回出る確率を求めなさい。(5点)

(2)表が少なくとも1回出る確率を求めなさい。(5点)

(3)表が少なくとも1回出たという条件で、ちょうど2回出た確率を求めなさい。(7点)


第4問 放物線の接線と囲まれた面積(17点)

放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-256)\) を考える。

(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(5点)

(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(5点)

(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(7点)


第5問 複素数の回転と正三角形(16点)

複素数平面で \(A=16,B=16i\) とする。ABを1辺とする正三角形の第3頂点をCとする。

(1)2つの可能な第3頂点を複素数で求めなさい。(4点)

(2)正三角形の面積を求めなさい。(4点)

(3)それぞれの外心の複素数と、共通の外接円の半径を求めなさい。(8点)


第6問 三角関数の積分漸化式(16点)

\[ I_n=\int_0^{\pi/2}\sin^n x\,dx \]

とする。\(n\) は0以上の整数である。

(1)部分積分により、次数を2つ下げる漸化式を導きなさい。(4点)

(2)\(I_{32}\) を求めなさい。(4点)

(3)\(I_{33}\) を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 重解を使う三次曲線の面積

(1)

\(f'(16)=0\) なので \(l:y=-8192\)。差は \((x-16)^2(x+32)\)。接点の横座標は2重の根となる。

\[ \boxed{(-32,-8192),\quad(16,-8192)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

区間 \([-32,16]\) では差は非負。

\[ S=\int_{-32}^{16}(x^3-768x+8192)\,dx \]

。原始関数は \\(x^4/4-384x^2+8192x\\)。

\[ \boxed{442368} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

非負の横座標の部分は

\[ \int_0^{16}(f(x)+8192)\,dx=49152 \]

。全体の面積で割る。

\[ \boxed{\frac19} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 対数方程式の存在条件

(1)

真数条件は \(0<x<16\)。\(x(16-x)=256/4-(x-16/2)^2\) なので、この積の値域は \((0,256/4]\)。対数の底が1より大きいことを使う。

\[ \boxed{0<x<16,\quad a\le\log_2 64} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

積が最大値より小さい正の値なら頂点の左右に1解ずつ、最大値なら頂点に1解、それを超えれば解はない。対数の真数条件も満たす。

\[ \boxed{a<\log_2 64:2\text{個};\quad a=\log_2 64:1\text{個};\quad a>\log_2 64:0\text{個}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(x(16-x)=48\) を解く。2つの解の和は \(16\)、積は右辺。得られた解が真数条件に入ることを確認する。

\[ \boxed{x=4,\ 12} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 反復試行と条件付き確率

(1)

表が出る2回を選ぶ方法は \(16\) 個の位置から2個選ぶ組合せ。各列の確率は同じ。

\[ \boxed{\frac{15}{8192}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

余事象はすべて裏である1列。全体からこの確率を引く。

\[ \boxed{\frac{65535}{65536}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

ちょうど2回表が出る事象は条件の事象に含まれるので、前2問の確率の比をとる。

\[ \boxed{\frac{8}{4369}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 放物線の接線と囲まれた面積

(1)

接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=256\)。

\[ \boxed{y=32x-256,\quad y=-32x-256} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

接点は \((\pm16,256)\)。底辺の長さは \(32\)、Pから底辺までの高さは \(512\)。

\[ \boxed{8192} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-16)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{16}(x-16)^2\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{8192}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 複素数の回転と正三角形

(1)

\[ C-A=(B-A)(\cos(\pi/3)\pm i\sin(\pi/3)) \]

。整理すると \(C=(A+B)/2\pm i\sqrt3(B-A)/2\)。両符号が2つの側を表す。

\[ \boxed{C=8(1\pm\sqrt3)(1+i)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(|B-A|=16\sqrt2\)。正三角形の面積は辺の2乗の \(\sqrt3/4\) 倍。

\[ \boxed{S=128\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

正三角形の外心は重心とも一致するので \((A+B+C)/3\)。半径は辺の長さを \(\sqrt3\) で割る。

\[ \boxed{O_\pm=\frac{8}{3}(3\pm\sqrt3)(1+i),\quad R=\frac{16}{3}\sqrt{6}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 三角関数の積分漸化式

(1)

\(n\ge2\) とする。\(\sin^{n-1}x\) と \(\sin x\) に分けて部分積分すると、境界項は0で

\[ I_n=(n-1)\int\sin^{n-2}x\cos^2x\,dx=(n-1)(I_{n-2}-I_n) \]

。

\[ \boxed{I_n=\frac{n-1}nI_{n-2}\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\(I_0=\pi/2\) から漸化式を \(16\) 回使う。偶数の積と奇数の積を整理すると

\[ I_{2m}=\binom{2m}{m}\pi/(2\cdot4^m) \]

。

\[ \boxed{\frac{300540195}{4294967296}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(I_1=1\) から漸化式を \(16\) 回使う。\(I_{2m+1}=4^m(m!)^2/(2m+1)!\)。

\[ \boxed{\frac{2147483648}{9917826435}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。