北海道大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第093回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 三項間漸化式と互いに素の証明(17点)

\[ a_1=1,\ a_2=29,\ a_{n+2}=29a_{n+1}-28a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(5点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(7点)


第2問 双曲線の接線と不変な面積(17点)

第1象限の双曲線 \\(xy=784\\) 上の点 \(P(t,784/t)\)、\(t>0\) を考える。

(1)接線の方程式と2つの軸との交点を求めなさい。(5点)

(2)接線と2つの座標軸でできる三角形の面積を求め、接点によらないことを説明しなさい。(5点)

(3)2つの正の切片の和の最小値と、そのときの接点を求めなさい。(7点)


第3問 対数の評価と部分積分(17点)

自然対数を用いる。\(1\le x\le28\) において \(f(x)=(\log x)/x\) を考える。

(1)すべての \(x>0\) で \(\log x\le x-1\) を示し、等号条件を述べなさい。(5点)

(2)定義域内での関数の最大値と、それをとる値を求めなさい。(5点)

(3)

\[ \int_1^{28}\frac{\log x}{x^2}\,dx \]

を求めなさい。(7点)


第4問 完全順列の漸化式と固定点(17点)

\(28\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。

(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(5点)

(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(5点)

(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(7点)


第5問 放物線の接線と囲まれた面積(16点)

放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-784)\) を考える。

(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(4点)

(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(4点)

(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(8点)


第6問 定義域のある二次関数とパラメータ(16点)

\(0\le x\le 56\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+784\) とする。\(t\) は実数である。

(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(4点)

(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(4点)

(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=28(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(28\) なので \(a_{n+1}-a_n=28^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{28^n-1}{27}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(28-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{28(28^n-1)-27n}{729}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=28a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-28a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 双曲線の接線と不変な面積

(1)

\(y=784/x\) を微分して傾きを求める。接線は \(y-784/t=-784(x-t)/t^2\)。

\[ \boxed{\frac xt+\frac{yt}{784}=2,\quad(2t,0),(0,1568/t)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

切片は \(2t\) と \(1568/t\)。その積が \(3136\) で一定なので、面積も一定となる。

\[ \boxed{1568} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

相加相乗平均より \(2t+1568/t\ge112\)。等号は \(t=28\) のとき。

\[ \boxed{\min=112,\quad P=(28,28)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 対数の評価と部分積分

(1)

\(g(x)=x-1-\log x\) とおく。\(g'(x)=(x-1)/x\) より1の前で減少、後で増加。最小値は \(g(1)=0\)。

\[ \boxed{\log x\le x-1,\quad\text{等号は }x=1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(f'(x)=(1-\log x)/x^2\)。\(1<e<28\) なので、定義域内でeの前は増加、後は減少。

\[ \boxed{\max f=\frac1e,\quad x=e} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

部分積分により原始関数は \(-(\log x+1)/x\)。上下端を代入する。

\[ \boxed{1-\frac{\log28+1}{28}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 完全順列の漸化式と固定点

(1)

1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。

\[ \boxed{D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

初期値から前問の漸化式を順に計算すると

\[ D_{28}=112162153835443422680893595673 \]

。全割当ては \(28!\) 通り。

\[ \boxed{\frac{461572649528573755888451011}{1254684545727217532928000000}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/28\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 放物線の接線と囲まれた面積

(1)

接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=784\)。

\[ \boxed{y=56x-784,\quad y=-56x-784} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

接点は \((\pm28,784)\)。底辺の長さは \(56\)、Pから底辺までの高さは \(1568\)。

\[ \boxed{43904} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-28)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{28}(x-28)^2\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{43904}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 定義域のある二次関数とパラメータ

(1)

平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+784-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。

\[ \boxed{\min f_t=\begin{cases}784&t\le0\\784-t^2&0<t<56\\3920-112t&t\ge56\end{cases}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-28\le t\le 28\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。

\[ \boxed{t\le28} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

判別式より \(t>28\) または \(t<-28\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>28\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(56)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(3920-112t\)。

\[ \boxed{28<t\le 35} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。