北海道大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第053回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

前の回 · 全100回の出題内容 · 次の回 · 大学別の一覧


問題

第1問 三項間漸化式と互いに素の証明(17点)

\[ a_1=1,\ a_2=10,\ a_{n+2}=10a_{n+1}-9a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(5点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(7点)


第2問 1の累乗根と積・距離の和(17点)

方程式 \(z^9=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{8}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(5点)

(2)\(\sum_{j=0}^{8}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(5点)

(3)\(\prod_{j=1}^{8}(1-z_j)\) を求めなさい。(7点)


第3問 回転軸を変える体積計算(17点)

\(0\le x\le9\) で曲線 \(y=x(9-x)\) とx軸で囲まれる領域をDとする。

(1)Dの面積を求めなさい。(5点)

(2)Dをx軸の周りに1回転してできる立体の体積を求めなさい。(5点)

(3)Dをy軸の周りに1回転してできる立体の体積を、yに垂直な切り口の面積を用いて求めなさい。(7点)


第4問 完全順列の漸化式と固定点(17点)

\(9\) 人が各自の帽子を無作為に1個ずつ受け取る。すべての割当ては同様に確からしい。n人の誰も自分の帽子を受け取らない割当ての個数をD_nとし、\(D_0=1,D_1=0\) とする。

(1)1人目の帽子の行き先に着目し、完全順列の個数の漸化式を導きなさい。(5点)

(2)全員が自分以外の帽子を受け取る確率を求めなさい。(5点)

(3)自分の帽子を受け取った人数の期待値を求めなさい。(7点)


第5問 空間の垂線と四面体(16点)

空間で

\[ O(0,0,0),A(9,0,0),B(0,18,0),C(0,0,27) \]

を考える。

(1)平面ABC上の点の座標が満たす方程式を求めなさい。(4点)

(2)Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hと距離OHを求めなさい。(4点)

(3)四面体OABCの体積を2通りに表し、三角形ABCの面積を求めなさい。(8点)


第6問 対数方程式の存在条件(16点)

\(\log_2 x+\log_2(9-x)=a\) を考える。\(a\) は実数である。

(1)真数条件を示し、実数解が存在するための必要十分条件を求めなさい。(4点)

(2)実数解の個数を場合分けして求めなさい。(4点)

(3)\(a=\log_2 \frac{243}{16}\) のとき、すべての解を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=9(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(9\) なので \(a_{n+1}-a_n=9^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{9^n-1}{8}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(9-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{9(9^n-1)-8n}{64}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=9a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-9a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(9\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{8}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{9}+i\sin\frac{2\pi j}{9},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{18} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ z^9-1=(z-1)\prod_{j=1}^{8}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{8}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{9} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 回転軸を変える体積計算

(1)

非負の関数の下の面積なので \(S=\int_0^{9}x(9-x)\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{243}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

切り口は半径 \(x(9-x)\) の円。

\[ V_x=\pi\int_0^{9}x^2(9-x)^2\,dx \]

。展開して項別に積分する。

\[ \boxed{\frac{19683}{10}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(0\le y\le81/4\)。左右の境界は \(x_\pm=(9\pm\sqrt{81-4y})/2\)。切り口は環で、面積は

\[ \pi(x_+^2-x_-^2)=9\pi\sqrt{81-4y} \]

。これをyについて積分する。

\[ \boxed{\frac{2187}{2}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 完全順列の漸化式と固定点

(1)

1人目に渡す帽子の元の持ち主をjとする。jの選び方はn-1通り。jが1人目の帽子を受け取る場合は残りn-2人の完全順列。受け取らない場合は、1人目とjの関係を縮めたn-1人の完全順列と1対1に対応する。

\[ \boxed{D_n=(n-1)(D_{n-1}+D_{n-2})\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

初期値から前問の漸化式を順に計算すると \(D_{9}=133496\)。全割当ては \(9!\) 通り。

\[ \boxed{\frac{16687}{45360}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

人iが自分の帽子を受け取ったとき1、そうでないとき0の変数をX_iとする。\(E[X_i]=1/9\)。人数はその和であり、独立でなくても期待値は加算できる。

\[ \boxed{1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 空間の垂線と四面体

(1)

平面の方程式を \(ux+vy+wz=c\) とおき、3点を代入する。係数は共通倍してよい。

\[ \boxed{6x+3y+2z=54} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

法線ベクトルは \((6,3,2)\) なので \(H=s(6,3,2)\)。平面の式への代入で \(49s=54\)。距離は \(7s\)。

\[ \boxed{H=(\frac{324}{49},\frac{162}{49},\frac{108}{49}),\quad OH=\frac{54}{7}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

底面OABの面積は \(81\)、Cからこの底面までの高さは \(27\) なので体積は \(729\)。一方、ABCを底面とすると \(V=S_{ABC}\cdot OH/3\)。

\[ \boxed{\frac{567}{2}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 対数方程式の存在条件

(1)

真数条件は \(0<x<9\)。\(x(9-x)=81/4-(x-9/2)^2\) なので、この積の値域は \((0,81/4]\)。対数の底が1より大きいことを使う。

\[ \boxed{0<x<9,\quad a\le\log_2 \frac{81}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

積が最大値より小さい正の値なら頂点の左右に1解ずつ、最大値なら頂点に1解、それを超えれば解はない。対数の真数条件も満たす。

\[ \boxed{a<\log_2 \frac{81}{4}:2\text{個};\quad a=\log_2 \frac{81}{4}:1\text{個};\quad a>\log_2 \frac{81}{4}:0\text{個}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(x(9-x)=\frac{243}{16}\) を解く。2つの解の和は \(9\)、積は右辺。得られた解が真数条件に入ることを確認する。

\[ \boxed{x=\frac{9}{4},\ \frac{27}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。