北海道大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第015回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 重解を使う三次曲線の面積(17点)

曲線 \(y=f(x)=x^3-2523x\) の \(x=29\) における接線をlとする。

(1)接線と曲線のすべての交点を求めなさい。重解の意味も説明しなさい。(5点)

(2)曲線と接線で囲まれた有限部分の面積を求めなさい。(5点)

(3)その部分のうち、横座標が非負である部分の面積が全体に占める割合を求めなさい。(7点)


第2問 複素数の回転と正三角形(17点)

複素数平面で \(A=29,B=29i\) とする。ABを1辺とする正三角形の第3頂点をCとする。

(1)2つの可能な第3頂点を複素数で求めなさい。(5点)

(2)正三角形の面積を求めなさい。(5点)

(3)それぞれの外心の複素数と、共通の外接円の半径を求めなさい。(7点)


第3問 対数の評価と部分積分(17点)

自然対数を用いる。\(1\le x\le29\) において \(f(x)=(\log x)/x\) を考える。

(1)すべての \(x>0\) で \(\log x\le x-1\) を示し、等号条件を述べなさい。(5点)

(2)定義域内での関数の最大値と、それをとる値を求めなさい。(5点)

(3)

\[ \int_1^{29}\frac{\log x}{x^2}\,dx \]

を求めなさい。(7点)


第4問 停止する試行と期待値の連立(17点)

表の確率が \(1/29\)、裏の確率が \(28/29\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。

(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(5点)

(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(5点)

(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(7点)


第5問 線分上の点と内積・最大最小(16点)

\(O(0,0),B(58,0),C(0,29)\) とする。Pは線分BC上を動く。

(1)Pを1つの実数パラメータで表し、その範囲を示しなさい。(4点)

(2)距離OPが最小になる点と最小距離を求めなさい。垂直性も確認しなさい。(4点)

(3)Pから2つの座標軸に垂線を下ろして作る長方形の面積の最大値を求めなさい。(8点)


第6問 三次方程式の実数解の個数(16点)

実数 \(a\) に対し、方程式 \(x^3-2523x=a\) を考える。

(1)左辺の関数の極大値と極小値を求めなさい。(4点)

(2)異なる3つの実数解をもつための必要十分条件を求め、理由を説明しなさい。(4点)

(3)異なる実数解がちょうど2つとなる場合のパラメータと、そのときの解をすべて求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 重解を使う三次曲線の面積

(1)

\(f'(29)=0\) なので \(l:y=-48778\)。差は \((x-29)^2(x+58)\)。接点の横座標は2重の根となる。

\[ \boxed{(-58,-48778),\quad(29,-48778)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

区間 \([-58,29]\) では差は非負。

\[ S=\int_{-58}^{29}(x^3-2523x+48778)\,dx \]

。原始関数は

\[ x^4/4-\frac{2523}{2}x^2+48778x \]

。

\[ \boxed{\frac{19096587}{4}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

非負の横座標の部分は

\[ \int_0^{29}(f(x)+48778)\,dx=\frac{2121843}{4} \]

。全体の面積で割る。

\[ \boxed{\frac19} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 複素数の回転と正三角形

(1)

\[ C-A=(B-A)(\cos(\pi/3)\pm i\sin(\pi/3)) \]

。整理すると \(C=(A+B)/2\pm i\sqrt3(B-A)/2\)。両符号が2つの側を表す。

\[ \boxed{C=\frac{29}{2}(1\pm\sqrt3)(1+i)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(|B-A|=29\sqrt2\)。正三角形の面積は辺の2乗の \(\sqrt3/4\) 倍。

\[ \boxed{S=\frac{841}{2}\sqrt{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

正三角形の外心は重心とも一致するので \((A+B+C)/3\)。半径は辺の長さを \(\sqrt3\) で割る。

\[ \boxed{O_\pm=\frac{29}{6}(3\pm\sqrt3)(1+i),\quad R=\frac{29}{3}\sqrt{6}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 対数の評価と部分積分

(1)

\(g(x)=x-1-\log x\) とおく。\(g'(x)=(x-1)/x\) より1の前で減少、後で増加。最小値は \(g(1)=0\)。

\[ \boxed{\log x\le x-1,\quad\text{等号は }x=1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(f'(x)=(1-\log x)/x^2\)。\(1<e<29\) なので、定義域内でeの前は増加、後は減少。

\[ \boxed{\max f=\frac1e,\quad x=e} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

部分積分により原始関数は \(-(\log x+1)/x\)。上下端を代入する。

\[ \boxed{1-\frac{\log29+1}{29}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 停止する試行と期待値の連立

(1)

2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。

\[ \boxed{P(T=2)=\frac{1}{841},\quad P(T=3)=\frac{28}{24389}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(p=1/29,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。

\[ \boxed{870} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

1回の表までの平均は \(29\) 回なので合計2回の表までの平均は \(58\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。

\[ \boxed{E_{\text{合計2回}}=58,\quad\text{差}=812} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 線分上の点と内積・最大最小

(1)

\(P=(1-t)B+tC\) とおく。線分上なので \(0\le t\le1\)。

\[ \boxed{P=(58(1-t),29t),\quad0\le t\le1} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

\[ OP^2=841(5t^2-8t+4)=5841(t-4/5)^2+4841/5 \]

。最小のtは区間内にあり、\(\overrightarrow{BC}=(-58,29)\) とOPの内積は0。

\[ \boxed{P=(\frac{58}{5},\frac{116}{5}),\quad\min OP=\frac{58}{5}\sqrt{5}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

長方形の面積は

\[ 1682t(1-t)=\frac{841}{2}-1682(t-1/2)^2 \]

。端点では面積0、内部の頂点で最大。

\[ \boxed{\max S=\frac{841}{2},\quad P=(29,\frac{29}{2})} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 三次方程式の実数解の個数

(1)

\(f'(x)=3(x-29)(x+29)\)。増減は順に増加・減少・増加なので、\(x=-29\) で極大、\(x=29\) で極小となる。

\[ \boxed{\text{極大値 }48778,\quad\text{極小値 }-48778} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

水平線が3つの単調な部分にそれぞれ1回交わる条件は、高さが極小値より大きく極大値より小さいことである。端点では接して重解をもつため除く。

\[ \boxed{-48778<a<48778} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(a=48778\) では \(f(x)-a=(x-58)(x+29)^2\)。\(a=-48778\) では \(f(x)-a=(x+58)(x-29)^2\)。

\[ \boxed{a=48778:x=-29,58;\quad a=-48778:x=-58,29} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。