北海道大学 理系・数学IIIを含む 数学記述模試 第008回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 三項間漸化式と互いに素の証明(17点)

\[ a_1=1,\ a_2=18,\ a_{n+2}=18a_{n+1}-17a_n \]

とする。

(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(5点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(5点)

(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(7点)


第2問 双曲線の接線と不変な面積(17点)

第1象限の双曲線 \\(xy=289\\) 上の点 \(P(t,289/t)\)、\(t>0\) を考える。

(1)接線の方程式と2つの軸との交点を求めなさい。(5点)

(2)接線と2つの座標軸でできる三角形の面積を求め、接点によらないことを説明しなさい。(5点)

(3)2つの正の切片の和の最小値と、そのときの接点を求めなさい。(7点)


第3問 区分求積と和の極限(17点)

正の整数nについて、

\[ A_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\sqrt{17+\frac jn} \]

、

\[ B_n=\sum_{j=1}^n\frac1{17n+j} \]

とする。

(1)両方の和を、幅1/nの分割に対応する区分求積の形で説明しなさい。(5点)

(2)Aの数列の極限を求めなさい。(5点)

(3)Bの数列の極限を求めなさい。(7点)


第4問 停止する試行と期待値の連立(17点)

表の確率が \(1/17\)、裏の確率が \(16/17\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。

(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(5点)

(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(5点)

(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(7点)


第5問 放物線の接線と囲まれた面積(16点)

放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-289)\) を考える。

(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(4点)

(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(4点)

(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(8点)


第6問 三次方程式の実数解の個数(16点)

実数 \(a\) に対し、方程式 \(x^3-867x=a\) を考える。

(1)左辺の関数の極大値と極小値を求めなさい。(4点)

(2)異なる3つの実数解をもつための必要十分条件を求め、理由を説明しなさい。(4点)

(3)異なる実数解がちょうど2つとなる場合のパラメータと、そのときの解をすべて求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 三項間漸化式と互いに素の証明

(1)

\[ a_{n+2}-a_{n+1}=17(a_{n+1}-a_n) \]

。初めの差は \(17\) なので \(a_{n+1}-a_n=17^n\)。初項に差の和を加える。

\[ \boxed{a_n=\frac{17^n-1}{16}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

一般項を代入して \(1/(17-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。

\[ \boxed{S_n=\frac{17(17^n-1)-16n}{256}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

一般項から \(a_{n+1}=17a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-17a_n=1\) を割る。

\[ \boxed{\gcd(a_n,a_{n+1})=1} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 双曲線の接線と不変な面積

(1)

\(y=289/x\) を微分して傾きを求める。接線は \(y-289/t=-289(x-t)/t^2\)。

\[ \boxed{\frac xt+\frac{yt}{289}=2,\quad(2t,0),(0,578/t)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

切片は \(2t\) と \(578/t\)。その積が \(1156\) で一定なので、面積も一定となる。

\[ \boxed{578} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

相加相乗平均より \(2t+578/t\ge68\)。等号は \(t=17\) のとき。

\[ \boxed{\min=68,\quad P=(17,17)} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 区分求積と和の極限

(1)

\(A_n\) は \(f(x)=\sqrt{17+x}\)、

\[ B_n=\frac1n\sum_{j=1}^n\frac1{17+j/n} \]

は \(g(x)=1/(17+x)\) の右端の値を用いた和。両方とも区間[0,1]で連続なので定積分に収束する。

\[ \boxed{A_n\to\int_0^1f(x)\,dx,\quad B_n\to\int_0^1g(x)\,dx} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\[ \lim A_n=\int_0^1\sqrt{17+x}\,dx=[\frac23(17+x)^{3/2}]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\frac23(54\sqrt{2}-17\sqrt{17})} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ \lim B_n=\int_0^1\frac1{17+x}\,dx=[\log(17+x)]_0^1 \]

。

\[ \boxed{\log\frac{18}{17}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 停止する試行と期待値の連立

(1)

2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。

\[ \boxed{P(T=2)=\frac{1}{289},\quad P(T=3)=\frac{16}{4913}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(p=1/17,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。

\[ \boxed{306} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

1回の表までの平均は \(17\) 回なので合計2回の表までの平均は \(34\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。

\[ \boxed{E_{\text{合計2回}}=34,\quad\text{差}=272} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 放物線の接線と囲まれた面積

(1)

接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=289\)。

\[ \boxed{y=34x-289,\quad y=-34x-289} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

接点は \((\pm17,289)\)。底辺の長さは \(34\)、Pから底辺までの高さは \(578\)。

\[ \boxed{9826} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-17)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{17}(x-17)^2\,dx\)。

\[ \boxed{\frac{9826}{3}} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 三次方程式の実数解の個数

(1)

\(f'(x)=3(x-17)(x+17)\)。増減は順に増加・減少・増加なので、\(x=-17\) で極大、\(x=17\) で極小となる。

\[ \boxed{\text{極大値 }9826,\quad\text{極小値 }-9826} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

水平線が3つの単調な部分にそれぞれ1回交わる条件は、高さが極小値より大きく極大値より小さいことである。端点では接して重解をもつため除く。

\[ \boxed{-9826<a<9826} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(a=9826\) では \(f(x)-a=(x-34)(x+17)^2\)。\(a=-9826\) では \(f(x)-a=(x+34)(x-17)^2\)。

\[ \boxed{a=9826:x=-17,34;\quad a=-9826:x=-34,17} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。