一橋大学 後期・数学IIIを含む 数学記述模試 第065回
この回のテストポイント
- 第1問:複素数の回転と正三角形
- 第2問:定義域のある二次関数とパラメータ
- 第3問:反射による経路の数え上げ
- 第4問:三角関数の積分漸化式
- 第5問:三項間漸化式と互いに素の証明
- 第6問:放物線の接線と囲まれた面積
試験の条件と取り組み方
この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。
大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。
前の回 · 全100回の出題内容 · 次の回 · 大学別の一覧
問題
第1問 複素数の回転と正三角形(17点)
複素数平面で \(A=24,B=24i\) とする。ABを1辺とする正三角形の第3頂点をCとする。
(1)2つの可能な第3頂点を複素数で求めなさい。(5点)
(2)正三角形の面積を求めなさい。(5点)
(3)それぞれの外心の複素数と、共通の外接円の半径を求めなさい。(7点)
第2問 定義域のある二次関数とパラメータ(17点)
\(0\le x\le 48\) で \(f_t(x)=x^2-2tx+576\) とする。\(t\) は実数である。
(1)最小値を、パラメータの範囲で場合分けして求めなさい。(5点)
(2)定義域内のすべての値で関数値が非負になる条件を求めなさい。(5点)
(3)方程式 \(f_t(x)=0\) が定義域内に異なる2つの解をもつ条件を求めなさい。(7点)
第3問 反射による経路の数え上げ(17点)
数直線上の点を原点から動かす。毎回、左右それぞれ確率1/2で1だけ進み、独立に \(48\) 回動かす。
(1)最後に原点に戻る移動列の数を求めなさい。(5点)
(2)最後に原点に戻り、途中で一度も負の位置に達しない移動列の数を求めなさい。負の位置に初めて達するまでの移動を反転する方法で説明しなさい。(5点)
(3)最後に原点に戻ったという条件のもとで、一度も負の位置に達していない確率を求めなさい。(7点)
第4問 三角関数の積分漸化式(17点)
とする。\(n\) は0以上の整数である。
(1)部分積分により、次数を2つ下げる漸化式を導きなさい。(5点)
(2)\(I_{48}\) を求めなさい。(5点)
(3)\(I_{49}\) を求めなさい。(7点)
第5問 三項間漸化式と互いに素の証明(16点)
とする。
(1)隣り合う項の差に着目して一般項を求めなさい。(4点)
(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(4点)
(3)隣り合う2項が常に互いに素であることを証明しなさい。(8点)
第6問 放物線の接線と囲まれた面積(16点)
放物線 \\(y=x^2\\) と、点 \(P(0,-576)\) を考える。
(1)この点を通る放物線の接線をすべて求めなさい。(4点)
(2)2つの接点と点Pでできる三角形の面積を求めなさい。(4点)
(3)放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積を求めなさい。(8点)
解答・解説
第1問 複素数の回転と正三角形
(1)
。整理すると \(C=(A+B)/2\pm i\sqrt3(B-A)/2\)。両符号が2つの側を表す。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
\(|B-A|=24\sqrt2\)。正三角形の面積は辺の2乗の \(\sqrt3/4\) 倍。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
正三角形の外心は重心とも一致するので \((A+B+C)/3\)。半径は辺の長さを \(\sqrt3\) で割る。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第2問 定義域のある二次関数とパラメータ
(1)
平方完成すると \(f_t(x)=(x-t)^2+576-t^2\)。頂点が区間の左側・内部・右側にある場合に分ける。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
前問の最小値を0以上にする。内部の場合は \(-24\le t\le 24\) だが \(t>0\) との共通範囲をとる。右側の場合は条件を満たさない。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
判別式より \(t>24\) または \(t<-24\)。解の積が正で、区間が非負なので \(t>24\) が必要。頂点が区間内にあり、\(f_t(0)>0\)、\(f_t(48)\ge0\) なら2解とも区間内。右端での値は \(2880-96t\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第3問 反射による経路の数え上げ
(1)
右へ進む回数と左へ進む回数はそれぞれ \(24\) 回。右への移動の位置を選ぶ。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
悪い移動列について、初めて位置-1に着くまでの左右を反転する。原点から出て最後に位置2に着く移動列と1対1に対応する。この列は右が \(25\) 回、左が \(23\) 回なので \(\binom{48}{23}\) 個。全体から差し引く。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
条件付きの標本空間は前問(1)の \(\binom{48}{24}\) 個。良い列の個数は全体の \(1/25\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第4問 三角関数の積分漸化式
(1)
\(n\ge2\) とする。\(\sin^{n-1}x\) と \(\sin x\) に分けて部分積分すると、境界項は0で
。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(2)
\(I_0=\pi/2\) から漸化式を \(24\) 回使う。偶数の積と奇数の積を整理すると
。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。
(3)
\(I_1=1\) から漸化式を \(24\) 回使う。\(I_{2m+1}=4^m(m!)^2/(2m+1)!\)。
採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。
第5問 三項間漸化式と互いに素の証明
(1)
。初めの差は \(24\) なので \(a_{n+1}-a_n=24^n\)。初項に差の和を加える。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
一般項を代入して \(1/(24-1)\) をくくり、等比数列の和と定数の和に分ける。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
一般項から \(a_{n+1}=24a_n+1\)。2項の公約数はその差 \(a_{n+1}-24a_n=1\) を割る。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。
第6問 放物線の接線と囲まれた面積
(1)
接点の横座標を \(t\) とすると接線は \(y=2tx-t^2\)。Pを通る条件から \(t^2=576\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(2)
接点は \((\pm24,576)\)。底辺の長さは \(48\)、Pから底辺までの高さは \(1152\)。
採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。
(3)
左右の対称性を使う。右半分では放物線が接線の上にあり、差は \((x-24)^2\)。したがって \(S=2\int_0^{24}(x-24)^2\,dx\)。
採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。