一橋大学 後期・数学IIIを含む 数学記述模試 第046回

この回のテストポイント

試験の条件と取り組み方

この模試の演習範囲は数学I(全範囲)/数学A(図形の性質・場合の数と確率)/数学II(全範囲)/数学B(数列)/数学C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)/数学III(全範囲)です。問題・解答は独自に作成したものです。途中式、場合分け、証明の根拠も書きなさい。

大学公式の入試情報・公開問題を参照した対策用のオリジナル模試です。応用問題で、場合分け・必要十分条件・証明の記述を重視します。演習範囲・時間・大問数・満点・小問配点は本模試の設計です。実際の入試の時間・配点・出題形式を再現したものではありません。資料確認日:2026-10-04。出願時の試験条件は大学の最新募集要項で確認してください。

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問題

第1問 1の累乗根と積・距離の和(17点)

方程式 \(z^12=1\) の相異なる解を \(z_0,z_1,\ldots,z_{11}\) とし、\(z_0=1\) とする。

(1)解を三角関数で表し、解の和を求めなさい。(5点)

(2)\(\sum_{j=0}^{11}|z_j-1|^2\) を求めなさい。(5点)

(3)\(\prod_{j=1}^{11}(1-z_j)\) を求めなさい。(7点)


第2問 三次方程式の実数解の個数(17点)

実数 \(a\) に対し、方程式 \(x^3-432x=a\) を考える。

(1)左辺の関数の極大値と極小値を求めなさい。(5点)

(2)異なる3つの実数解をもつための必要十分条件を求め、理由を説明しなさい。(5点)

(3)異なる実数解がちょうど2つとなる場合のパラメータと、そのときの解をすべて求めなさい。(7点)


第3問 停止する試行と期待値の連立(17点)

表の確率が \(1/12\)、裏の確率が \(11/12\) の硬貨を独立に投げ、初めて表が2回連続したところで止める。試行回数をTとする。

(1)2回目と3回目に初めて止まる確率をそれぞれ求めなさい。(5点)

(2)直前が表でない状態と表の状態について、残りの試行回数の期待値を連立して、Tの期待値を求めなさい。期待値が有限であることは用いてよい。(5点)

(3)表が合計2回出ればよい場合の期待値と比較し、差を求めなさい。(7点)


第4問 三角関数の積分漸化式(17点)

\[ I_n=\int_0^{\pi/2}\sin^n x\,dx \]

とする。\(n\) は0以上の整数である。

(1)部分積分により、次数を2つ下げる漸化式を導きなさい。(5点)

(2)\(I_{24}\) を求めなさい。(5点)

(3)\(I_{25}\) を求めなさい。(7点)


第5問 固定点を引く漸化式と重み付きの和(16点)

\(a_1=12,\ a_{n+1}=2a_n+12\) で定まる数列を考える。

(1)適当な定数を加えて等比数列を作り、一般項を求めなさい。(4点)

(2)初項から第n項までの和を求めなさい。(4点)

(3)\(\sum_{j=1}^n a_j/2^j\) を求めなさい。(8点)


第6問 空間の垂線と四面体(16点)

空間で

\[ O(0,0,0),A(12,0,0),B(0,24,0),C(0,0,36) \]

を考える。

(1)平面ABC上の点の座標が満たす方程式を求めなさい。(4点)

(2)Oから平面ABCに下ろした垂線の足Hと距離OHを求めなさい。(4点)

(3)四面体OABCの体積を2通りに表し、三角形ABCの面積を求めなさい。(8点)


解答・解説

第1問 1の累乗根と積・距離の和

(1)

単位円を \(12\) 等分する点が解。等比数列の和、または多項式の \(z^{11}\) の係数から解の和が0と分かる。

\[ \boxed{z_j=\cos\frac{2\pi j}{12}+i\sin\frac{2\pi j}{12},\quad\sum z_j=0} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(|z_j|=1\) なので

\[ |z_j-1|^2=2-2\operatorname{Re}z_j \]

。前問の和を使う。

\[ \boxed{24} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\[ z^12-1=(z-1)\prod_{j=1}^{11}(z-z_j) \]

。\(z-1\) で割ると左辺は \(1+z+\cdots+z^{11}\)。多項式の恒等式にz=1を代入する。

\[ \boxed{12} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第2問 三次方程式の実数解の個数

(1)

\(f'(x)=3(x-12)(x+12)\)。増減は順に増加・減少・増加なので、\(x=-12\) で極大、\(x=12\) で極小となる。

\[ \boxed{\text{極大値 }3456,\quad\text{極小値 }-3456} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

水平線が3つの単調な部分にそれぞれ1回交わる条件は、高さが極小値より大きく極大値より小さいことである。端点では接して重解をもつため除く。

\[ \boxed{-3456<a<3456} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(a=3456\) では \(f(x)-a=(x-24)(x+12)^2\)。\(a=-3456\) では \(f(x)-a=(x+24)(x-12)^2\)。

\[ \boxed{a=3456:x=-12,24;\quad a=-3456:x=-24,12} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第3問 停止する試行と期待値の連立

(1)

2回で止まる列は表表、3回で初めて止まる列は裏表表だけ。独立性により確率を掛ける。

\[ \boxed{P(T=2)=\frac{1}{144},\quad P(T=3)=\frac{11}{1728}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(p=1/12,q=1-p\) とする。2状態の期待値をE、Fとすると \(E=1+qE+pF\)、\(F=1+qE\)。代入して \(p^2E=1+p\)。

\[ \boxed{156} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

1回の表までの平均は \(12\) 回なので合計2回の表までの平均は \(24\) 回。連続という条件を課すと期待値は前問の値となる。

\[ \boxed{E_{\text{合計2回}}=24,\quad\text{差}=132} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第4問 三角関数の積分漸化式

(1)

\(n\ge2\) とする。\(\sin^{n-1}x\) と \(\sin x\) に分けて部分積分すると、境界項は0で

\[ I_n=(n-1)\int\sin^{n-2}x\cos^2x\,dx=(n-1)(I_{n-2}-I_n) \]

。

\[ \boxed{I_n=\frac{n-1}nI_{n-2}\quad(n\ge2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(2)

\(I_0=\pi/2\) から漸化式を \(12\) 回使う。偶数の積と奇数の積を整理すると

\[ I_{2m}=\binom{2m}{m}\pi/(2\cdot4^m) \]

。

\[ \boxed{\frac{676039}{8388608}\pi} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に3点。

(3)

\(I_1=1\) から漸化式を \(12\) 回使う。\(I_{2m+1}=4^m(m!)^2/(2m+1)!\)。

\[ \boxed{\frac{4194304}{16900975}} \]

採点の目安:考え方と立式に3点、結論と条件の確認に4点。

第5問 固定点を引く漸化式と重み付きの和

(1)

\(a_{n+1}+12=2(a_n+12)\) なので \(a_n+12=24\cdot2^{n-1}\)。

\[ \boxed{a_n=12(2^n-1)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

一般項を代入し、\(\sum_{j=1}^n2^j=2^{n+1}-2\) を使う。

\[ \boxed{S_n=12(2^{n+1}-n-2)} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

\(a_j/2^j=12(1-2^{-j})\)。\(\sum_{j=1}^n2^{-j}=1-2^{-n}\) を差し引く。

\[ \boxed{12(n-1+2^{-n})} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。

第6問 空間の垂線と四面体

(1)

平面の方程式を \(ux+vy+wz=c\) とおき、3点を代入する。係数は共通倍してよい。

\[ \boxed{6x+3y+2z=72} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(2)

法線ベクトルは \((6,3,2)\) なので \(H=s(6,3,2)\)。平面の式への代入で \(49s=72\)。距離は \(7s\)。

\[ \boxed{H=(\frac{432}{49},\frac{216}{49},\frac{144}{49}),\quad OH=\frac{72}{7}} \]

採点の目安:考え方と立式に2点、結論と条件の確認に2点。

(3)

底面OABの面積は \(144\)、Cからこの底面までの高さは \(36\) なので体積は \(1728\)。一方、ABCを底面とすると \(V=S_{ABC}\cdot OH/3\)。

\[ \boxed{504} \]

採点の目安:考え方と立式に4点、結論と条件の確認に4点。